私の知人にこんな人がいます。
中学を卒業し、高校を受験。
高校は特にどこに行きたいという希望もなく、
先生から「受かりそうな学校」をピックアップしてもらい、
そこを受験。
高校ではバレー部に所属。
それなりに慎重もあり、実績も残したので、
スポーツ推薦で大学へエレベーター式に進学。
大学では、身体を壊し、居づらくなって学校に行かなくなった。
当然卒業はできず、ぶらぶらしていたところ、
親にとがめられる。
煮え切らない様子を見て、親は自分の知人の経営する専門学校の入学を進める。
彼はそれに従い、無事専門学校を卒業。
その後も職に就くことなくぶらぶらする。
親は見かねて、自分の経営する会社に入社させる。
彼は決して不真面目な男ではありません。
やれと言われたことは、それなりにやります。
けど、何か足りないものがあります。
彼に話を聞くとこんな風に言います。
「どんな状況であれ、その中で精いっぱいがんばる」
彼には決定的に足りないものがあります。
それは何かというと、自分で考え、選択し、決める、という意志の力。
波が揺れるまま、風が吹くままに任せて生きているのは、
自分の人生ではなく、他人に言われるがままの人生。
彼は自分では気づいていないかもしれませんが、
いつもため息ばかりついています。
さて、彼が仮に明日命を失うとしましょう。
果たして、
「この人生やり切った!」
と爽快な気分でこの世を後にできるでしょうか。
恐らくそうではないでしょう。
今、本人が気づいているかどうかはわかりませんが、
何をするにもどこかモヤモヤとした、
落ち着かないというか、何かやり残しているというか、
言葉には表現しにくい感情があるのではないでしょうか。
だから、いつもため息をついているのです。
彼は今も、誰かの従者です。
指示されるままに生き、
じぶんでは何も決められない。
決めない癖をつけてしまっているから、
そもそも自分の意志がどこにあるかもわからない。
ところで、私が初めて「意志の力」を発揮したのは高校受験の時です。
中学では勉強する気も起らなく、成績は5段階評価の1~3ばかり。
2教科ほど「3」がありましたが、それいがいは「1」と「2」です。
しかし、高校を決める段階で、決めざるを得ない環境が訪れました。
私の学力で行ける学校は、不良の巣窟のような学校ばかり(汗)
そこに行けば、いじめにあうのは必至。
しかも、高校生活といえばバラ色のイメージを強く持っていた私。
その私が、自分の学力で行ける共学の学校がなかった。
灰色の青春、決定です。
ということで、一念発起しました。
学区内では、学力は中の上くらいの公立高校。
ここへ行くためには、成績表は「3」を中心に、「4」と「5」が必要。
そのために、夏休み以降必死で勉強しました。
平日は帰宅してから、4~5時間。
休日は8時間以上は勉強していました。
けっか、2学期の成績はほとんどが「4」。
ときおり「5」と「3」という状態です。
晴れて私はその学校に進学できるようになりました。
今まで、まともに机に向かったことのなかった私ですが、
なぜそんなに急に長時間の勉強をするようになったのでしょうか。
恐らくそれは意志の力。
本当にこうなりたい、と思ったときには意外な集中力を発揮できるのだ、
ということを知った初めての経験でした。
しかし、高校に進学してからは成績は急下降(笑)
成績を上げたいという欲求がなかったんですね。
さて、はじめの話に戻りましょう。
マジメだけど自分で決めることのない彼。
彼が果たして、そういった意志の力を発揮できるでしょうか?
たぶん難しいでしょう。
しかし、意志の力をもたずして、そこそこのことができる実力を持っているわけです。
そんな彼が、意志の力を発揮できたとしたら、ものすごいポテンシャルを持っているように思います。
その意志の力を発動させるには、自分の気持ちに素直になることが必要です。
遠慮して、自分の気持ちを抑え込んでいるのではなく、
どんどん自分の気持ちを外に表現していくこと。
他人の決定に従うだけではなく、自分が決めるという勇気と覚悟を持つこと。
それをやらない生活をしていると、だんだんと自分の意志が見えなくなってくるのです。
実は、NLP(神経言語プログラミング)には、こういった見えなくなった自分の意志を穿り出すワークなどもあります。
すると何が起こると思いますか。
その人は、人が変わったかのように目の色を変えて、自分のミッションに取り組み始めます。
けっか、当然成功率は高まっていきます。
この意志の力、活用しない手はありません。
ぜひとも、自分の本当の気持ちに気づいてください。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士