マネジメントに携わる人なら知っておきたい「到達欲求型」と「回避欲求型」の人

マネジメントに関わる人もそうでない人も、
「飴とムチ」
という言葉は耳にしたことがあると思います。

 

簡単に言うと、ムチでおしりをたたくことと、アメ(ご褒美)を上手く活用するマネジメントスタイルですね。
もともとは、ドイツ帝国のビスマルクの政治を評した言葉。
圧政と、懐柔策を上手く使い分けたことがその言葉のルーツのようです。

さて、このマネジメントスタイルは果たして有効なのでしょうか?

飴に反応する人・ムチに反応する人

到達欲求型と回避欲求型は4:4:2

アメリカの心理学者キリアムは、人が行動を起こす動機の傾向から人を三つのタイプに分けました。到達欲求型の人、回避欲求型の人、バランス型の人。そしてその比率は、4:4:2といいます。

もう少し具体的に見ていきましょう。

ざっくり言うと、到達欲求型というのは、良い状態を目指して動く傾向が強い人の事を言います。たとえば、痩せたらモテるからダイエットを頑張ろうとか、営業を頑張れば報酬が上がるから仕事を頑張ろうとか言うパターンです。

一方、回避欲求型というのは、嫌な状態を避けるために行動するタイプの人を言います。太っていると馬鹿にされるから、ダイエットを頑張るとか、営業成績が悪いと叱られるから頑張るとかいうタイプです。

バランス型というのは、この両者のパターンを上手く使い分けることができる人の事を言います。一般的には、バランス型がもっともパフォーマンスが高い傾向がある、と言われているようです。

LABプロファイルによる分類

当社の代表でもあり、講師を務める満田がお伝えしているものには、NLP(神経言語プログラミング)のみならず、LABプロファイルというものがあります。簡単に言うと、相手の言葉などから相手の価値観などを分類し、相手に刺さる関係性を作るための技術です。

さて、このLABプロファイルにおいても同様の分類を行っています。「目的志向型」と「問題回避型」に分類しており、その意味はキリアムのいう「到達欲求型」と「回避欲求型」とほぼ近い意味と捉えて頂いくとわかりやすいと思います。

LABプロファイルにおいては、対峙した相手がどちらに属するかを知る手掛かりに、言葉の使い方を観察します。そういったツボがわからなければ、メンバーのモチベーションを刺激することは難しいといえるでしょう。

目的志向型と問題回避型

目的志向型の特徴

目的志向型の方は、自身が設定した目的(目標)に向かって動くことが心地よいタイプの人です。彼らをマネジメントする重要項目としては、彼らがコミットできる目標設定の方法ではないかと思います。単に押し付けられた目標という事では、必ずしもモチベーションにはつながりにくい傾向があります。それに納得し、自身の目標と捉えてもらう必要があります。マネージャーとしては、その目標設定における同意を取れるように注意を払う必要がありそうです。

逆に問題としては、極端に目的志向が強い人の場合、組織の中では浮いてしまう事もしばしば出てきそうです。なにしろ、一旦セットした目標にはこだわりが強い分、周囲との感覚のずれなどにはあまり関心を持たないからです。

問題回避型の特徴

問題回避型の方は、想定できる問題を回避する事が重要な要素です。先の例で言うなら、押し付けられた目標であったとしても、それを達成できない場合こんな問題がおこる、という事が明確になると火が付きやすい傾向があります。逆に、自分で方向性を考え、作っていくのが苦手なことも多いため、ある程度方向性は指導してあげる必要が出てくるかもしれません。

経営者における目的志向と問題回避

過去からの連続性がある時代に適したリーダーは?

世の中が、従来の延長線上でビジネスが完結するという前提の場合、問題回避型リーダーはその力量を発揮しやすいと言えます。たとえば、今までと同じような営業、今までと同じような商品、といった形で経営できるなら、問題回避型リーダーの得意とするところでしょう。

なぜなら、方向性が変わらず、その方向性での精度を上げる場合、細かなトラブルを「おこさない」ための方策に気付き、一つ一つ手をうっていく事ができます。いわゆる「改善」という状況のビジネスの方向性であれば、力を発揮する可能性は高いと思われます。

また、「●年●月には法律の改正で今のビジネスは変化させなくてはならない。」といったリスクが明確になっているときには、強いリーダーシップを発揮する可能性が高そうです。このタイプのリーダーが力を発揮するためには、状況判断におけるリスクの感度をあげていくと、パフォーマンスを上げることができる可能性が高いと思われます。

変化の多い時代のリーダーは?

近年のように、目まぐるしく世の中が変わっていく中、間違いなく産業が業界ごと消えてなくなる可能性もあるわけです。たとえば、あなたが自動車教習所の経営者だったら、今の状況をどうとらえるでしょうか?メーカーは今、競って自動運転車の開発に取り組んでいます。これが本当に現実になれば、そもそも自動車運転免許証の在り方は変わってくるでしょう。マイカーという考え方さえなくなってくるかもしれません。

この状況変化に対し、いち早く危機感を感じるリーダーであれば問題回避型リーダーでもパフォーマンスを発揮することが可能です。しかし、現実問題として、そういった世の中の変化に圧倒的な対応を見せる自動車教習所はあまり目につきません。そんな業界の中において、危機感を抱けないリーダーもいるでしょう。

日本の法規の問題でそこまでドラスティックに状況変化は進まないのではないか。
そもそも技術レベルがそこに到達するにはまだまだ時間がかかるのではないか。
そんな風に考えて、「まだまだなんとかなる」というとらえ方の時点で力を発揮するのは目的志向型のリーダーでしょう。

次々と道がふさがれるたびに動くのではなく、抜本体な改革をぶち上げる可能性があるわけです。孫正義さんや、本田宗一郎さんが、ミカン箱の上に立って創業当初世界一になる、といった演説をした話をきいたことがある人は多いでしょう。こういった方はまさに、目的志向型のリーダーといえるでしょう。

特性の活かし方

あなたが、目的志向型か、問題回避型かはたとえばLABプロファイルを学ぶと、簡単にわかるようになります。もちろん、あなたをサポートする社員の方々についても、いくつかの質問をすることで簡単に判断できます。

それがわかったときにどうすればいいか、ですが、一つは目的志向・問題回避的思考をうまくコントロール出来ればいいわけです。そして、それが難しいなら、問題回避型であれば「問題」の範疇を広くとる工夫をする。目的志向型であれば、日々の問題を含めて解決する目標を設定するなど、できる事はたくさんあります。

まずは、自分を知り、周囲の人間を知り、何ができるかを検討していく事が、組織のパフォーマンスを最大化するコツではないかと思います。

まとめ

人はそれぞれ個性があり、人が動く理由もまた、人によって違います。つまり、ガミガミ言えばいい、というものでもなければ、褒めていればいい、というものでもないのです。
どちらかに偏っていると、4割の人は動けない組織になる可能性があるわけです。

そういった人の個性を上手くくみ取った人事制度であったり、マネジメントを考えていく事がリーダー・マネージャーには求められています。なんだか社内が上手くいかない。そう感じる時は、心理学を紐解いてみるとヒントを見つけることができるのかもしれません。

 

モチベーションを維持する目標設定 2つの方法

皆さんは目標設定をどのようにされていますか?
会社から降りてくる目標に渋々従ってる?
それはツラいですね。

人は、自分で決めたい、という欲求があるといいます。
だから、人に押し付けられた目標には今一つ乗り気でないこともあると思います。
お勧めしたいのは、それはそれとして、自分なりの目標をもってほしいな、と思うのです。
とりあえず、会社から出された目標は一旦脇に置いておきましょう。

で、目標設定のコツとしては諸説あります。
一つは、あり得ないくらい高い目標を掲げる、という事。
ホンダの創業者である本田宗一郎氏は町工場時代に、「世界一になる」と言ったといいます。
ソフトバンクの孫正義氏は、やはり創業当時「1兆円企業になる」と言い放ったとか。
面白い事に、お二人ともミカン箱に乗って演説したという共通点があるというように聞きます。

実はこの二人、実質その目標をかなえてしまいました。

さて、こういったあり得ないような高い目標を掲げるというのは、実は非常に業績を高める効果がある、という実験結果があります。

 

売上を3倍、5倍、10倍にするとかそんな目標を掲げるのもアリです。
とはいえ、あまり短期の実現を考えると、ちょっとリスキーです。
そこで長期的な目標としてこういった目標を掲げる。
あとは、その道のりをカウントダウンしていくのがいい、と言われています。

たとえば、1兆円企業を目指すなら、あと9895万円で一兆円だ!と毎日確認するのです。
すると、カウントダウンの数字が減っていく毎に、気持ちは盛り上がってきます。
毎日カウントダウンの状況を確認する、というのがコツです。

 

さて、一方で、高すぎる目標は、むしろモチベーションを下げる、という説もあります。
カウントダウンする、というのは進捗をリアルタイムに確認することで、モチベーションを下げない工夫なのですが、その時の精神状態によってはちょっと重く感じることもあるかもしれません。

そういうときの目標としては、頑張れば達成できそうなレベルに設定する、という事。
この匙加減は結構難しいかもしれませんが、楽々達成できるものだと夢中になれない。
必死にやって、何とかできるかも、という目標設定が、フロー状態(時間も忘れて熱中するような状態)に入るコツだと言われています。

 

私的には、これらをうまく組み合わせるのがいいのではないかと思います。
長期的に、あり得ない目標を掲げる。
さらに短期的には、頑張れば何とかできそうなレベルの目標を掲げる。
その二つの目標を意識しながら仕事に当たってみてはいかがでしょうか。

 

そこで、一つ疑問がわいてくるかもしれません。
達成できるレベルを繰り返していては、10年たっても20年たっても「あり得ない目標」にはたどり着けないのではないか?と。
論理的に積み上げていくと、確かにそうかもしれません。
しかし、どこかのタイミングでレバレッジがかかったりするものです。

たとえば、一人の営業社員として頑張っているのなら、営業活動の中で知り合った紹介者と上手く提携できて、次々とお客さんを紹介いただくことができるようになった。
また、顧客層が変わって、一顧客の売上が上がった、とかいう事があるものです。

 

それを意識せずにいれば、そんなうまい話はありませんが、常に「あり得ない目標」を頭の片隅に意識することで、効率をどう上げるかを意識するはずです。そのあり得ない目標があるからこそ、チャンスを逃さないわけです。

 

いかがですか?
そんなにうまくいくはずない、と思いますか?
確かに、上手くいく事ばかりではないでしょう。

どうせあり得ない目標の方は、出来なくても誰からも責められるものではありません。
なにしろ、無謀な挑戦なのですから。
だから、上手くいかないときに、上手くいかないのはなぜだろう?と考え込むのは禁物です。
むしろ、出来たことをたたえてください。
今日一日で、あり得ない目標の一万分の一でも前進したなら、それは喜ぶべき成果です。
いつか、その進捗が加速することを信じ、加速させるには何をすればいいかを考えながら日々を過ごしてみてください。

気が付けば、会社の目標をやすやすとクリアしているかもしれません。

 

これは精神論ではありません。
心理学を使って、自分を動かす方法なのです。
ダメもとで試してみてはいかがですか?

テレビや映画の心理効果を営業に活用する

こういった大型連休の前って、なんだか気ぜわしい。
そんな事はありませんか?
その忙しさの理由は、じつはある心理効果に基づくものかもしれません。

中途半端だと気持ちが悪い

区切りがつくまでは・・・

学生時代には、例えば宿題であったり、就職したら仕事であったり。
何かに熱中して作業をしていると、一定の区切りまではやり遂げたいという思いが沸き上がったりすること、ありませんか?

さっきまで宿題をやる気のなかった子供。
いざやり始めると、話しかけたりすると怒り出すわけです。
「あと1ページで区切りがつくからそこまでやりきりたかったのに!」

他にもいろいろあります。
本を読み始めたらこの章は読み切りたい。
映画をレンタルしてみはじめたら、最後まで一気に見たい。
ご飯を食べ始めたら、途中で席を立ちたくない。

など、いろんなものがありますね。
人は、中途半端で物事を辞めるのが、とっても苦手な生き物のようです。

途中で切れたメッセージ

たまにこんなこともあるかもしれません。
友人からのLINE。
「明日、もし時間があったら・・・」
というところでメッセージが切れてたとします。
あなたは、こう返信するのではないでしょうか?
「時間があったら、何?どうすればいいの?」

そう、続きが気になりますよね。
どうせ大したことないのはわかっていても、一日気になったりすることもあるのではないかと思います。
これをツァイガルニク効果といいます。
人は未達成な事、中断されたことにたいする強い印象を心に残してしまうのです。

盛り上がれば上がるほど効果は絶大

映画の予告編

人は、中途半端なアンバランス状態を、何とかバランスを取ろうと行動します。
その効果を上手く使ったのが、映画の予告編。
ご存知でしたか?
映画の予告編というのは、実際の映画の順番で映像を組み合わせているわけではありません。
順番はバラバラですし、映像とセリフもまったく一致していないものも多いのです。

というのも、予告編の役割は、映画の本編とは違います。
最大の役目は、「続きが見たい」と思えるものにするのが予告編です。
だから、主人公があたかも死んだのではないか?と思わせるような映像とセリフを引っ付けたりしてます。

より衝撃的な展開がこの後にある、という期待感を膨らませつつ、予告編は終わります。
まさにツァイガルニク効果を活用した事例ですね。

この後、女優〇〇の衝撃的事実が判明する・・・。続きはCMの後!

TV番組のCMに入る際のテロップ。
こんな感じのもの、多いですよね。
「衝撃的事実が判明・・・、続きはCMの後」
ってやつです。

これはやはり、CMの後にチャンネルを変えられない工夫ですね。
どうせ大したことない、とわかっていてもついつい画面にくぎ付けになってしまいます。

こうやって見ていくと、この心理効果がどれだけ人を動かすかがよくわかりますね。

営業の基本

まずはお客さんから関心を持ってもらう事

営業という仕事を考えたとき、簡単に言ってしまえば人を動かす仕事になります。
一般的に、上記の映画の予告編や、TVのCM前のテロップはリアルな営業の人ほどの力を持っていません。なぜなら、選択権は100%お客さんが握っているからです。

リモコン一つでチャンネルは変えることができますし、映画の予告編を見たくなければ席を立つことだってできます。
しかし、セールスパースンを前にしては、さすがのお客さんも無言であなたから逃げることはできません。一応、聞く姿勢を作ってはくれるでしょう。
しかし、世のほとんどのセールスパースンの話はつまらないのです。
なぜなら、お客さんの関心のない話を長々とするからです。
あくびを我慢しながらお客さんは「どうやって断るか?」論理的な断りの理由を考えているかもしれません。

実は、最も基本であり、最も大事なのは、まずはお客さんが話に関心をもって頂く事なんです。

話題の選択と話す順序

その際に考えなくてはならないのは、まずは話題の選択。お客さんが全く関心を持たない話から始めてはいけません。まず入り口としては、お客さんが関心を示す話題でなければならないのです。
そのためには、当然お客さんを知ることが必要です。
事前のリサーチであったり、部屋の中を見回してお客さんの関心ごとをイメージする。
さらには、夢中になって身を乗り出しそうな話題を探る質問をするのです。

そして、ある程度コミュニケーションが温まってきたら、順序立てて話すことが必要になります。

「当社の商品は、〇〇といいまして、こんなこともあんなこともできるんです。」

これじゃああまりにも面白くありませんね。

「お客さんが関心を持たれている□□な事を、たった三日で解決できる方法があるとしたら興味はありますか?」
といったように、お客さんに不完全な情報から入っていくというのが一つの方法でしょう。
興味があれば続ければいいし、興味がなければ「今のところお役に立てなさそうですね。」と
潔く辞去すれば、お互いの時間の無駄が解消できます。

エンターテイメントの世界は心理効果を徹底的に研究している

CMや予告編の話でも分かるとおり、エンタメ業界は、こういった心理効果を研究・活用しています。一人一人が営業して「この番組見てください!」なんてできないジャンルですから、どれだけ一度に多くの人を動かすかを考え抜いています。

このテクニックをリアルな営業をしているあなたが使えればまさに鬼に金棒。
せっかくなので、ゴールデンウィークは、
テーマパークでどのような心理効果が使われているか、
映画やテレビでどんな風に人を引き付ける工夫がされているか、
そんな事を意識しながら見てみると、営業に役立つ学びがあるかもしれませんね。

お客様が「お客様」でなくなる 究極のコミュニケーション術

 

自己紹介してるのに自己紹介になっていない

自分の事を説明してください。
こういうと、あなたはどんな風に説明されるでしょう?

 

私は○○株式会社の社員(もしくは役員)です。
私は、××という場所に住んでいます。
私は、△△という名前です。
私は・・・

 

さて、どこまでいっても、これは自分自身の説明ではありません。
自分が所属している会社、自分の住む場所、自分の名前。
すべて自分の本質をあらわしているのではなく、自分が社会の中での相対的な位置だったりを説明しているわけです。

これらの情報で、たくさんの人の中から、あなたを特定することはできるかもしれません。
しかし、あなたの事を正しく説明しているとは言えないでしょう。
自分がどんな生い立ちで、どんな経験をして、どんな考えを持っているのか。
まさにあなたの皮をかぶった”中の人”の事を言葉で説明することは難しいのです。

 

実は、あなたの”中の人”は、あなた自身もよく知らない可能性もあります。
例えば、あなたの思考はあなたのものでしょうか?
きれいな海でダイビングをする写真を見たとしましょう。
その写真を見て、「あ、自分もやってみたい。」と思うのは、もしかしたらあなた自身かもしれません。

しかし、多くの場合は即座に否定する何かが頭の中に住んでいるわけです。
「仕事があるのに休みなんて取れないだろう」
「こんな年になって、ダイビングを始めるなんて現実的じゃないだろう」
「お金がかかりそうだけど、どこからお金を工面するんだ?」
「どうせすぐ飽きるんじゃないの?」
などなど。
まあ、いろんな声が玉の中にこだまするわけです。

 

こういった思考は、多くは生まれて間もないころから身に着ける習慣だと言われています。
社会に適合するために、常識的な考え方をするようしつけられてきているのです。
皆さんは、小さなころ抱いた夢の一つや二つあるのではないでしょうか。
ミュージシャンやアイドルになりたい。
ケーキ屋さんになりたい。
マンガ家になりたい。
こういった夢は、たいてい、大人たちに否定されます。

「それでは食べていけないから。」
「どうせお前には無理。」
「まっとうな仕事に就け。」

こういった心無い言葉は、大人たちの愛情でもあります。
自分の周囲にいる子供が、お金で困らないよう、心配しているのです。

 

しかし、心配は立場を買えれば呪いと言われています。
この呪いの呪縛に囚われて、何の変哲もない、社会生活に適合していくわけです。

 

時代は、随分と変わりました。
一昔前なら、到底仕事とは思えないユーチューバーが人気職業として名前が上がるようになりました。
自分で作曲した曲をネットで公開する「ボカロP」、
自分の歌を録音してネットで公開する「歌い手さん」、
自分で描いた絵を公開する「絵師さん」。

そんな中からメジャーデビューすることもだんだんと当たり前になってきました。
自分で作った小物を販売する仕組みもあったり、自分で撮った写真を販売する仕組みもあります。

 

今の時代はもはや、大人が言っていた「まっとうな仕事」とは全く別の次元で世の中が動いています。逆に、まっとうな仕事に就いた人が、うつ病を患ったり、身体を壊したり。
もうすでに、世の中は大きく変化しているのです。

 

はじめの話に戻しましょう。
あなたは誰ですか?

今こそ、これまでまとってきた、社会に適合するための殻を破るタイミングではないでしょうか。遅すぎることはありません。
そういったからの中でひっそりと眠る、あなたの本当の姿を見る一助となるのが、NLPのコミュニケーション技術です。

 

あなたも、NLPを学んでみませんか?

 

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ずばり!!マネジメントの極意とは?

今日のテーマはマネジメント」

 

いろいろと調べてみると、社員のマネジメントの手法はたくさんあります。
それぞれにいいところがあるわけですが、社員のマネジメントの手法って、
ある日突然変化が見える、といった事があまりありません。
結果、やってることに価値を見出せず、辞めてしまう・・・。

そんな事が多いような気がします。

 

結果として、今の世の中の常識として残っているのが、即効性があるものばかり。
たとえば、ニンジンをぶら下げてやる気を起こさせるとか、
ピラミッド型の組織で、指揮・命令系統を合理化するとか、
そんな感じの事が多いですね。

 

ピラミッド型の組織は、意思決定が上司に集中するため、効率的です。
会議などしなくとも、決めるのは上司。
部下は、自分で考えるのではなく、上司にお伺いを立てる。
情報はすべて上司が握り、命令は基本、一方通行。
無駄がないのです。

 

たとえば、製造業などで、同じものを延々と作り続ける、といった仕事の場合、ピラミッド型の組織は有効に機能します。軍隊式マネジメント、なんていわれるとおり、軍隊においても、達成すべきミッションが明確なのでやはり合理的です。

 

このピラミッド型組織が有効なのは、目的が明確で、そこに向かう道が定まっているときです。
しかし、未知の状況の中で進む場合、決定権が一人に集中する分、ミスも発生しやすくなります。

 

悲惨な事故を起こしたスペースシャトルのコロンビア号。
実は、この爆発事故の前に、技術者はそれを予見していたといいます。
しかし、その可能性を上に報告することに対し、現場の人間は恐怖を感じていたといいます。
その報告は、リーダーのもとに届かなかったという話もあるそうです。

これがピラミッド型組織の弊害です。
情報は一方通行となり、状況判断が偏る傾向が出ます。

 

さて、話を元に戻しましょう。
ピラミッドであれ、ボトムアップであれ、それを構成するのは人です。
どちらを採用したとしても、管理職の人間がある事をするだけで、劇的に組織は変わります。

それは、部下の話をよく聞くことです。
たったこれだけです。

 

こうすることで、部下は上司を手伝いたいと考えるようになります。
そして、上司が掲げるミッションに賛同する傾向が出てきます。

また、ミスばかりする部下や、困った動きばかりする部下を見つけたら、
やはりきちんと話をきいてみてください。
そのように育った背景には、必ずそう育つ原因があったはずです。
その原因に気付くことで、人は変化を始めます。

 

話をよく聞く。

たったこれだけで組織は劇的に変わります。
ただし、話をきくにはコツがあります。
人は、意外と人の話をきちんと聞くことができていないのです。

このコツ、実はNLPの講座でもお伝えしています。
これを習得するだけで、崩壊寸前だった組織がウソのようによみがえったケースは、一つや二つではありません。

 

難しいマネジメント手法を試すのもいいですが、
基本的には人の問題です。
人の問題を解決するには、人にフォーカスすることが不可欠です。
マネジメントに悩んでおられる方こそ、NLPを学んで頂きたいと思います。

 

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人は一瞬で変われるのか?

人はそう簡単に変われるわけがない。
そういわれることが多いのですが、これは本当でしょうか?

結論から言いますと、人は一瞬にして変わることができます。

 

まず、良くないほうの例をあげてみましょう。
なんだか今日は気分がいいな、と思って一日の半ばに差し掛かったとしましょう。
何もかもが上手くいっていたというのに、お昼休みが明けると上司が自分のところに来るように、とメモが残されていました。

「もしかしたら、今まで頑張ったことを褒められるのかな?」

と思えるならいいのですが、たいていはそうではありません。

過去の記憶をたどって、
「なぜ上司に呼び出されるのだろう?」
という原因を必死に探ります。

 

こういったときは、たいていはネガティブな記憶が思い出されるものです。
いいことがあるかもしれないけど、悪い事があるかもしれない。
そういう時には、悪い事の記憶が優位に立つ傾向があるようです。

 

もうこの時点で、朝の、なんとなくウキウキした気持ちは一転、
どんよりとした重い気持ちになってしまいがちです。
そうすると、頭の中は、心配事で占領され、ツラい一日として記憶されるのかもしれません。
ハッピーモードは、わずかな情報で一瞬にして、暗い状態に叩き落されてしまいがち。

 

だとすると、どんよりした空気も一瞬で吹き飛ばせるはずなんです。
しかし、人はどうしても嫌な事や、危険に対するセンサーの感度のほうが強く設定されているため、嫌な思いに頭が占領されることが多いのです。
これは、人が生きるために備わった機能ともいえます。
危険を自分から遠ざけるために、危険や不快に強く反応するのです。

 

逆に、良かったことを頭の中に強く印象付けるには、ちょっとした習慣を心がけるといいでしょう。

まず、この一日で、良かったことはたくさんあったんじゃないでしょうか。
少なくとも、午前中は気分が良かったわけです。
上司に呼び出されて思い起こされる記憶は、自分が叱られる原因ばかりです。
褒められることを叱られること以上にやっているはずなのに。

 

人は、自分に対して厳しい目を持っています。
他人からうらやましがられるような能力も、
「こんなの当たり前でしょ?」
と簡単なこととして片づけがちです。

 

たとえば、
「あなたは、人前で話すのが上手だね。」
と言われると、
「いやいや、まだまだです。」
なんていう風に考えがちです。

 

そう考えるから成長する、という見方はもちろんあります。
しかし、まずは、それを認めてみてはいかがでしょうか。
過去を振り返って、自分が褒められた経験をすべて書き出してみてほしいのです。
「絵がうまい。」「カラオケがうまい。」「アイデアマン。」
「仕事が丁寧。」「手先が器用。」

などなど、何でもいいのです。

 

すると、ちょっと自信のない自分は、こういいます。
「そんなことできたって、仕事の役にも立たないし。」

 

いえいえ、そんなことはないはずですよ。
カラオケや絵がうまい事で、それがきっかけで人間関係が円滑に進むかもしれない。
あなたを頼ってくる人がいるかもしれない。
こういった効果は、すぐには表れないかもしれません。
しかし、まずは、自分が得意なことをまずは認めてあげることが大事です。
そうすると、その事が好きになり、もっともっと追求したくなります。

こういった、「好き」「得意」を見つけた時点で、あなたはもうさっきのあなたとは別人です。

 

日本の学校教育では、何でもできるように、すべてを平均以上に、という事がベースになっています。しかし、人生の勝負においては、なんでも一通りできるより、たとえ狭いジャンルでもスペシャルな特技を伸ばすことの方が重要です。

あなたにも、他の人がなかなか出来ない事を、いとも簡単にやってのけることがあるのではないですか?

まずは、出来ない事よりも、人よりできる事に注目してください。
そしてそのことを受け入れ、その特技を生かす決意をしてください。
別に転職するとか、起業しなくても、その特技を生かす方法はいくらでもあるはずです。
その事に気付いた瞬間、あなたはさっきまでのあなたとは違うはずです。

 

ぜひ、自分を愛してください。

 

そんな、本当の自分を知る手掛かりとなるのが、心理学です。
特に、NLPにおいては、自分の内面との対話のスキルなども学んで頂きます。
そこで、涙を流し、つらかった自分を手放し、活き活きとした自分を手に入れる方をたくさん見てきています。

 

ぜひ、一歩踏み出していただきたいな、と思います。

 

タイプ別!人に影響を与える言葉の使い方を伝授します 言葉と行動から、他人の”心のスイッチ”を押せるようになります

大事なお話はこっそりがいい

皆さんは、視界に入る場所で誰かが内緒話を始めたら、どう感じますか?
オフィスの片隅で、ある一人の社員が同僚を呼ぶ。
もっと近づいて!という仕草が見えます。
片方の社員が、相手の耳に手を当てなにか話を始めます。

それを見ているあなた。
きっと、気になってしょうがないのではないでしょうか?

 

話をきいている人の表情を見る。
なんとも複雑な表情です。
少し顔をしかめたと思ったら、パッと笑い顔になる。
彼の視線を追ってみる。
どこを見て、何の話をしているのだろう?

 

一瞬彼と目が合う。
彼はバツが悪そうに、視線を逸らす。
どうやら私の事を話しているらしい。

先日やらかしてしまった失敗の話だろうか?
それとも、今の服装に問題があるのだろうか?
顔に、何かついている?

 

つかつかと駆け寄って話の内容を確認したい。
そんな衝動はあるものの、そこに割って入るのは少し勇気がいる。
なんとももやもやした気持ちになる。

その後、一日中、その事が気になって仕方がない。
何を話していたのか。
その痕跡を探るために、二人の様子を目で追う。

 

こんな経験、ありませんか?

 

さて、人は、内緒話に敏感です。
もし、彼らが普通に話していたのであれば、こんなふうに試みだされることはないでしょう。
しかし、内緒にされるときになってしょうがないのです。

 

人は重要な話は、こっそり耳打ちするものです。
他にはない情報だったり、あなただからこそ伝えられる情報だったり。
そんな風に条件づけられているんですね。

 

何が言いたいかというと、大事なことはこっそりと耳打ちをするのが効果的だ、という事です。
そうすることで、その情報は、相手のためだけのものである、という重要性を増します。
少なくとも、耳打ちされる話を、ぼんやりと聞き流すことはありません。

逆に、大声で叫んでいる言葉に対しては、よほどのことがなければ集中して聞きませんよね。

 

どうしても相手の耳に入れたいときに手軽にできるのが、
コソコソ話をする、という事です。

たとえば、セールスの現場で。
「お客さん、これは誰にでもできる話ではないのですが、お客さんだからこそお話しします。」
なんていう風に話し始めると、お客さんは否が応でも聞き耳を立てます。
しかも、お客さんの自己重要感は高まります。
「ああ、このセールスパースンは、自分の事を特別にかんじてくれてるんだな。」と。

管理職の場合、社員に対してこういった形で話を伝えるのもやはり同様に効果的です。

 

ただ、注意してほしいのは、やはり耳打ちするのはそれなりに重要な情報であることが必要です。
どうでもいいことを耳打ちすると、なんだ大げさな、なんて逆に印象を悪くしてしまいます。

どうしてもこの重要な情報を、確実にお伝えしたい!というときに使ってみてください。
きっと効果を実感できると思います。

 

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人によって目標設定を変えないとモチベーションが下がる

皆さんは目標設定をどのようにされていますか?
会社から降りてくる目標に渋々従ってる?
それはツラいですね。

人は、自分で決めたい、という欲求があるといいます。
だから、人に押し付けられた目標には今一つ乗り気でないこともあると思います。
お勧めしたいのは、それはそれとして、自分なりの目標をもってほしいな、と思うのです。
とりあえず、会社から出された目標は一旦脇に置いておきましょう。

で、目標設定のコツとしては諸説あります。
一つは、あり得ないくらい高い目標を掲げる、という事。
ホンダの創業者である本田宗一郎氏は町工場時代に、「世界一になる」と言ったといいます。
ソフトバンクの孫正義氏は、やはり創業当時「1兆円企業になる」と言い放ったとか。
面白い事に、お二人ともミカン箱に乗って演説したという共通点があるというように聞きます。

実はこの二人、実質その目標をかなえてしまいました。

さて、こういったあり得ないような高い目標を掲げるというのは、実は非常に業績を高める効果がある、という実験結果があります。

 

売上を3倍、5倍、10倍にするとかそんな目標を掲げるのもアリです。
とはいえ、あまり短期の実現を考えると、ちょっとリスキーです。
そこで長期的な目標としてこういった目標を掲げる。
あとは、その道のりをカウントダウンしていくのがいい、と言われています。

たとえば、1兆円企業を目指すなら、あと9895万円で一兆円だ!と毎日確認するのです。
すると、カウントダウンの数字が減っていく毎に、気持ちは盛り上がってきます。
毎日カウントダウンの状況を確認する、というのがコツです。

 

さて、一方で、高すぎる目標は、むしろモチベーションを下げる、という説もあります。
カウントダウンする、というのは進捗をリアルタイムに確認することで、モチベーションを下げない工夫なのですが、その時の精神状態によってはちょっと重く感じることもあるかもしれません。

そういうときの目標としては、頑張れば達成できそうなレベルに設定する、という事。
この匙加減は結構難しいかもしれませんが、楽々達成できるものだと夢中になれない。
必死にやって、何とかできるかも、という目標設定が、フロー状態(時間も忘れて熱中するような状態)に入るコツだと言われています。

 

私的には、これらをうまく組み合わせるのがいいのではないかと思います。
長期的に、あり得ない目標を掲げる。
さらに短期的には、頑張れば何とかできそうなレベルの目標を掲げる。
その二つの目標を意識しながら仕事に当たってみてはいかがでしょうか。

 

そこで、一つ疑問がわいてくるかもしれません。
達成できるレベルを繰り返していては、10年たっても20年たっても「あり得ない目標」にはたどり着けないのではないか?と。
論理的に積み上げていくと、確かにそうかもしれません。
しかし、どこかのタイミングでレバレッジがかかったりするものです。

たとえば、一人の営業社員として頑張っているのなら、営業活動の中で知り合った紹介者と上手く提携できて、次々とお客さんを紹介いただくことができるようになった。
また、顧客層が変わって、一顧客の売上が上がった、とかいう事があるものです。

 

それを意識せずにいれば、そんなうまい話はありませんが、常に「あり得ない目標」を頭の片隅に意識することで、効率をどう上げるかを意識するはずです。そのあり得ない目標があるからこそ、チャンスを逃さないわけです。

 

いかがですか?
そんなにうまくいくはずない、と思いますか?
確かに、上手くいく事ばかりではないでしょう。

どうせあり得ない目標の方は、出来なくても誰からも責められるものではありません。
なにしろ、無謀な挑戦なのですから。
だから、上手くいかないときに、上手くいかないのはなぜだろう?と考え込むのは禁物です。
むしろ、出来たことをたたえてください。
今日一日で、あり得ない目標の一万分の一でも前進したなら、それは喜ぶべき成果です。
いつか、その進捗が加速することを信じ、加速させるには何をすればいいかを考えながら日々を過ごしてみてください。

気が付けば、会社の目標をやすやすとクリアしているかもしれません。

 

これは精神論ではありません。
心理学を使って、自分を動かす方法なのです。
ダメもとで試してみてはいかがですか?

 

個人向けセミナー

売上が振るわないときは心理学的チェックを!

先日、ある小さなお店の前を通りかかりました。
人通りは多いのですが、そのお店に人は入る様子はありません。
たまりかねて店員が、店前に立ちます。

「お気軽にお立ち寄りください!」

一生懸命声を張り上げてます。

あーあ、残念なことやってるな、とぼんやり見ていました。
なぜ残念かというと、余計入りにくくないですか?
小さな入り口のお店の前で、人が手ぐすね引いて待ってます。
どうしても欲しいものがあるならいざ知らず、
そのお店は雑貨店。

どちらかというと、なんとなく入って、
いいものを見つけたら買うって感じのお店です。
なのに、店の前に立ちはだかるように、人が声を張り上げてるわけです。

すこし意地悪な表現をすると、アリ地獄が罠の前で待ち構えているようなものです。
そこに行くと、出にくくなるのはわかってるから、人は立ち寄りません。

服を買いに行っても、電化製品を買いに行っても、
ずっと店員がついてきたら、早々に退散しませんか?

今、こういった店頭販売では、お客さんと少し距離を取るのが常識になっています。
ゆっくり自分のペースで見て頂き、何かを聞きたいと思って人を探すそぶりを見かけたらさっと駆け寄る。
これが居心地のいい空間である、というのが今の一般的な考え方です。

これは、自分がお客さんの立場になってみたら当たり前にわかる話です。
しかし、売り手になると、やられて嫌な事ばかりをやってしまうんですね。

相手の立場に立って考える。
これ、当たり前に言われてることですが、ついつい忘れがちです。

たとえば、営業をしている方なら、自分が今まで受けた営業で嫌だったことって何でしょうか?
私は、決断をせかす営業を受けるのは大嫌いです。

「今決めて頂いたら〇〇です。」

なんていう甘言には基本、乗りません。
たいてい、後で決めても同じ条件でやってくれます。
逆に、後で決めて同じ条件でやらないなら、あなたからは買わない。
そういえば、たいてい何とかします。

人は、自分で決めたい、という感情があります。
誰かにせかされるのではなく、自分のタイミングで、自発的に決めたい。
だから、店内でストーカーのようについてこられることは嫌なのです。
ゆっくり見れるなら入店するけど、店の前で手ぐすね引いてる店なら、
ずっとついてこられそうだし入りたくない。
なにしろ、何も買わずに出るのって結構大変そうじゃないですか。

さらに、聞くだけ聞いて帰らせてもらえない気がするから店員とは話したくない。

そして、今すぐ決めろという営業の人とは会いたくもない。

NLPでは、ポジションチェンジというスキルがあります。
相手の立場にたって、相手の目で物事をみる、という方法です。
こういった事を試すことで、なぜ売れないかが見えてくることがあります。

もし、営業でスランプに陥っているとか、
お店の売り上げが振るわない。
そんな時には、人の心理を学ぶことが打開策となることもあるのではないでしょうか。

個人向けセミナー

心理学を取り入れた経営

マサチューセッツ工科大学やハーバード大学といった大学の名前、皆さんも一度は聞いたことがあると思います。世界に名だたる大学なわけですが、この大学のここ数年のレポートを見てるととても面白いことがわかります。

組織を作り、動かす事を専門に研究しているチームがあるのですが、彼らが注目している事は「人」のように感じられます。チームって、人が複数関わるから当たり前でしょ?と言われそうですが、これまでマネジメントや組織について語られるとき、「人」について語られることって少なかったような気がします。

こういう仕組みを導入すれば、組織は活性化します、的なメッセージを見聞きすることは多いのですが、なかなかうまくいきません。その背景には、やはり「人」があるわけです。

システム化をすすめても動かない組織

それを使うのは人

仕組み化や、IT化は10年以上前から、企業・組織・チームにとって大きなテーマでした。いかに効率よく仕事をこなし、いかにコストを下げられるか。こういった事を競い合うように、企業は仕組み化、IT化をすすめていきました。

実は、私もある業界で、すごいIT化のブームがあったのを目の当たりにしていました。素晴らしいシステムを作り、販売する業者が多数現れました。しかし、それで効率が上がったという話をきくことは意外に多くはなかったんです。詳しく聞いてみると、

結局使いこなせず、宝の持ち腐れになっています。

という事でした。

見せて頂くと、システムのデータは空っぽ。誰も入力しないから、そのシステムはいつまでたっても動いているけど、活きていないのです。
どんな素晴らしい仕組み化のアイデアも、それを運用する「人」が動かなければ、成り立ちません。

人を使うのに人を知らないという現実

「やる気スイッチ」なんていう言葉が、CMではやったことがありました。人が組織を作り、動かすという前提に立った時、そのチームメンバーのやる気スイッチをリーダーが握っていればこれほど強い事はない、と感じることはありませんか?

先日、ある企業の方が当社に来社されました。
上司のAさんと、部下のBさんです。
上司のAさんは言います。
「部下のBのやる気スイッチは一体どこにあるんでしょうねぇ。」
なんて私の前で、プレッシャーをかけていました。

その時感じたのは、上司のAさんはおそらく、Bさんのやる気をそぐことばかりやっている可能性が高い。上司Aさんは、人がどんな時にやる気になるかを知らないのです。唯一出来るのは、強制です。言葉を選ばずに言えば、Bさんは強制労働者なのです。

人は強制されると、反発するか強烈なストレスを感じます。本来は、「働かせる」のではなく、「働きたくなる」状況を作るのが上司の務めです。しかし彼はそれを放棄して、働きたくないけど、仕方がないから働かざるを得ない状況を作って、Bさんのやる気をどんどん失わされているのです。

驚くべき現実~管理職は人のマネジメントを知らない

超優良企業の現実

誰もが知る超優良企業。しかも、就職希望ランキングでは常に上位を獲得する企業があります。ここに、「管理職の研修はどんなものですか?」と聞いたことがありました。その課長は渋い顔をして、「形だけの研修はありますが、大した中身は・・・」と顔を左右に振ります。

何が言いたいかというと、大企業においてさえ、人の扱い方を教えていないのです。つまり、管理職はどうすればチームが活性化するかを知らない。結果として、最も手っ取り早い「強制」という形で社員を使います。その結果が、心を病む人が続出する、という現実ではないでしょうか。

超優良企業の女子社員のつぶやき

同じ超優良企業に勤める女子社員。彼女は、仕事を始めて5年を過ぎ、普通で言えば仕事に楽しみを感じる時期でしょう。彼女の未来を伺ってみました。すると、こういいます。
「結婚したら、一旦、会社は辞めると思います。」なるほど、まぁ良くある話ですよね。そのあとに続いた話に驚きました。「けど、どこか違うところで働くと思いますけど。」

つまり、今の会社にはどこかで区切りをつけたい、と思っているわけです。一見勝ち組に見える彼女がその職場を捨てたがっているのです。さらに聞いてみました。じゃあ、どんなところで勤めたい?以前、ある女の子は、スタバで働きたいと言ってたけど?なんていう風に話をすると、彼女はこう話し始めました。「スタバ、良いですね!なんだか今の職場って、殺伐としていて…」

この言葉にすべてがあるのではないでしょうか。彼女は楽しく生き生きと働きたい。しかし、今の職場にはそれがないわけです。超優良企業にもかかわらず、です。

職種にあこがれて人間関係でやめていく

昨日の記事、部下のやる気をそいではいけない!でも書きましたが、人は職種にあこがれ、人間関係でやめていく、という調査結果があるそうです。上記の例を見ると、まさにそんな感じが見て取れるような気もします。その原因の一つは、上司としてのスキルが、強制する事しかない、というのが大きな一因ではないかと思います。

組織を機能させるために不可欠なもの

人はどんな時に動きたくなるか?

かつての人のマネジメント手法は、シンプルです。一つがニンジン方式。ニンジンをぶら下げて、そこに向かって走れという。簡単に言えば、キャンペーンをやって優績者に報奨金を出す、というパターンですね。

これが上手くいかない事は、既に実証されています。正確に言えば、初めのうちは上手くいくのです。しかし、やればやるほど、状況は悪くなります。どういうことかといえば、仕事が報酬と紐づいた瞬間から、人にとっては「やりたくないけどやらなければならない事」になってしまうのです。初めは、上手くいったご褒美のつもりが、そのうちもらえて当たり前のご褒美になり、ご褒美がなければ動かなくなります。

もう一つは軍隊式マネジメントですね。ただただやれ、と強制をする。

内発的動機と外発的動機

人のモチベーションには、内発的動機と外発的動機があるといわれています。外発的というのは、外からの刺激に対応して動き出す動機です。ニンジンや、軍隊マネジメントはまさにこの外発的動機をベースにしたマネジメントです。ニンジンがもらえるからやる、やらないと叱られるからやる、といったものです。

一方、内発的動機というのは、自分の心の内から湧き出す動機です。この内発的動機は、強力で、いったん火がついてしまえば止めたくても止められないくらいの力を持ちます。好きになった異性の事を考えずにいられないというイメージだといえばわかりやすいでしょうか。これに火をつけると、金銭的報酬がなくともやり続けます。

実を危険にさらしてまでボランティアを行ったり、命の危機を冒してまで冒険する人たちはまさにこの内発的動機に従って生きていきます。

組織が最もスムーズに動くのは、この内発的動機を刺激したときです。Googleをはじめとする海外ベンチャーの多くが、縛られた仕事のみでなく、自由に自分の研究をする時間を就業時間内に持たせたりしているのは、この内発的動機を開発の原動力とする仕掛けの一つだと考えています。

Googleのようにならなくてもできる事

さて、さすがに一般の中小企業に、Googleのような就業体形を作るのは難しそうに見えます。しかし、小さな組織でお金がなくともできる事があります。Googleがやっている事は、社員が働きたくなる環境を作っているという事だと思います。それは、物理的なものが重要なわけではありません。

少し前に書きましたが、人間関係で人は辞めていくわけです。実は、チームにとってとても重要なものの一つが、社内の人間関係という労働環境なのです。それを整えるのに、カラフルで楽しげなオフィスは必要ありません。必要となるのは、意識と知識だけです。

そのベースとなる知識を知る事こそが、NLP(神経言語プログラミング)を学ぶ価値だと思います。その結果は、こちらの記事にまとめています。→崩れかけた人間関係短期間で最強チームに変わったたった一つの理由

「人」をしる。
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