部下には教えるな気づかせろ

この春、新たに部下を抱えることになった人もいるのではないでしょうか。
課長らしくあれ、部長らしくあれ、とそんなことを意識されているのでしょうか。

で、伺います。
課長の仕事、部長の仕事って何でしょうか?
部署の人間をまとめ、
会社から与えられたノルマを達成する仕事?

もちろん会社によって、その役割の在り方に違いはあるでしょう。
けど、私はこう思うのです。
課長や部長といったマネージャーは、自分たちの部下を成長させることだ、と。

 

多くのマネージャーって、部下を成長させないで業績を上げようとする。
だから、無理な仕事をさせたり、ブラック企業というレッテルを貼られてしまったり。
社員の能力が変わらないのに、業績を上げるならたくさん働くしかありませんからね。

今、働き方についていろいろと論じられてますが、シンプルに言うとマネジメント層が人の本質を知らないことに端を発していると思います。
たとえば、キャンペーンやれば売り上げが上がる、
にんじんをぶら下げれば、人はやる気を出すという短絡的な発想。
これ、奴隷を扱うレベルの低俗な話です。

 

それで一時的には、成果は上がります。
しかし、キャンペーンが終われば、モチベーションは以前より下がります。
けど毎年、毎月、締めがあるからモチベーションがさがってもやらなきゃならない。
だからみんな心を病むんです。

「上司は嫌われてナンボ」
なんていう、石器時代からありそうなオトボケアドバイスしかできない上司があなたの上司だとしたら、ちょっとその組織の未来を疑ったほうがいい。

 

では、人を育てるってどういうことでしょうか?
あれやこれやと、口うるさく言うこと?
それは違うと思いますよ。
その教育は、会社のパーツとして社員を「部品化」する教育法です。
ルールから逸脱させず、言われたことを言われた通りのロボットとして扱う方法。
社員はロボット扱いされるわけですから、当然、ヤル気なんて出せません。
ロボットがヤル気出してたら怖いですよ。

 

もし、あなたが、部下の能力を最大限引き出そうとするなら、まずは部下がどんな特技を持っているかを知らなければなりません。
そのためには、コミュニケーションが必要です。
コミュニケーションといっても、あなたがあなたの考えを押し付けるのではありません。
部下が、自分の考えを語る場所が必要です。
それができて初めて、やっとその部下の能力の片鱗が見え始めるはずです。
と同時に、あなたと部下の人間関係ができます。

うまくいくと、部下は「あなたのために働きたい」という思いを持ち始めるかもしれません。

まずは部下を知り、こんどは部下の能力を活かす仕事、伸ばす仕事を与えるようアレンジします。
少し難しめの仕事を任せたほうが、能力を引き出すには有効ですね。
失敗したら責任を取るのは上司です。
部下を守り、失敗してもいい、という雰囲気の中で仕事をさせます。
そうするとあるタイミングで、部下は圧倒的な成長を見せるようになるでしょう。

人がブレイクスルーを起こすとき、必ずそれは自分が経験した「体験」と紐づいています。
コミュニケーションでは、ノンバーバル(言葉以外の)メッセージが非常に重要といわれます。
それと同じで、人が世界を認識する知覚をフルに使うことで、その人の成長は促されます。
そのもっとも簡単な方法が、体験させる、ということです。

上司は、部下の体験をデザインしなければならないのです。
何度言っても聞かない社員がいるとしたら、体験から学ばせるにはどうすればいいか?
そう考えてみてはいかがでしょうか。

 

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今や、スマホやタブレットの普及で、どこででも仕事ができる。
そんな環境になってきました。
リモートワークなんていう言葉もよく耳にするようになりました。

特に、物を書く人やプログラムを書く人などは、どちらかといえば一人こもってやる作業だけに、場所を選ばないイメージがあります。
しかし、そんな中、ちょっと驚くコメントを見つけました。

 

以下、『POWER OF TWO二人で一人の天才』(ジョシュア・ウルフ・シェンク)から引用します。

米ヤフーは従業員に、在宅勤務をやめてオフィスで働くように指示している。
グーグルのパトリック・ピシェットCFO(当時)は在宅勤務をしている従業員がどのくらいいるかと聞かれて、「出来るだけ少なくしている」と答えた。

いずれもIT企業で、特にグーグルなどは非常に自由な社風が有名です。
合理的に考えれば、通勤時間をカットして、在宅勤務にしたほうが効率がよさそうに見えるし、かつてはそういった試みをいち早く試してきた企業でしょう。
しかし、結果として、それではむしろ効率が落ちる、というのが彼らの考え方のようです。

それはなぜなのでしょうか。
同書では、2010年に行われたある調査結果を持ち出して説明しています。

ハーバード大学の研究者が1人以上名を連ねる生物医学の論文3万5000本について、物理的な距離が近い共同執筆者の論文の方が、遠く離れている共同執筆者の論文より引用される回数が多かった(引用回数は研究の重要度の指標とされる)。

要は、物理的距離が近いパートナーと組んだ方が、パフォーマンスが高い、と言いたいわけです。

 

さて、電話やメールはもとより、チャットやその他色んな通信手段があるご時世。この世の中で、物理的な距離が仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすというのも不思議な話です。
こういった事があるからヤフーもグーグルも、在宅勤務を減らそうとしているようです。

 

さらに、同署ではその糸口をこんなところに見出しています。

会話をしている人を録画してコマ送りで再生すると、言葉以外の要素が同調している事がわかる。
~中略~
私たちの脳は1000分の1秒、100万分の1秒の単位で情報を処理するから、身体の動きも数分の1秒単位で同調する。

 

一般的に、こう言った、言葉以外のコミュニケーションをノンバーバルコミュニケーションといいます。仕事の成果にも目に見えて現れるほどに、人と人は、言葉以外のこういったコミュニケーションを無意識にとっていると考えられます。

 

皆さんも実感としてあると思うのですが、メールなどの文字情報によるコミュニケーションは結構難しいといいます。それは、言葉の抑揚等を伝えにくいから、といった理由をあげることが多かったのですが、どうやらそれだけでもないようです。

文字より声、
声だけより会って、
より、距離感を近づけたほうが真意が伝わりやすいという感覚はお持ちの方が多いと思います。

 

それは、普段認識できる声や、表情ももちろんですが、その裏に莫大な情報のやり取りをすることができるリアルな面談が圧倒的に強いつながりを作り出すのかもしれません。

 

さて、こういった無意識で行っている、お互いの情報の交換ですが、実はNLPというのはこの無意識の情報交換を意識的に行うノウハウといえるでしょう。一瞬の目の動きや表情を読み取る、というのはまさにNLPの一つの技術です。さらには、相手との信頼関係を築くために、何を言うかだけではなく、どうふるまうかを学ぶのがNLPです。

 

ITの最先端企業が認めた、「顔を合わせることの大事さ」。
その背景には、無意識で行われる超高速なノンバーバルコミュニケーションがある。
そしてそのノンバーバル(非言語)コミュニケーションにおけるノウハウを体系化したNLP。
こう考えると、NLPを学ぶことで予想以上に人間関係が改善するカラクリが見えてくるかもしれません。

 

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