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社員とのコミュニケーションこそが会社のリスクマネジメント

今朝、大阪北部では大きな地震がありました。
続々と被害報告が出ているようです。
被災された方々につきましては、心よりお見舞い申し上げます。

 

さて、何を隠そう”中の人”は、大阪在住です。
それも、今回の地震では震度5強と言われるとよなかです。
さすがにびっくりするほどの揺れでした。

こういったときに、いち早く平常時の状態に戻すために緊急時の対応策をいろいろと取り決めるのがBCPと呼ばれるもの。
水や食べ物の備蓄だとか、緊急時の連絡方法がどうだとか、そういったことですね。
しかし難しいことをあれこれ決めても、なかなか現場では使えるものではありません。

 

ここで注目したいのは、人は強いストレス下においては、「過去の習慣を繰り返す」傾向がある、ということ。
非常時に、いきなり初めての行動などはできるものではないのです。
だから体に染み込むほどの訓練が必要となるのです。

こういったリスクマネジメントに、緊急時に人がどういう行動をとるかという心理学は外してはならない分野なのです。
現実にはかなり軽視されていますが・・・

 

ところで、今回話をしたいのは少し毛色の違う話です。
こういったとき、会社の経営者や管理職の人は、なんとか会社を早く元の状態に復旧したい、と考えるでしょう。
電気もない、ガスや水もない。
そんな状態になったとしたら、できることと言えば人力によるものとなります。
その人力を発揮するには人を集めなくてはなりません。

 

これがやっかいです。
誰しも優先順位があります。
まずは、家族の安否確認、安全の確保が一番でしょう。
それがある程度落ち着いた時点で、会社のことを考える・・・とは言い切れませんね。
もしそのことが頭に浮かんだとしても、「会社に行ってみよう」と思う人と、「異常事態だから会社は放っておこう」と思う人がいるはずです。

するといつまでたっても人があつまらず、会社の復旧は遅れるばかり。
こういう時、日頃の社員とのコミュニケーションが大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。

 

たとえば、高圧的で強制的な上司がいたとします。
こんな時まで、「彼に協力しよう」と思うでしょうか。
たぶん、NOでしょう。

逆に人として尊敬する相手が上司だとしたら、やはりそれなりに早い段階で彼に協力したいと思うでしょう。

 

つまり、日頃のコミュニケーションの質が高ければ、会社の復旧速度は上がる可能性が高いように思います。

こういった人間関係は、すぐに結べるものではありません。
あくまで積み重ね。
差し当たってできることとすれば、会社に備蓄の水をたくさん置いておいて、
「何かあれば会社においで。そのために、これだけの水をためてあるから」
と、会社に来る理由を作っておく、ということでしょうか。

 

心理学は、いろんな形で使うことが可能です。