人は、心の中に預金通帳を持っています。
新たな人と出会うと、その人用の通帳が一つ作られます。
Aさんが、Bさんに何かしらの心遣いをしたとします。
すると、Aさんの口座残高は減り、Bさんの口座残高は増えます。
この通帳は、基本的に残高「ゼロ」を目指すように人は動きます。
Bさんは、Aさんから受け取った残高を何とか減らしたい。
そうおもって、逆にAさんに何かしらの心遣いをします。
ややこしいですが、ここまで大丈夫ですか?
では、上司と部下の関係を考えてみましょう。
よくあるのは、部下が上司のために仕事をします。
部下の心の口座残高はマイナスになります。
上司は、その部下の働きを褒めることで、一旦マイナスになった口座残高をリセットできるはずなのですが、
それがないと、部下の口座残高はマイナスのまま。
そこに加えて、さらに仕事の依頼。
部下の口座のマイナスはどんどん増えていきます。
この状態で、上司はこう漏らします。
「最近、部下のモチベーションが上がらない。」
で、上司はこう考えます。
給与を上げればモチベーションが上がるかも。
インセンティブ(成果報酬)を出すとモチベーションは上がるかも。
しかし、それにたいして、ハーズバーグという心理学者は言います。
「報酬を上げる事で、不満足を減らせることはできても、モチベーションは上げられない事が多い。」
心の預金通帳残高は、金銭的報酬では上げることはできないんですね。
上司は、部下に対してどんどん借金を重ねます。
飲み屋で上司の悪口を言うのは、こういう状態だからですね。
この減りきった部下の心の預金残高を増やす方法って、何があると思いますか?
部下を認め、労い、心遣いする事です。
一銭もお金はかからないんです。
多くの職場で、心の口座残高をマイナスにした社員があふれています。
それが慢性的になると、心を病んだりするきっかけにもなります。
実は、上司は、部下の話を聞いて、認めてあげるだけで、それを防止する事ができる可能性があります。
しかし、部下を認めるといっても、ある程度の作法があるのです。
上司が部下を認めたつもりでも、部下にとって「認められた」と感じることができなければ意味がありません。
そのコツを知るのが、心理学を学ぶ、という事です。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士