選択をしない選択

すこし、たとえ話にお付き合いいただければと思います。

あなたが何かの商売をしていたとしましょう。
その商売、5年後に法律が変わり、続ける事ができなくなることがわかりました。
あなたには二つの選択肢があります。

一つは、頭を切り替えて出来るだけ早く別の商売にシフトしようと考える。
二つ目は、5年間は悩みながらなんとかやっていこうと思う。

さて、いずれでしょうか?

 

理論的には、前者を選ぶのが普通です。
しかし、現実には後者を選ぶ人が圧倒的多数だと思います。

 

実は、これに近い決断を迫られるケースはたくさんあります。
たとえば、あなたが街の本屋さんを経営していたとしましょう。
amazonや対規模な本屋さんが台頭する中、今や売り上げはじり貧でしょう。
それでも、何の工夫もせず、何の対策も打たず、今まで通りやっている本屋さんがほとんどなのではないでしょうか。

 

サラリーマンであれば、リストラが一つの例でしょう。
早期退職制度に乗れば、まとまったお金を手にでき、次の人生を検討できる。
しかし、出来れば、波風が立たない状態で今まで通り勤めたい。
そうしたときにバラ色の人生が待っているとは到底思えなくても、決める事なんてなかなかできるものではありません。
多くの場合、良い人材ほど早期退職制度で流出する、と言われていますね。

 

こういった選択は、どちらが正しいとはにわかには判断できません。
ただ、間違いなく言えるのは、「選択しない選択」をされている事が圧倒的多数であると思います。

 

選択しない選択ってなに?って感じですね。
わかりやすく言うと、人は自分で決める、という事に大きなストレスを感じます。
だから、積極的に決めるよりも、何も決めず、このままの状態で流される方が楽なのです。
しかし、その場は楽でも、苦しい場面を先延ばしにしている事がほとんどなだけで、いつかはその問題がやってきます。

それでも、なぜ決めようとしないのか。
苦しい場面を先延ばしにした結果、ついに逃げ切れず苦しい状況におかれたとき、
そのひとは、こういうのです。

「俺のせいじゃないのに。」

リストラされるのも、本屋さんの経営が上手くいかないのも、俺のせいじゃない。
そうやって、誰かの責任にできる事は、精神的にとっても楽なんです。

自分で決めてしまえば、それは自分の失敗であり、判断ミスになります。
だから、人はそれを極力避けてしまうのです。

 

「決めない」という意味では、こんなこともありました。
私の知人で、最近離婚をした男性がいます。

実は子供が妻に虐待されているのです。
ヒステリックな妻で、日常的に彼や子供に皿を投げつけたり、子供はベランダから落とされそうになったことさえあるそうです。
しかし、彼は何もしないのです。

そんな妻の神経を逆なですれば、子供はさらに虐待される。
妻がヒステリックに叫ぶなら、それをずっと聞き入れているのがみんなにとっての幸せ。
自分さえ我慢すれば…
彼はそんなことを言っていました。

子供は奥さんを怖がって、近寄らない状況にもかかわらず、です。

 

常識から考えるなら、離婚して、親権を確保するにはどうすればいいかを考えるでしょう。
もし、本当に子供のことを考えるなら。
しかし、そんな決断も行わないのです。
そして決断を行わない事を、美徳として自分を納得させようとしていたのです。
この妻には自分が必要で、子供の安全のためには自分は妻の暴力を受け入れなくてはならない、と。

厳しい言い方をすれば、彼は自分の責任逃れしか考えていないのです。

 

さて、「決断」というのは非常にストレスを伴うものです。
その後の人生が厳しい状況となる事がわかっていてもなお、今すぐ決断する事のストレスのほうがより遠ざけたいのが人間です。

拙速な切断をせよ、というつもりは毛頭ありませんが、私たちは様々なシーンで「決断」することを避けている、という事に気付く必要はあるのではないかと思います。

 

無意識にやっている事には、たいてい心理学的意味があります。
そんな無意識の行動を知るために、NLPを学ぶことは、価値のある事ではないでしょうか。

 

営業スキルで必要なものとは

ネットで調べ物をしてると、こんな情報がありました。

営業職1500人に聞いた「16分野別」絶対不可欠スキル

 

ここで、営業にとって必要なスキルは、

自分の仕事に最も必要なスキルとして挙げたのは「課題発見力」で11.44%。2位は「ヒアリング力」

となっているようです。

 

ここで、課題発見力というと当然顧客の課題発見力でしょう。
気を付けたいのが、顧客の課題を勝手に決めつけている人が意外に多いのです。

凄く極端な例ですが、ある先物取引への投資を営業しに来た人がいました。
この人、「〇〇は絶対もうかります!」とかいうわけです。
その時点で、法的にアウトなんですが、それ以上にそのことを信じて疑わない。

今世の中がこういう情勢で、こう動くから、その〇〇の先物取引は、彼の常識の中では必ずもうかるとみているのでしょう。
彼からしてみれば私は、「楽して儲けたい」「お金を働かせたい」人である、という事を決めつけてるわけです。

彼の設定した私の課題は、本当は私にとっての課題ではなかったのですが・・・。

 

こういう押しつけがましい営業は、けっこう間違いを犯しています。
〇〇歳代の女性は、こういう悩みを持っているはずだ。
××業の社長は、こういう悩みを持ってるはずだ、と。

それ自体は悪い事ではないのですが、ちゃんと確認しましょうよ。

 

きしくも、第二位はヒアリング力です。
お客さんに聞かなければならないのです。
お客さんから引き出さなければならないのです。

 

そういったときに、ある程度事前の情報を得ておいて、
「きっとこういう課題を持っているだろう。」
という仮説のもとでお客さんと会うのは、とても重要なことです。
しかし、それを決めつけてはいけません。

 

たとえば私は、保険代理店の経営に携わる中で、営業に来た人はこんなことを言います。
「保険代理店経営をしていると、こういう商品が欲しいですよね。」
「社員にはこんなスキルを求めますよね。」
「こういう情報が欲しいはずでよ。」
ぜんぶ、ウザいです。

999社の保険代理店にとって必要な情報だったとしても、当社には必要のない情報だってあります。
それをまず、知らなきゃいけませんよね。

仮説を立てたら、検証しなくちゃ。

 

さて、もう一つ問題があります。
ヒアリング力については、必要と感じつつも、その正しい能力を身に着けている人はまれです。
質問する力がどうしても弱いのです。

見積もりに必要な項目を聞くことがヒアリング力ではありません。
それは単なる、情報収集です。
ヒアリング力というのは、お客さんが内心何を考え、何を求め、なにが障害になっているかを知る力です。こういった能力は一般的な営業研修ではなかなか行われることがありません。

実は、カウンセリングから始まったNLPはこういったヒアリング力を鍛えるには最適なのです。一度、情報収集してみるとそのことがよくわかると思います。
このブログだけではなく、広く情報を収集してみてください。


 

 

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