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アンカー・アンカリング

2017.12.03

アンカーとは、日本語で「碇(いかり)」を意味する言葉です。
NLP(神経言語プログラミング)においては、五感における刺激と特定の心の状態や反応を結びつける引き金というニュアンスで語られます。

例えば、ある音楽を聴きながら恋人から別れ話を切り出されたことがあるとします。
そうすると、その音楽を聴くたびに当時の情景が克明に思い出される、といったことはないでしょうか?

この場合、音楽という五感(聴覚)の刺激を引き金に、別れ話であったりその時の感情が思い出されるという反応があります。
このケースにおいては、音楽をアンカーとして古い思い出が想起される状態といえるでしょう。
アンカーである音楽と、過去の記憶が結びついている状態をアンカリングといいます。

心の碇 アンカー

脳はズボラ?

人は無意識に、アンカリングを様々な形で行っています。
例えば、「うめぼし」という言葉を聞いた途端、口の中に唾液が分泌される、というのもまたアンカリングです。
どうやら、人間の脳はとても合理的に働くようで、考えることなく”反応”することで、自らの活動の省力化をしているようです。逆に言えば、脳は常にフル回転するわけではなく、出来る限り流れ作業のように情報処理をしようと工夫しているようです。

結果として、こんなことが起こります。

  • 過去に嫌いだった人と似た人に出会うと、思わず体がこわばってしまう
  • 何か新しい試みを試そうとするときには、過去否定された思い出がよみがえって動けなくなる
  • 仕事の重要な局面で、子供のころの失敗が思い出されて緊張してしまう
  • 会社の自分のデスクに座った瞬間から、強いストレスに見舞われる

ここで例示したのは、どちらかといえばネガティブな感情が引き出される事例ですが、ほかにもいろいろあります。

  • 近所の焼肉屋さんの匂いを感じると、急にお腹が空いたような気がする
  • 太陽の日差しが強くなってくると、夏をイメージしてワクワクしてくる

といったこともあるでしょう。

刺激→反応

例えば、レストランで食後の飲み物を聞かれたとします。コーヒー?それとも紅茶?と。その時、あなたの頭の中ではどんなことが起こっているのでしょうか?

どうしても、コーヒーが飲みたくて仕方がないときはきっとコーヒーを頼むでしょう。
しかし、どちらでも構わないとき、どちらを頼みますか?

この時、多くの場合、脳は一瞬のうちに過去の記憶をスキャンします。そのうえで、同じようなシーン、同じような気温、同じような場所、同じような同席者といった過去の食事シーンで似たシーンを無意識に探します。その無意識で探しだした記憶の結果、その記憶では
「あの日、あの時、あのレストランで、こんな食事をとったあとコーヒーを飲んだらおいしく感じた。」
といったものが引き出されたとしましょう。
すると、口から「コーヒー」とコーヒーを頼む言葉が出てきます。
人は、無意識に行動するとき、過去の記憶のデータベースから同じようなシーンを探し出し、その時の結果に照らし合わせた行動をとりがちです。
これが、コーヒーか紅茶か?というシンプルな問題ならよいのですが、人生の様々なシーンで出てくるから厄介なのです。

あなたの苦手意識はたった1回の失敗によるものかもしれない

苦い経験

人には、様々な苦手意識を持っていることが多いと思います。
実は、これもアンカリングがなされている可能性が高いのです。
例えば、「文章を書くのが苦手」という意識を持っていたとします。
この場合、記憶をさかのぼってみると、何気ない子供のころの経験談がよみがえることがあります。

例えば、小学校の時の作文であまりいい点を取れなかったとか、友人の作文ばかり褒められて自分の作文は無視されたとか。
今となっては些細な経験かもしれませんが、文章を書くという事と、当時のつらい感情がアンカリングされているわけです。
だから、文章を書く、という仕事がやってきた瞬間、体がこわばり、憂鬱になります。

厄介なのは、小学校の経験など自分ではすっかり忘れてしまっているので、なぜ苦手か?という原因がわかりにくいのです。
当時の嫌な思い、恥ずかしい思いにアンカー(碇)をおろしているので、一瞬にしてその感情に手繰り寄せられてしまうのです。

きちんと考えれば、「小学生の自分と今の自分は違う」と、苦手意識を否定できそうなものですが、無意識にやってくる心の動きにあらがう事は非常に難しい。
というよりも、そういった心の動きがあることにさえ気づかないのです。

失敗談がいつまでも影響を与える理由

さて、心の主であるあなたに取っては、
いい加減そんな古い話で自分を惑わすのはやめてくれ!
と言いたくなることでしょう。

何しろ、
文章を書く必要が出る→小学校の嫌な感情が思い出される→書くのがつらい
なんていう、シンプルな心の動きがあなたの長年の苦手意識への悩みなのかもしれないのですから。
こういった反応は、人の行動を制限してしまいます。

とはいえ、これは人が生きるために必要なことなのです。
痛みや苦しみからあなたを遠ざけるための反応なのです。
逆に、こういった機能があるから、人類は今も生きながらえているともいえるでしょう。
だから、新しいことを始める(つまり一定のリスクがある)時には、動けなくなってしまったりもするんです。

アンカリングをポジティブに活用する

良い心の状態とアンカーを連動させる

小さな子供であれば、リスクがあるところに近寄らないような心の反応はとても大事です。
痛い思いをすれば、そこには二度と近づかないようにするのが、人が無意識に行うアンカリングの効能です。
しかし、この文章を読んでるあなたは恐らく立派な大人です。
リスクの大小を判断し、あなた自身の責任において様々なチャレンジができるよう、心の自由を保ちたいものです。

これまで、あなたを守ってくれていた心の反応は、必要なものだけを残して無用のものは捨て去りたいもの。
そもそも、苦手意識なんて、手放したいですよね。
これらを書き換えるために、逆にアンカリングを利用しよう、という考え方があります。

無意識に行われていたアンカリングを意識的に作り出す

NLP(神経言語プログラミング)においては、アンカー・アンカリングをポジティブに活用する方法をお伝えしています。
例えば、あなたのモチベーションが最大化した状態っていうのはどんな状態でしょうか?
血沸き、肉躍る、といった状態。
まずは、この状態を再現していただきます。

ワクワクして、動きたくてしょうがない。
そんな状態ですね。

その状態を味わいながら、あるサインを考えて頂きます。
指を鳴らすとか、手を耳にあてるとか、どんなものでもOK。
できれば、人が見ていても怪しくない、さりげないしぐさがいいかもしれませんね(笑)

それを何度か繰り返すと、そのサインをした時に、最高の状態に感情を持っていくことができます。
体の動きやしぐさをアンカーとして、最高の状態を呼び出すのです。

これはアスリートでもよく見かけます。
イチロー選手が打席に立つときの”儀式”のようなしぐさだったり、トップレベルの選手ほどジンクスを気にする傾向があったり。
オリンピック選手でも、試合前には必ず決まった曲を聴くとかいう話はよくありますよね。
こういったアスリートの場合、心の状態を保つコーチがついていることも多く、そのコーチの指導によるものであることも多いようですが、自身の試行錯誤からこういったことを行っている選手も少なからずいるようです。

このアンカリングを上手く活用するだけで、人生は大きく変わります。

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