SNSは心理学の宝庫

先日、twitterで興味深い投稿を見かけました。
その内容はこんなものです。

ガン保険のCMで男の人が「ガンで入院したら1日10000円もらえるんですか!?それはうれしいですね!」って満面の笑顔で言っていたが、もう少し冷静に考えたほうがいいと思う。ガンだぞお前。

なるほど(笑)

 

私はこのCMを見たことがないのでわかりませんが、おそらくそのCMは”男の人”がガンになっているわけではなく、ガン保険を検討する中で「(この保険料で)1日10000円っていいですね」という意味なのだと想像します。

ですからこのつぶやきは、すこしナナメ目線といえるかもしれません。

 

ただ、このツィートにはけっこう「いいね」がついています。
共感する人が結構いらっしゃる、ってことなのでしょう。

 

きっと、保険業界にいて、ガン保険を販売する立場の人は、このツィートを馬鹿にするかもしれません。けど、消費者の立場から見たこのCMは、そのように映るという事実はあるわけです。

 

保険業界にいる方にとって、お客さんにガン保険を提案し、契約していただいて、その方が本当にがんになったとき、こう感じるでしょう。
「お役に立てて良かった。」と。
これは決して間違いではないと思うのですが、本来のお客様の希望ではないはずです。
本当は、ガンにならないほうがいいに決まってます。

ここの意識のギャップ、結構重要じゃないかと思います。

 

保険に限らず、自分たちの扱う商品を、最高!と思っている人は沢山います。
しかし、お客様は必ずしもそうとは限りません。
この感覚の隙間を埋めていく努力が、営業担当者としては必要になります。

だから、営業に限らず、サービスや商品を提供する業者は、素人であるお客様の感覚を忘れてはなりません。

 

「この商品は最高です!」
この感覚をお客様に押し付けようとすると、お客様は腰が引けてしまいます。
そもそも、皆さんも経験ありませんか?
「なにからなにまで良い」
という営業ほど怪しいものはありませんよね(笑)

 

だから、お客さんに語ってもらわなければならないのです。
お客様の価値観、お客様の商品に対する考え方、お客様が何を求めているのか。
往々にして、営業マンはしゃべり過ぎのキライがあります。
沈黙が怖いんですね、きっと。

 

営業の現場では、お客様にどんどん語ってもらいましょう。
そうすることで、築くことができる信頼関係があります。

 

個人向けセミナー

営業は本当に断られたときにはじまるのか?

そんな本日、ある営業の人がやってきました。
いわゆる飛び込み営業というやつです。

電話でしつこかったので、一旦は断ったのですが、ポストに資料だけ入れていいかというので、許可しました。
すると、(予想はしてましたが)ずかずかと社内にやってきました。
上司を連れだって。

 

もうその時点で、私の気分はむかっと来てるわけですよ。
当然、応接は勧めません。
立ち話です。

 

で、彼らは自分の言いたいことをペラペラと話します。
延々と・・・。
さすがの私も、我慢の限界です。
「ちょっと忙しいので、その辺りで勘弁してください。」
と早々に話を切り上げました。

中には、それでもたじろがない営業もいたりするんですけどね。

 

 

営業って、努力と根性という汗くさい物語が美談とされてるイメージ、強くないですか?
昔、あるトップセールスマンがこんな言葉を残しました。
「営業は、断られたところから始まる。」と。
これを変に曲解して断られても断られても引き下がらない営業マン、ときどき見かけます。

 

逆に考えてみればすぐにわかる話だと思います。
いらない、と言っているのに同じ話をグダグダと語られたら、たまったものではありません。

 

私は、「営業は断られたところから始まる」という事の真意は、お客様の理の声にきちんと耳を傾けなさい、という事だと考えています。売り込みをした際、お客様はいろんな断り文句をいわれます。

ある人は、高いとおっしゃるかもしれない。
ある方は、ここまでのものは必要ないとおっしゃるかもしれない。
ある方は、そもそもこんな商品いらないというかもしれない。

 

そういったお客様の声に耳を傾けることで、お客様が本当に望んでいるものは何かを知るべきだと言っているのだと思います。

 

だから、断られても断られても突進する営業マンではだめなのです。

いくら断っても、退出しない営業マンをあなたは「根性あるやつだなぁ」と認めますか?
恐らくいまどきそんなことはないでしょう。

下手をすれば危ないやつです。
警察に突き出されちゃいます。

 

むかし、そんな営業がまかり通っていました。
例えば、銀行や証券会社は、買ってくれるまで玄関を出ません!という営業、普通にあったわけです。その結果、法律で規制されましたよね。
夜9時以降にセールス電話はだめですよ、なんていうルールがあるのも、迷惑千万なセールス活動がかつては横行していたからです。

 

セールスはもっとスマートでありたい。
そう思うなら、NLPを学んでみるのは一つの方法だと思います。

 

お客様が「お客様」でなくなる 究極のコミュニケーション術

なぜ営業の仕事が人気がないか?

営業はどちらかというと、職種としては人気がない部類に入ると思います。
例えば、「営業募集」と求人を出しても、なかなか来てくれる人はいません。

どうも、営業職って、いつもなにかと闘っているイメージがあります。
まずは、数字と闘っています。
毎月、四半期、1年と、締めのタイミングごとに数字が突き付けられますね。
ノルマというのか、予算というのか、目標というのかは会社によって違いますが、結果はおんなじですよね。とにかく、責任を持たされた数字はやらなければならない。
結果が求められるわけです。

 

とはいえ、どんな仕事でも結果は求められます。
しかしそのほとんどは、やり方は明確なわけです。
そして、基本、自分が頑張れば結果がついてきます。

しかし、営業はそうはいきませんよね。
相手があっての営業です。
しかも、やり方の手順を明確に指導している会社はほとんどないでしょう。

 

営業職にはほかにも闘うものがあります。
それはお客様とのやり取りですよね。
それを”闘う”というのはあまりに不謹慎と思えるかもしれません。
しかし、多くの営業の方って、どうもそんな感じではないですか?

●囲い込む
●契約を”取る”
●落とす

まぁ、営業の現場でお客さんを表現する言葉って、
どうみても闘いですよね。

 

こんな闘いがあって、売り上げが成り立ってる・・・。

そりゃあ、営業なんて職業、嫌になっちゃいますよね。

 

本来的には、営業の人とお客さんは同じ方向を向いているはずです。
実際のところは、そうでもない。
会社として、これだけ売れ!ってノルマが最優先される以上は、どうしても本気でお客様のあるべき状態をつかめないわけです。

お客様はじっくり考えたいけど、会社としては早く結果を出せという。
その間に挟まれた営業担当者は、大変です。
お客様の立場に立とうとすればするほど、苦しくなるんです。
これってまさにダブルバインド(二重拘束)状態です。
そうやって、心を病んでいくんですね。

 

そういう意味では、本来、営業チームはもとより、会社全体が何を優先すべきかを考えなければなりません。営業を鍛える以前の問題です。
会社としての方針がきちんと固まったうえで、どのような営業社員を育てるかを考えなくてはならないのです。

 

そのキーとなるのは、「顧客から始まる。」という考え方です。
営業をしていると、とかく、商品からスタートしがちです。
この商品は素晴らしいから、Aさんに最適ですよ、と。
しかし、大事なのは、そもそもAさんが本当に望んでいる未来はどんなものかを知ることが重要です。

 

そのステップをきちんと歩むことが、営業を楽にする最短距離だと思います。
営業という職種が嫌われるのは、営業という仕事の役割をきちんと決めきれていない事といえるでしょう。

そういった部分をきちんと確定したうえで考えるべきは、営業はいかにお客様のニーズを引き出すかです。そのためには、聞く力を育てていく必要があります。

お客様を知る、ということ。

ある保険会社の社員さんが「データベースマーケティング」なる言葉を発していました。
データベースマーケティングというのは、簡単に言うと顧客情報を活用して、特定の客層へのアプローチ方法を選定していく事です。

その保険会社さんの言い分は、

「30歳代~40歳代のお客さんに医療保険を売りましょう。」

なんていうもの。

 

ちょっとマーケティングを学んだ人なら、アホちゃうか、と思ってしまいます。
実は、販売活動は、マーケティングとセリングに大きく分けられます。
セリングというのは、商品ありきの考え方。
マーケティングとは、お客様ありきの考え方。

 

冒頭の保険会社さんがおっしゃっているのは、翻訳するとこんな感じになります。
「30歳代~40歳代のお客さんは、医療保険に加入できる年齢だし、保険料(掛金)もそこそこ安いのでどんどん売り込んでください。」
という意味でおっしゃっていたように思います。

 

まさに、商品ありきですよね。
お客様ありきの発想ではありません。

 

じつは、お客様ありきの発想って、結構面倒くさいのです。
たとえば、30歳代で小さいお子さんがいる主婦には、はどんな悩みがあるのだろう?と思いをはせます。

  • 近所にいい小児科がない
  • 子供の英会話教室、どうしよう?
  • プールに通わせてるけど今後どうしようかな。
  • 最近ちょっと肌荒れがひどいけど、年のせいかな。

などなど。
ハッキリ言って、入院した時どうしよう?なんていう風に考えている人はごくわずかです。
しかし、小さなお子さんを持つお母さんに、「近隣の小児科リスト」なんてものを作って、しかもそこにはあなたがインタビューした、実際にその小児科を訪れた人の声が載ってたりしたら、お客さん、大喜びじゃないですか?

そして、自然とお子さんの健康の話になりますよね。
お子さんが病気になったら大変なのは、奥様実感としてご存知です。
じゃあ、奥様がご病気になられたとき、どうすればいいでしょう?
保育園を頼る?ご実家を頼る?
そんな話が出るかもしれませんね。

いずれにせよ、自然に保険の必要性を考える話題に行き当たります。

 

そういう展開が上手く行ったとすれば、今度は同じ境遇の人には、同じ提案が刺さる可能性が高いと考えられますよね。実は、データベースマーケティングというのは、分析があって、こういった試行錯誤があって、初めて出来上がるものです。

 

それを単に、こちらの都合で「この商品はこの層に合うはずだ」というのは、ちょっと早計じゃないでしょうか。

 

確かに売りたい商品があるのはわかります。
しかし、やはりお客様の視点から始めなければ、長いお付き合いは望めません。
急がば回れ。
こういった手間を惜しむことなく、仕事に当たっていきたいものです。

 

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