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モチベーションを奪う環境

人は、自分で言いだしたことは、全うしたい。
基本的にそんな風に考える性質があります。
一貫性の法則と言います。

一方で、会社のマネージャークラスの人はこう頭を抱えます。
「ウチの社員は自主性がなくて・・・」

 

こういったマネージャーがいう、自主性ってどういうものなのでしょうか。
たとえば、新しいアイデアを社員が出してくる。
改善提案を社員が出してくる。
言われなくても仕事に打ち込む。

こんな感じでしょうか。

 

こういったときに、重要なのは、社員が働く目的です。
彼らはなんのために働いているのでしょうか?
生活のため?
お金のため?
その要素はありそうですね。

 

じゃあ、なぜお金や生活のために仕事をするのでしょうか。
実はそんな風に会社がしつけている、と言ったら叱られるでしょうか。

これは何度かお話ししていますが、再度きちんとお伝えしましょう。
マーク・レッパー、デイヴィッド・グリーン、リチャード・ニスベットの共同でこんな実験が行われました。

自由時間に絵を描いている幼稚園の園児にこう話しかけました。

グループA:「よくできました」という賞状を見せ園児たちに「この賞状がほしいか?」と尋ねました。
グループB:事前に賞状は見せず、お絵かきが終わった時点でサプライズ的に渡した。
グループC:賞状は渡しませんでした。

2週間後、紙とペンをそれぞれのグループの園児に渡しました。

 

BとCのグループは以前と同様に、一生懸命に絵をかきました。
しかし、Aのグループは絵を描くことに関心を示さなくなりました。

 

これは、賞状をもらえることを知らないBとCのグループの子たちは、純粋に「描きたいから描いている」という状態。しかし、Aのグループは「賞状のために描く」という風に動機がへんかした、と言われています。

これを、トム・ソーヤーの物語から、ソーヤー効果と言います。

 

たとえば、パワーポイントの資料をつくったり、文章を書いたりするのが好きな人も、
仕事でやらざるを得なくなると、急速にやる気がなくなってしまう。
人と会うのが好きな人も、営業で人と会うとなると、苦痛になってしまう。

まぁ、いろんなパターンがありますが、仕事として報酬の対価として労働するというのは、人のやる気を奪います。このブログで、営業へのインセンティブを否定するのはこういった理由からです。

 

 

もう一つ考えたいのは、何かを提案したい、しようと思う社員はいるはずです。
しかし、それを言葉にするのを躊躇している可能性があります。
それは何かというと、こんなこと言ったらバカにされるかも、とか、否定されるかも、とか、
仕事を押し付けられてしまうかも、というリスクを感じている可能性があるという事。

これは心理的安全性と言われますが、何を言っても損をしない、危険を感じない環境づくりはとても大事です。しかし、残念ながらそれが根付いている会社というのはなかなか少ないものです。

 

この二点だけではありませんが、実は社員のモチベーションは、社員の問題ではありません。
モチベーションを持っていない人はいません。
ただ、モチベーションを持てない環境があるだけです。
そのモチベーションを引き出すのは、それを打ち消してしまわない環境を作る事。
そしてコミュニケーションです。

 

そのコツは、NLPを学んで頂ければ感じられる部分があると思います。
ああ、そうだったのか、と。

つまり、うちの社員はモチベーションが低い、という言葉はそのまま自分にかえってくるのです。
じゃあ、それを下げないためにできる事は何でしょうか。
NLPはその答えを探すお手伝いができると確信しています。