スキップしながら、悲しむのは難しい。
ニッコリ笑顔で、怒り続けることは難しい。
意外なほどに、人の心は振る舞いと連動しているものです。
では、逆にこれを活用してみればどうでしょうか?
悲しいとき、心を弾ませるには、スキップすればいい。
腹立たしいとき、心を緩めるには笑顔になればいい。
NLPの本質はこんなところにあります。
人にやる気がみなぎっているとき、体はどう反応しているか?
勇気が出て、果敢にチャレンジしているとき、どんな振る舞いをしているか?
満ち足りた気持ちの時、どんな姿勢をしているか?
こういったポジティブな心の在り方を持っているとき、
体は?言葉は?どんな状態かを研究し、
その状態を作り出すことで、心をコントロールする。
これがNLPの持つ力の一部分です。
1970年代にアメリカ・カリフォルニア大学のリチャード・パンドラーとジョン・グリンダーが、
当時、セラピーの世界で天才との誉れ高い3人のセラピストの研究を始めました。
例えば、戦争体験といった強烈なトラウマにとらわれた人を、
このセラピストたちは3人三様の方法で、そのトラウマから解放させていました。
当時のセラピーの基本は、患者が持つ悩みや不安、苦しみや恨みを延々と傾聴するものでした。
その時間たるや、数十時間。
とにかく、心の中にたまったものを吐き出させる、というのが当時の基本的なセラピストの技術でした。
しかし、この天才と呼ばれたセラピストは、驚くほど短時間で患者をいやすことができており、
早ければほんの数時間で、曇った顔でやってきた人のトラウマを晴れさせたという実績もあったようです。
その研究の対象となった3名は、以下の通り。
彼らはそれぞれ違ったアプローチで、人のトラウマを取り除いていたそうです。
当時のアメリカは、戦地で人を殺したり、仲間が殺されたり、
そして自分自身も生と死のはざまにさらされていたベトナム帰りの兵のトラウマへの対応を迫られており、
できるだけ短時間でこの強烈なトラウマを解消する技術が強く求められていたのです。
リチャード・パンドラーとジョン・グリンダーが3人の天才を観察していた中で気づいたのは、
やっていることは全く違うのに、非常に似通ったパターンがある事に気づきました。
このパターンをうまく活用することで、この3人の天才でなくとも、近い成果が出せるのではないか。
そうやって生まれた手法が、NLPの源流となっていきます。
リチャード・パンドラーとジョン・グリンダーは、コンピューターのプログラミングが好きだったそうです。
コンピューターは、決まった信号(プログラムやデータ)を与えれば、こちらが意図した動きを始めます。
とすると、人の脳もまた、ある程度は何らかの信号を入力することで、意図した結果を引き出すことができるのではないだろうか?と考えたのでしょう。
その後、コミュニケーションの達人、営業の達人などを研究しました。
心の傷をいやすだけではなく、自分をコントロールする技術の体系化に取り組みました。
結果、言葉や五感から取り込む情報が、かなり高い精度で人を動かしていることを解明しました。
こういったことから、人を理解し、人と繋がる中での様々な技術を作り上げました。
NLPはよく、「脳の取扱説明書」と表現されます。
その理由としては、どんな刺激を与えれば、人がどう動くかというレシピといっていいものが解明された、というニュアンスなのかもしれません。
人の心が理解できると、それは自分にも当てはまります。
意外に思われるかもしれませんが、人は驚くほど環境や、人の言葉、その場の雰囲気で思考や行動が左右されます。
こういった外的な刺激に右往左往することで、満たされないまま人生を送る人が多い中で、そういった刺激に対する反応を取っ払ってしまう方法も検討されます。
例えば、メンタルコーチのアンソニー・ロビンズは、NLPをベースとした手法で、低迷していたテニス選手のアンドレ・アガシを世界ランク1位に導いたり、ビル・クリントン元大統領、 世界的投資家のジョージ・ソロス、俳優のアンソニー・ホプキンス等の成果の影で彼らの行動を支えていたといいます。
「嫌われる勇気」という本が大ヒットして、一躍注目を集める心理学者アルフレッド・アドラーはこういっていたそうです。
人の悩みは、対人関係から生まれる、と。
確かに、会社で、学校で、近所づきあいで、面倒な人間関係はあります。
マネージャークラスの人であれば、部下が思い通りに動いてくれない。
部下からすれば、マネージャーは自分の能力を引き出してくれない。
こういった、”お互いさま”は結構あるものです。
こういった事が起こる原因はいったいどこにあるのでしょう?
「話せばわかる」という言葉もありますが、実はこういった人たちは十分なコミュニケーションが取れていないことが多いのです。
「いや、ちゃんと会話してるよ」
そうおっしゃるかもしれません。しかし、単に会話しているだけでは、本当のコミュニケーションとは言えません。
あなたは、部下の、子供の、配偶者の話を聞いているとき、どんな姿勢で聞いていますか?
きちんと体を相手の正面を向け、相手の目を見、相槌を打ち、共感しながら聞くことができていますか?
私どものセミナーで、「聴く」練習をよくします。
しかし、残念ながらきちんとできている人は、ほとんどいません。
このような聞き方をしていると、相手は無意識に「自分の話をきちんと聞いてくれていない」ということを察知します。
そうすると、「この人には何を言っても無駄」となり、信頼関係を築くことは不可能です。
そして、立場が逆になったとき、彼らはあなたの話を「耳」では聞いているかもしれません。
耳で聞いても、心には響かないのです。
NLPは、人を操り人形のように動かす技術ではありません。
もちろん、意図的にそういった事をやろうと思えばできないわけではありませんが、それでは根本的な問題の解決にはなりません。
実は最も簡単な、人を変える方法は、あなたが変わるということなのです。
簡単な例をあげましょう。小さな子供が転んで泣き叫んでいるとしましょう。
そこに、「泣き止め!」と怒鳴ったとすれば、子供はどう反応するでしょう?
恐らく、もっと泣き出しますよね。
実は、大人の世界で、多くの人は同じことをやっています。
ミスをした部下に「いったい何やってるんだ!」としかりつけてみたり、舌打ちしてみたり。
これは、なきさげぶ子供に、「泣き止め!」とどなりつけるようなものです。
人は、周囲の状況に反応します。
つまり、今あなたの周囲に起こっていることは、あなたが起こしているといっても過言ではありません。
あなたの行動に反応して、今の現実が作られているのです。
そういったことから、NLPの効果は広範にわたります。
例えば・・・
といった対人関係に関するスキルだけではなく、
といった自身の心のバージョンアップも可能です。
NLPは現場で使えることに、価値を置いています。
従いまして、難しい心理学用語を一生懸命覚える必要はありません。
むしろ、体を動かしながら、体感しながら、そのスキルを身に着けていただくことに主眼を置いています。
そういったセミナーの作り方にも、実はNLPの知見が盛り込まれています。
例えば、NLPでよく出てくる言葉にVAKモデルといわれるものがあります。
これは、人の五感のうち特に学習において使われやすい感覚として
Visual(視覚)
Auditory(聴覚)
Kinestic(身体感覚)
という三つの感覚を取り上げています。
人は、それぞれに、この3つの感覚のうちいずれか優位な感覚があるといいます。
簡単に言うと、目で見て覚えるのが得意な人、
耳で聞いて覚えるのが得意な人、
体で感じながら覚えるのが得意な人、といった具合です。
皆さんも覚えがありませんか?
耳で聞いただけではなかなか理解できず、本で読むとすぐ理解できるとか、
文章を読んでも頭に入らないけど、人から聞くとすぐ理解できるとか、
じっと座ったままでは、聞いても、読んでも理解できないのに、
体を動かしながら学んだことはすっと理解できるとか。
そういった個性があることを知っているから、
どの感覚が優位な方でも、すんなり理解できるように、
NLPのセミナーでは、この三つの感覚をフル動員できるよう、工夫されています。
余談ですが、あなたが営業やセミナーをされる立場の方の場合、この知見はすぐにでもつかえますね?
言葉で語り、資料で示し、体を使って体感できる(例えば試食や試乗など)ようにすれば、
相手の理解は一気に高まります。
一般的に、NLPの最も基本的なスキルとして、一瞬にして相手の信頼を獲得する手法があります。
そのテクニックとして、比較的実践しやすく、効果も実感しやすいものとして、
以下の三つものものが代表的です。
この技術は、相手との信頼関係を築くことができるため、営業や交渉事、チームのコミュニケーション向上のみならず、
あなたの組織内での影響力をも高める事も可能です。
オリビア・フォックス・カバン著『カリスマは誰でもなれる』によると、カリスマ的人物には、「プレゼンス」「誠意」「パワー」の三つの素質をある程度示すことができればいい、といいます。
「プレゼンス」とは、「存在感」と訳されますが、その存在感を示すものは本書では、「相手に対する集中力」としています。
つまり、相手の言葉にどれだけ集中しているか?という事こそが、あなたの存在感を示します。
なぜ、相手に集中すると存在感が増すのでしょうか。
少し考えてみると明確になります。
自分の話を聞いてくれない相手を、誰が尊重するでしょうか。
あなたと真剣に向き合ってくれるからこそ、人はあなたを尊重するのです。
もっとも基本的なこのスキル、シンプルではありますが目の前の人との関係のみならず、あなたの人生をも変えるほどのパワフルな影響力を持っています。
先程の3つのスキルは、あくまでも目の前にいる人とのコミュニケーションスキルです。
冒頭、悩みのほとんどは対人関係から生まれる、と申し上げました。
しかし、実は対人関係といっても、目の前に現実に存在する人だけの問題ではありません。
少しわかりやすくするために事例をあげましょう。
たまった有給休暇を使って、海外でゆっくり過ごしたい。
そんな思いが、あなたの頭をよぎったとします。
しかし、頭の中には次の瞬間、こんな思いが次々と浮かんでくるでしょう。
「そんな長期の休暇をとるなんていうと、課長、怒るだろうなぁ」
「しかも、周囲のチームメンバーにも迷惑をかける。」
「そもそも、そんなの現実的じゃないよな。」
「お金だって、そんなことで使い切ったら後が大変だろうし。」
結果、その思いは、単なる妄想で終わってしまう。
似たような経験、だれしもあるのではないでしょうか。
実はこういった思考も、対人関係の問題と言っても納得感がないかもしれません。
しかし、こう言い換えてみてはどうでしょう。
課長の目を(自分勝手に)想像して気遣い、
チームのことも(自分勝手に)想像して遠慮し、
誰が言ったかわからない「現実的」という物差しに与し、
将来に備えろというやはり誰が言ったかわからないおせっかいに目が曇る。
長期の休暇の申し出をした時、課長が怒るかどうかはやってみなくてはわかりません。
チームメンバーが迷惑と思うかどうかも怪しい。
むしろ、誰かが長期休暇をとった前例をつくることで、メンバーが休みを取りやすくなることを喜ぶかもしれません。
現実的ではないというけど、それは誰かが作った常識感でしかありません。
(実際に、長期休暇をとって海外に行っている人はいくらでもいます。)
お金の問題にしても、後に取っておくより、今ここで経験すべき重要な体験かもしれません。
これはポジティブシンキングといった話ではありません。
休暇をとって海外旅行をすることをあきらめたのは、あなた自身ならばまだいいのですが、
その判断基準は、誰かに影響されている基準を、無意識に使っている、ということです。
つまり、あなたは、誰かがあなたにインプットした価値判断で動いている、ということなのです。
大人はこうあるべき、人としてこうあるべき、自分の立場はこうあるべき・・・
この「べき」とういう思いは危険です。あなたの意志ではない可能性が高いのです。
さて、このケース、無理をして海外に行きなさい、と言っているわけでもありません。
ただ、誰かがあなたにインプットした視点ではなく、自分の本心を知ったうえで、
最終的にいかないという決断をしたなら、それは価値のある決断だといえます。
しかし、その本心を多くの方は気づいていないのです。
その本心を知ることこそが、自分で人生のハンドルを握る、ということになります。
NLPは、そういった自己探求のワークもバリエーションとして持っています。
一皮むけた自分に会う事ができる機会ともいえるでしょう。
膨大なスキルや知見が網羅されたNLPですが、これを自分で学習することも可能です。
世の中には、多くのNLP関連の書籍が販売されています。
その多くは、基礎的な技術がほとんどではありますが、やってみれば十分変化を感じることができるでしょう。
しかし、注意したいのは、NLPではノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)を非常に重視しています。
なぜなら、メラビアンの法則では、コミュニケーションの93%は言葉以外で行われているという実験結果があります。
具体的には、
と言われています。
何が言いたいかというと、文字情報だけではすべてが伝わるものではない、ということです。
あるセミナー参加者の方は、
「たくさんの本を読んだけど、読めば読むほど疑問がわくんです。
それがたった1回のセミナーで、すべてが理解できました。
こんな事なら、初めからセミナーを受講していれば無駄な回り道をしなくて済んだのに。」
とおっしゃっていました。
もちろん、それまでの学びがあったからこそ、深い理解を得られたのだと思いますが、
最短距離を進みたい方は、まずセミナーを体験してみる、という選択肢が良いこともあるようです。
NLPに限った話ではありませんが、最も重要なことは、学んだことを実践してみる、ということが大事です。
営業ノウハウであれ、対人スキルであれ、「知っている」だけでは何の意味もありません。
無意識でも常に体が正しい動きをするまでは、繰り返し実践していく必要があります。
よく言われる例えですが、自転車の乗り方を教えてもすぐに自転車に乗れるわけではありません。
何度も何度も、教えられたとおり試してみて、体が覚えたあるタイミングで、突然できるようになります。
NLPのスキルも、多くは学んですぐに使えるものではありますが、自然に日常の中で使っていくには、
やはり何度も練習が必要です。
そこは、どんなスキルにおいても全く同じでしょう。
しかし、セミナー参加後には必ず変化を体感できるレベルにはなりますので、ご安心ください。
これも重要な話ですが、NLPは言ってみれば理論ではなく技術です。
格闘技や運転技術を実践したことのない人から学ぶ人はおそらくいないでしょう。
NLPもまた、その経験値がかなり重要となる人生をよりよくする技術です。
つまり、あなたが選ぶトレーナーの経験や人生観は、非常に重要となります。
また、相性もあると思います。
そういった思いから、私は、このような形で自己開示を行っています。
私自身、決してすべてがうまくいっている人生とは言いません。
しかし、そんな失敗談を含めてこのホームページやブログでつづっております。
よろしければ、ご覧いただき、私の人となりを見て頂ければと思います。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士