モチベーションを奪う環境

人は、自分で言いだしたことは、全うしたい。
基本的にそんな風に考える性質があります。
一貫性の法則と言います。

一方で、会社のマネージャークラスの人はこう頭を抱えます。
「ウチの社員は自主性がなくて・・・」

 

こういったマネージャーがいう、自主性ってどういうものなのでしょうか。
たとえば、新しいアイデアを社員が出してくる。
改善提案を社員が出してくる。
言われなくても仕事に打ち込む。

こんな感じでしょうか。

 

こういったときに、重要なのは、社員が働く目的です。
彼らはなんのために働いているのでしょうか?
生活のため?
お金のため?
その要素はありそうですね。

 

じゃあ、なぜお金や生活のために仕事をするのでしょうか。
実はそんな風に会社がしつけている、と言ったら叱られるでしょうか。

これは何度かお話ししていますが、再度きちんとお伝えしましょう。
マーク・レッパー、デイヴィッド・グリーン、リチャード・ニスベットの共同でこんな実験が行われました。

自由時間に絵を描いている幼稚園の園児にこう話しかけました。

グループA:「よくできました」という賞状を見せ園児たちに「この賞状がほしいか?」と尋ねました。
グループB:事前に賞状は見せず、お絵かきが終わった時点でサプライズ的に渡した。
グループC:賞状は渡しませんでした。

2週間後、紙とペンをそれぞれのグループの園児に渡しました。

 

BとCのグループは以前と同様に、一生懸命に絵をかきました。
しかし、Aのグループは絵を描くことに関心を示さなくなりました。

 

これは、賞状をもらえることを知らないBとCのグループの子たちは、純粋に「描きたいから描いている」という状態。しかし、Aのグループは「賞状のために描く」という風に動機がへんかした、と言われています。

これを、トム・ソーヤーの物語から、ソーヤー効果と言います。

 

たとえば、パワーポイントの資料をつくったり、文章を書いたりするのが好きな人も、
仕事でやらざるを得なくなると、急速にやる気がなくなってしまう。
人と会うのが好きな人も、営業で人と会うとなると、苦痛になってしまう。

まぁ、いろんなパターンがありますが、仕事として報酬の対価として労働するというのは、人のやる気を奪います。このブログで、営業へのインセンティブを否定するのはこういった理由からです。

 

 

もう一つ考えたいのは、何かを提案したい、しようと思う社員はいるはずです。
しかし、それを言葉にするのを躊躇している可能性があります。
それは何かというと、こんなこと言ったらバカにされるかも、とか、否定されるかも、とか、
仕事を押し付けられてしまうかも、というリスクを感じている可能性があるという事。

これは心理的安全性と言われますが、何を言っても損をしない、危険を感じない環境づくりはとても大事です。しかし、残念ながらそれが根付いている会社というのはなかなか少ないものです。

 

この二点だけではありませんが、実は社員のモチベーションは、社員の問題ではありません。
モチベーションを持っていない人はいません。
ただ、モチベーションを持てない環境があるだけです。
そのモチベーションを引き出すのは、それを打ち消してしまわない環境を作る事。
そしてコミュニケーションです。

 

そのコツは、NLPを学んで頂ければ感じられる部分があると思います。
ああ、そうだったのか、と。

つまり、うちの社員はモチベーションが低い、という言葉はそのまま自分にかえってくるのです。
じゃあ、それを下げないためにできる事は何でしょうか。
NLPはその答えを探すお手伝いができると確信しています。

「明日やろうはバカ野郎」は本当か? 心理学で読み解くモチベーションのコントロール

割と有名な言葉に、
「明日やろうはバカ野郎」
何ていうものがあります。
なんか熱血な感じですね。

これ、心理学的には本当なのか?
ちょっと考えてみました。

 

たとえば、NLPにおいて、成功において重視される行動パターンはいくつかあります。
その中でもよく言われるのが、大量行動。
とにもかくにも、動け、動け、動け、と。

いくら考え込んでいても、結果が得られることはありません。
動くことで、自分の周囲(人や社会はもちろんですが、空気というか状況)を動かす波を作る必要があります。

最近の傾向として、「引き寄せの法則」といわれる、ちょっとフワフワしたスピリチュアル的な話においても、その起動スイッチとして、行動が必要だと言われることが増えてきています。

 

行動すると、反応が得られます。
やったことが上手くいかないことももちろんありますが、上手くいかない理由がより具体的にわかります。そして、人間は面白いもので、一度やりかけたものは完成させたいという強い衝動がおこります。これをツァイガルニク効果と言いますが、初めは乗り気がしなかったのに、やり始めたらやめられなくなった・・・なんていう経験、ありませんか?

まさにそういう状態で、とにかくやり始めてみるわけです。
すると、フィードバックが得られ、そのフィードバックをもとに行動すれば、よりやる気も出てきますし、成功の予感が近づいてくる人も多いでしょう。

 

だから、NLPを学んだ人は、行動を重視します。
とくに、初めての第一歩。
これをベイビーステップと言いますが、ここに一歩踏み出すことで成功スイッチを起動させます。

 

しかし、なかなか思うように一歩が踏み出せない。
そういう人もいます。
というか、ほとんどの人がそういう状態です。

 

ここで、脳の機能について少し考えてみたいと思います。
実は、脳において、考えたり、決めたりする力は限界があるってご存知でしたか?
そういった機能は、朝起きたときに満タンになっています。
その満タンの状態から、
●今日は朝ご飯は何にしようか・・・
●今日はどんな服を着て外出しようか・・・
●電車で行こうか、車で行こうか・・・
などと選択肢を提示され、決断するごとにそのリソースは減っていく事は実験で明確にされています。

 

たとえば、Appleの故スティーブ・ジョブズやFacebookのマーク・ザッカーバーグはいつも同じような服を着ていませんか?
彼らは、そういった事に脳のリソースを浪費するのを防ぐため、同じ服を何着も持っていて、それをかわりばんこに着ている、という話はよく耳に入ってきます。

 

さて、NLPでとにかく行動せよ、というのはある一面では「考える事」をスキップし、脳のリソースを使う前にまずやってしまえ、という側面があるわけです。

 

ここであるケースを考えてみましょう。
今日はもう夕方。
ある仕事に取り掛からなくてはならない。
それは、単純作業ではなく、ちょっと頭を使わなければならない仕事。
今日やってしまえた方がよいのは良いけど、明日スタートしても何とかなるだろう。

こんなとき熱血漢で、
「明日やろうはバカ野郎」
なーんて言いながら取り掛かる。
これ、非常に効率や判断力が下がる可能性があります。

 

この言葉、あくまでルーチンワークというか、
単純作業を指して言っているんだと思います。
もう勢いだけでできちゃう仕事。
それなら夕方はじめてもオッケーです。

 

しかし、NLP的仕事術としては、戦略なく今始めるより、
明日の朝いちばんですぐに取り掛かれる体制にしたうえで、
明日の朝やる、という事をおすすめします。
それが何かしらの、新たな企画だったり、決断が必要だったり、
創造的な仕事の場合は、ですよ。
そのほうがずっと効率よく、クオリティも高いはずです。

もしよければ、夕方始めた場合と、朝始めた場合で比較してみてもいいかもしれませんね。
そうやって自分なりの仕事の進め方を学んでいくのです。
スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグがそうやって仕事の仕方を作ってきたように。

 

NLPは、数々の心理学上の経験や実験を、戦略的に組み上げるツールです。
私達が今まで意識しなかった、脳の特性や、行動の特性を学び、自分流のやり方を作り上げるベースになります。

スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグがNLPを学んだかどうかはわかりませんが、彼らは彼らのやり方で、自分のパフォーマンスを最大化させる方法を編み出しています。
(スティーブ・ジョブズはマインドフルネス瞑想が有名ですね。)
あなたも、あなたの奥底に眠る本当の能力を開花させるために、NLPを学んでみませんか?

 

褒めるなら今すぐ! 組織のモチベーションを高める心理学的評価のフィードバック方法

世の中、「ほめて育てる」という話をよく聞きます。
実は、NLPの演習などでも、相手を上手に褒めるという事をテーマにしたものがあります。
とはいえ、現実の世界ではよそよそしくなったりして結構難しいものです。

さて、そんな時考えたいのは、褒めるという行為の結果、組織がどうあってほしいかです。
恐らく、社員一人一人の能力を開花させ、高めあい、常にやる気にあふれ、成長していく組織を作る事がゴールでしょう。

 

褒めるという事で得られる効果は大きく二つあるのではないかと思います。
一つ目は、社内のコミュニケーションの活性化。
もうすこしいうと、社員の精神的な安全確保だと思います。

もう一つは、社員自身のモチベーションアップ。
自ら仕事に取り組み、成長しようという意欲を引き出すことです。

 

まず前者に関していうと、いつでもどこでもOKだと思います。
ちょっとイメチェンをしたら、それを褒めるもよし。
頑張ってる様子を見かけたら、それを褒めるもよし。

 

一方、社員のモチベーションアップには、重要なタイミングがあります。
それは、今すぐ褒めるという事。
「あの時、よく頑張ったよね。」
というのももちろん悪くはありません。

しかし、何かの行動を起こしたときに、即座にフィードバックを与えると、モチベーションにつながります。
これは、必ずしも褒めるという行為でなくてもOKな場合があります。
「大丈夫か?」と問いかけることでもいいのです。

どういうことかというと、上司としてあなたの事をちゃんと見ていますよ、というサインだからです。

 

ああ、この人は私の事をちゃんと見てくれている。
それだけで社員は安心し、その期待に応えようとするものです。
しかし多くの場合、良くない部分ばかり見ていて、良い部分を見ていない(もしくは見ていないように見える振る舞いをする)から、信頼関係もできなければ、やる気も起こらないのです。

 

たとえば、スポーツチームは一体になって勝利に向かいます。
応援している人も、その様子を見て手に汗握ります。
それはなぜかというと、行動に対するフィードバックが即座にあるからです。

バッターが打てば、勝ちに近づくことは誰でもわかります。
打った人は、そのフィードバックがあるから、喜びます。

これが会社では、営業が頑張ってたくさんのお客さんを訪問したとしましょう。
それは、”勝ち”に近づく行動です。
しかし、これを褒めてくれる人はほとんどいません。
なぜなら、会社では結果を求められるからです。
実際には結果は水物である事が多いのです。
たまたま大口契約にぶち当たった人が褒められ、コツコツと足で稼いだ人は日影にいる。
これではやる気など出るはずもありません。

ところが、結果を出すには結果につながる行動が必要になります。
その行動を見つけたら即座に褒める。
褒めるというより、労をねぎらうといったほうが適切かもしれません。
そうやって、社員が頑張っている事を上司であるあなたはちゃんと見ている事を示さなければなりません。

 

そのためには、ちゃんと社員の事を知る必要があります。
結局は、振出しに戻る・・・ではありませんが、コミュニケーションが重要となるのです。
そのコミュニケーションを整えるのは、部下ではなく上司です。
そういった事を学ぶことが、今の日本ではとても重要なのではないかと思います。
メンタルヘルスの問題などは、まさにそうですよね。

上司になったら、人の心理を学びましょう。
NLPはその大いなる助けとなるはずです。

ライバルは必要か? NLP的モチベーションの考え方

人が成長するためには、ライバルは不可欠。
そんな事をよく耳にします。
しかし、それ、本当でしょうか?

 

もちろん、ライバルがいて、お互い切磋琢磨することを否定するつもりはありません。
それはそれで、価値のある事だと思います。
ただ、もう少し本質的なお話をしたいと思います。

 

もっとも、”競わされる”仕事の一つが営業でしょう。
誰かがトップで、誰かが二番。
必然的に、誰かがビリになるのが競争原理です。
こういった順位を決めることで、頑張った人をほめたたえ、そうでない人を奮い立たせよう。
そんな意図で、いろんな工夫がされました。

 

キャンペーンなどの表彰制度、
壁に貼られた棒グラフ、
契約一つにつき配られる粗品など。
まぁ、いろんな仕掛けがあります。

 

これ、燃える人もいれば、燃えない人もいる。
ぎゃくに、どんどん冷めてしまう人もいるのではないでしょうか。
結果として、一番と二番が競い合って、他の人たちは傍観者。
10人の営業がいれば、売上の内
半分近くを1番と2番の人で、残りをほかの人たちで分け合う感じでしょうか。
1位、2位の人はどんどん力をつけて売り上げをあげていくかもしれません。
しかし、結果として、もっと条件のいい会社に移ってしまった・・・なんて笑えない話もよく聞きます。

 

さて、こういった「競争原理」を働かせることは、短期的には人を成長させたり、組織の業績を上げる可能性は高いでしょう。
しかし、社内はぎすぎすして、”協力しあう”という文化は消えていきます。
トップ3くらいの人は、いつも同じメンツで、それ以外の人はみな「その他大勢」になってしまいます。もう、シラケムードですね。

それが嫌になって、トップセールスの人は抜けていくのではないでしょうか。

 

個人の成長としても、微妙な問題が出てきます。
というのも、競争というのは、他人との比較です。
だから、良いときもあれば悪いときもある。
悪いときには焦ってしまって、下手をすればメンタルヘルスの問題を生み出します。
他人の基準で頑張っても、どこか無理が出てくるのです。

 

たとえば、NLPでは外発的動機付けと、内発的道義付けにモチベーションの根源を分けて考えます。
外発的動機付けというのは、まさに外からの刺激に対しての反応。
内発的動機付けというのは、自身の内から湧くもの。
一般的には、後者の方が普遍的に力を発揮しやすいと言われています。

たとえば、リーダーとして営業チームを引っ張る方、また、自身が営業スタッフとして力を発揮したいと考える方。
ともに、この内発的動機付けをもとにした仕事の仕方を考える事で、あり得ないほど景色が変わることがあります。

他人と競うのではなく、自分の中から湧き上がる感情でがんばる。
これ、とても大事だと思います。
なぜならば、他人と比べる相対評価ではなく、自分自身の成長という絶対評価にコミットできるからです。

 

競争ならば、自分の成績が良くても、他の人間がもっと良ければ上には上がれません。
しかし、昨日の自分をこえるという事であれば、間違いのない評価が可能です。

 

この内発的動機に火をつけるためにも、NLPを学び、人の内面を学んでみてはいかがでしょうか。

モチベーションと価値観の関係 LABプロファイル

社員のモチベーションが上がらない。
まんトレに持ち込まれるご相談の中で比較的多いものです。

一般論から言えば、目標を定めよ。
そんな風に言われます。
しかし、目標を持つことでやる気が出るというのは、全体の40%に満たないと言われています。

 

まず、目標にコミットできないという事が多いのではないでしょうか。
あのライザップの「結果にコミット」のCM。
どうしても痩せたい。
今すぐ成果を出したい。
そういった人にはとても響くものだと思います。
逆に言うと、あのキャッチコピーはそういった人たちに向けたものだといえるでしょう。

 

ぼんやりと、痩せなきゃいけないよなぁ。
そう思っている人にとっては、むしろ、あのスパルタな雰囲気漂うCMはちょっと敬遠してしまうかもしれません。

 

人がそこまで決意するには、たいてい、それなりの動機があるわけです。
例えば、こっぴどく自分の容姿を馬鹿にされたとか、
彼氏・彼女に容姿の事で振られたとか、
健康上の理由とか。

 

 

これ、苦痛から逃げる動機ですね。
とくに、痩せろとうるさい相手から距離を置く、というのは典型的な話。
うるさく言われるのが嫌だから、痩せる・・・

さて、どちらにせよ、
「やらなければならない」
という衝動で何かをやるには、苦痛が伴います。

やりたくもないトレーニングをしたり、食事のコントロールをしたり。
苦痛が伴うからやる気が必要なわけです。

 

しかし、一方で、ウェイトコントロールを喜んでやっている人もいるわけです。
タンパク質はささみで摂取したり、けっこう食べ物に気を使います。
毎日何時間も厳しいトレーニングをやります。
誰に強制されるでもなく、楽しんでやっているわけです。

結果、体脂肪率数パーセントとかいうとんでもない状況に行っちゃうわけです。
他人から見るとストイックに見えることも、彼らは割と普通にやってしまいます。
この人たちからすると、そういった努力をしている事こそが自分にとって心地よい状態なのかもしれません。

 

 

 

 

目標を定める事で燃える人もいれば、問題回避能力が高い人もいる。
こういう人たちに、目標必達だ!といったって、響く人もいれば響かない人もいるのは当然です。

ひとそれぞれ。
ですから、チームを一つの言葉や施策で動かす事は難しいのです。
それぞれの特質を知り、その人が強く認識をする動機を刺激して動かさなければなりません。

しかし、相手がどんな価値観、どんな動機で動くかわからない。
それを知り、相手に合わせた声掛けをする。
その手助けをするのが、LABプロファイルというものです。

 

これは、相手が使う言葉の傾向から相手の価値観を読み取り、
その価値観に見合った言葉や行動を与えて相手の動機を引き出す技術。

チームのリーダーで、
「どうも社員の考えている事がわからない」
「目標必達!と叫んで走り出しても、後ろを見れば誰もついてこない」
「皆やる気がどんどんなくなっている」
という状況を感じたとすれば、LABプロファイルの知識と技術は非常にためになると思います。

 

まんトレこと満田明弘は、NLPのみならず、このLABプロファイルも合わせて指導させて頂く事で社内のコミュニケーション、営業スキルの向上に寄与すべく皆様のお問い合わせをお待ち申し上げております。

外発的動機と内発的動機~NLP的考え方

論理的な説得、正面からのお願い

「情」で動く人

まんトレも”中の人”も、保険業界に多くの知人・友人がいます。彼らは、保険会社の商品を販売することで収入を得ている人たちです。
この人たちのほとんどが感じている事があります。
「保険会社が、私たちの会社の経営云々を言うと腹が立つ。」
という事です。

どういうことか、具体的に説明しましょう。
保険会社は、代理店(販売店)に対して、販売促進の話をするわけです。もっと頑張って売ってください、と。これが一昔前だとシンプルだったのです。

●とにかく頑張ってやりましょうよ。
●私の立場もあるから、何とかお願いします。

なんていう風に、いわばお願いされて保険代理店は動いたものです。

情に訴えられると、仕方ない・・・と言いながらも動くものなんです。
なぜなら、自分を頼ってくれるからなんだかんだ言ってうれしいのです。

「理」で嫌悪感を抱く事

ただ、情で動く以上は、それに応じた人間関係が必要となります。それを作るのは、営業社員の力量でもあるので、誰にでもできる事ではないのです。そこで、頭のいい保険会社は考えました。「情」という非合理な感情に訴えるより、「理」で代理店を動かそう、と。

彼らは何をやったかというと、代理店の経営分析シートなどを作り、こう言う訳です。「あなたの会社は、この部分が弱い。だからここを補強しなくてはならない。」こういった物言いに、カチンとくる代理店の社長は多いようです。

少し難しい話ですが、中小企業の戦略は、小さな範囲で強みを作るのが定石です。あれもこれもとやっていれば、大企業との競争に勝てるわけがありません。小さい範囲で深いかかわりを持つから中小企業であるからこその価値が出るわけです。

話を戻します。
理詰めの話は、相手の頭を納得させることはできます。確かに反論の余地はないよね、と。しかし、腹落ちすることは難しいのです。やりたい、という衝動を形作りにくい営業推進スタイルと言えます。

「イヤ」から始めるか、「ヤリタイ」から始めるか

NLP的モチベーションの考え方

人の行動の動機は、主に二つあると言われています。
●嫌な事や苦痛から逃げるために行動する
●快楽を求めて行動する
というものです。

どちらかといえば、前者の方が強い、と考えられています。
ならば、前者を使ったほうが行動につながりやすい、と考えがちですがそこには落とし穴があります。

これもNLPで学ぶことですが、モチベーションには別の観点から二つのものがあります。
●外発的動機(外からの刺激に反応して行動に移す)
●内発的動機(内から湧き上がる刺激に反応して行動に移す)
たとえば、外発的動機は、
「これをやらなければ叱られるからやる。」「これをやれば給料が上がるからやる。」
といったものです。

逆に、内発的動機は、
「ワクワクしてやりたくてしょうがない」
といった状態でしょう。

前述の例を当てはめてみると、「理」による説得は、
やらざるを得ない理由が提示されており、その理由をなくすために行動する、
という事になりそうです。

つまり、外発的動機です。

じゃあ、「情」による行動はどうでしょう。
営業の人を助けてあげたいから行動する
という、自発的な行動、つまり内発的動機です。

一見、時代遅れに見える営業スタイルが、人を自ら動かしていたのかもしれません。

外発的動機は寿命が短い

もうひとつ、外発的動機の問題点があります。
外発的動機は、その危機が去ってしまえば、モチベーションも消えてしまうという事です。たとえば、保険会社が「理」で代理店を説き伏せたとします。その時にはいやいやながらもやるしかないか、と思うわけですが保険会社の人間が去った瞬間からモチベーションはどんどん落ちていきます。

逆に、その「危機」は次第に記憶から薄れ、保険会社に対する憤りのような感情だけが残ります。こういった憤りをどんどん積み重ねているのが、保険会社が代理店に対して行っている”営業”なのです。

私たちが社員に課す、営業ノルマもまた同じです。年度末をとりあえずしのげば一気に士気は下がります。4月、5月と緩やかなムードですごして、第一四半期の締めになって慌て始めるシーン、結構あるんじゃないでしょうか。

内発的動機は如何にして発動するか

じゃあ、お願い営業をすればいいのか。
となると、少し短絡的です。
お願い営業が有効になるのは、様々な条件が関与します。
例えば、相手の方が営業担当者に対して、何かしらの好意を持っている必要があります。行為というより信頼関係とでもいったほうが近いかもしれません。全く人間関係のない人の頼みごとであれば、聞けないものの方が多いのですから。

営業に「理」は必要です。しかし、「理」だけで人を動かすことはできません。そこに、「情」が絡まなければ人は動かないのです。
考えても見てください。
報酬を得られる仕事をするのが嫌で会社を辞め、ボランティアにいそしむ若者の事を。
彼らは、報酬の対価として働くという外発的動機に飽き飽きしています。むしろ、報酬がないからこそ、自分の価値を認められる内発的動機が発動するわけです。

で、リーダーである方が、こういった人たちを動かすには、彼らの心を動かさなければなりません。その最短距離といえるのは、「リーダーであるあなたのために働きたい」とメンバーに思わせる事です。その秘訣は、NLPを学ぶ過程で発見できるはずです。実際に多くの方が、部下に対するリーダーシップを強く発揮できるようになっています。

NLPはテクニックというイメージが強いし、それは否定しません。しかし、そのテクニックを超えた先には、人間そのものの本質を理解するプログラムがあります。ぜひともその門をたたいていただきたいと思います。

部下のやる気をそいではいけない!

部下のモチベーションをあげたいのだけど、
どうすればいいでしょうか?

この質問、よく受ける質問のベスト10に入ります。
たしかに、やる気があると、会社の雰囲気も良くなりそうです。
仕事の成果も高まりそうですね。

 

そこで一つ、考えてみてほしい事があります。
あなたから見たとき、今一つやる気を感じられない部下の面々。
彼らは、初めて会社に来た時から、そんな状態だったのでしょうか?
よーく思い出してみてください。

 

だれしも、会社に入社したり、何かを始める時、
キラキラとした目をして、少し緊張しながらやり始めるのではないでしょうか。
その時、彼(彼女)は、きっと自分の未来をイメージしています。
輝かしい未来を、です。

ここで何年か勤めたら、こんなふうに仕事ができるようになって、
収入もこんなふうに上がって・・・
なんていう風に、自分の成長に思いをはせながら、まさに
やる気満々
で会社に来ていたのではないでしょうか?

 

誰だって、普通は、初めはモチベーションにあふれているはずです。
もし、そうでないとしたら、採用の方法が間違っていたのかもしれません。

 

話を戻しましょう。
人はもともと、やる気はあるのです。
会社に長くいると、そのやる気をなくす出来事が次から次へとやってくるんです。
ある調査によると、
職種にひかれて就職し、人間関係(特に直属の上司)に疲れて辞めていく。
というのが一番多いパターンだそうです。

 

辞める理由として、口にするのは、
仕事の内容だったり、
給与への不満だったり、
家庭の事情だったり、
様々なものがあるかもしれませんが、本質的には人間関係の問題がその根っこにある事が多いようです。
そりゃそうです。
あなたが嫌いだから会社を辞めます、なんて言えませんからね。

 

ある企業は、こういいます。
「上司の役割は、社員のモチベーションを削らないこと。」
これはなかなか的を射てるかもしれません。

それでも、上司としては、会社の業績の達成をその双肩に背負っています。
「だから、仕方がない。」
というかもしれません。

 

しかし、それもまた、コミュニケーションの取り方によって相手の心証は随分変わるのではないでしょうか。
皆さんも経験ありませんか?
同じ事を指示されたとしても、
「あの上司の命令だけは聞きたくない」
という場合と、
「あの上司が困ってるのなら、何とか助けてあげたい」
という場合がある、という事に。

 

後者は、もはや指示・命令ではなくて
自発的に仕事に取り組んでいますよね?

 

そんな関係を築くには、まずは相手を知らなくてはなりません。
上司と部下の関係だと、変に根掘り葉掘り聞かれると、部下は警戒します。
その警戒を解いて、信頼関係を結び、相手の事を知る。
たったこれだけで、会社の中の雰囲気は随分変わります。

 

なぜそう言い切れるか、といえば、満田自身がそれを経験しているからです。
そんな分裂寸前の組織を立て直したスキルが、NLPだったのです。

Google口コミ

Google口コミ