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ティール組織

会社や、チームなど、組織を運営している人は、いろんな悩みを持っておられると思います。
そりゃあ、顔も考え方も違う人が集うのですから、まとめるのは大変。
そんな中、ある本が話題になっています。
その本のタイトルは「ティール組織」というもの。

この本で紹介される企業は驚きです。
売り上げ目標、上下関係、予算などない。
これが、まあ10人未満の会社ならありそうな話です。
しかし、ここで取り上げられる企業は、上場企業だったりするわけです。

経営企画部門もなければ、中間管理職もいない。
すべての物事は、現場の人間が決めています。
たとえば、数万ドルの機械設備を敷設しなければならない時、この判断を現場の労働者がするわけです。
社員の解雇もチームで判断します。

リーマンショックで大打撃を受けた企業が、コストの削減を余儀なくされました。
生産現場で人を減らさなければならなくなったのです。
その時、そのチームがとった行動は、「全員が給与を減らし、コストを削減することで社員の雇用を守ろう」という結論だったといいます。
普通で考えればあり得ないですね。

これらの会社は、性善説で運営されています。
しかし、今、多くの日本の企業は、性悪説で運営されています。

なぜかというと、ルールを厳しく決めて、それを守らせる、という前提ですべての機能が作られています。
ノルマを設定して営業させる。
その背景には、そうしないとさぼる人がいるとか、営業成績が上がらないから、といった前提があるからです。
放っておいても精いっぱい販売活動をする、とわかっていればノルマなどいらないわけです。
これを撤廃するとどうなるか、怖くてできませんよね。

 

しかし、一方で、管理をやめると自発的な行動が目立ち始めると言われています。
やらねばならぬと言われれば嫌なことも、自主的にやり始めると、けっこう責任をもってやるものです。
たとえば、学校の体育を「面倒」と思う人はたくさんいたと思います。
しかし、友達と集まってボール遊びをするとか、ダンスをするとかいうことにはみな熱心です。
体育は嫌でも、クラブで体を動かす人はたくさんいました。

音楽の授業は嫌いでも、バンドをやる人もいました。
美術の時間は嫌だけど、絵を描くのは好きな人もいます。

管理を辞めて、責任を与えるとうまくいく。
世の中はそれほど単純ではないのかもしれませんが、いとも簡単にやっている企業が普通に存在するわけです。

 

組織というものを考えたとき、いろんなマネジメント手法があります。
本書の前提は、読み手が一定程度の段階に到達していなければこの本の内容が本当の意味で理解できない、と断言しています。
表面的な部分のみをとらえて、できないかも、なんていう風に思ってしまうのかもしれません。

 

まあ、誰でもできてしまえば、まんトレの仕事は激減してしまうのでしょうが・・・笑

 

しかし、多くの職業は「自分を失業させるために」存在していると思います。
それはどういうことかというと、仕事のほとんどは世の中での困りごとを解決するものです。
失業するということは、その困りごとがなくなることにほかなりません。
結果として、自分たちが力を注いだ分野で、困りごとがなくなるというのは私たちにとっての理想。

世の中の企業の多くが、人の問題を抱えることなくビジネスを続けられること。
それがまんトレが目指す世界です。