災害にあっても逃げない人たち、会社の危機でも動かない経営者たち。

地震だ!
地面が揺れ始めたとき、あなたはどんな行動をとりますか?

おそらく、日本に住んでいて今まで一度も地震にあった事がない人はほとんどいないでしょう。
その時にあなたはどんな行動をとったでしょうか?

 

意外な事ですが、誰も逃げない事が多い。
それは、正常性バイアス(自分は大丈夫という思い込み)と、同調バイアス(周囲が逃げていないから自分も逃げない)という心理効果によるものと言われています。

 

これ、実は会社経営でも見られます。
実際は会社を取り巻く環境は、非常に厳しくなっている。
だから、今までの延長線上の経営ではなく、大掛かりな変化が必要な現実があったとしましょう。

周囲からはいろんな情報が入る事でしょう。
「この業界はこのままでは危ない」
「この事業は、今まさに変化のタイミングだ」
「社内からイノベーションを起こさなくてはならない」

しかし、こういった言葉は頭の中にぽっかり空いた真っ黒な空間に消えていきます。
セミナーなどでそんな話をきいたときは、
「自分の会社も何とかしなきゃ・・・」
と思うかもしれません。

なのにその会場を出る時には、すっかりその不安はなくなっている。
懇親会なんかでお酒が入っちゃうと、さらに不安は払しょく。
なぜなら、周囲の人たちも、俺と同じじゃないか、とわかるわけです。

 

ああ、自分だけじゃないんだ。
他にもたくさん同じ人がいる。
だったら、他の人に遅れないようにさえしなければ、
何とか生き残れるかもしれない。
そうやって自分を納得させます。

 

さて、それは真実なのでしょうか。
2003年、韓国で地下鉄放火事件がありました。
社内は煙が充満し、どう見ても危険な状態。
しかし、乗客たちは、避難しようという気配すら見えない。

結果、197名の尊い命を失うことになりました。

鉄道側のミスリードもあったようですが、
ここに、人の心理がかかわってきています。
私たちは自分の安全を守るため、自分で判断して行動することが難しい。

 

これを経営に置き換えてみると、よくわかります。
特に、即座に命を失う危機ではないのですが、
会社が傾くというのは経営者にとっては大きなインパクトです。

それだけの痛みがあるのに、そのための情報は無視。
なにも動かない人が圧倒的に多いのです。
隣と顔を見合わせて、ホッとする。
成功者が一握りとなるのは、こんな心理が働いているのかもしれません。

 

今の時代、相当早く世の中が動いています。
その時に、集団の一人であるという事は、本当は安心材料ではないんです。
一歩とびぬけなければならないのに、集団の中にいることで安心を感じているのはかなり危険。

そこに気づくか気づかないか。
こんな様子を見ていると、ノアの箱舟を思い出します。
洪水を想定して船を作った人間がいれば、それを笑う人間もいる。

あなたは、次の時代へ船出の準備をする人ですか?
それとも集団の中で埋もれてしまう人ですか?

 

NLPでは、集団に埋もれる自分から、
本当の自分につながる技術をお伝えしています。
誰かに合わせて生きるのではなく、自分の本質に従って生きる。
すると、自然に「ほかの人が行わない、自分だけの判断」を勇気をもって下せるようになります。

もし、そんな自分に合ってみたいと思われるなら、
ぜひNLPの門をたたいてみてください。

 

経営に心理学が欠かせない理由

マサチューセッツ工科大学やハーバード大学といった大学の名前、皆さんも一度は聞いたことがあると思います。世界に名だたる大学なわけですが、この大学のここ数年のレポートを見てるととても面白いことがわかります。

組織を作り、動かす事を専門に研究しているチームがあるのですが、彼らが注目している事は「人」のように感じられます。チームって、人が複数関わるから当たり前でしょ?と言われそうですが、これまでマネジメントや組織について語られるとき、「人」について語られることって少なかったような気がします。

こういう仕組みを導入すれば、組織は活性化します、的なメッセージを見聞きすることは多いのですが、なかなかうまくいきません。その背景には、やはり「人」があるわけです。

システム化をすすめても動かない組織

それを使うのは人

仕組み化や、IT化は10年以上前から、企業・組織・チームにとって大きなテーマでした。いかに効率よく仕事をこなし、いかにコストを下げられるか。こういった事を競い合うように、企業は仕組み化、IT化をすすめていきました。

実は、私もある業界で、すごいIT化のブームがあったのを目の当たりにしていました。素晴らしいシステムを作り、販売する業者が多数現れました。しかし、それで効率が上がったという話をきくことは意外に多くはなかったんです。詳しく聞いてみると、

結局使いこなせず、宝の持ち腐れになっています。

という事でした。

見せて頂くと、システムのデータは空っぽ。誰も入力しないから、そのシステムはいつまでたっても動いているけど、活きていないのです。
どんな素晴らしい仕組み化のアイデアも、それを運用する「人」が動かなければ、成り立ちません。

人を使うのに人を知らないという現実

「やる気スイッチ」なんていう言葉が、CMではやったことがありました。人が組織を作り、動かすという前提に立った時、そのチームメンバーのやる気スイッチをリーダーが握っていればこれほど強い事はない、と感じることはありませんか?

先日、ある企業の方が当社に来社されました。
上司のAさんと、部下のBさんです。
上司のAさんは言います。
「部下のBのやる気スイッチは一体どこにあるんでしょうねぇ。」
なんて私の前で、プレッシャーをかけていました。

その時感じたのは、上司のAさんはおそらく、Bさんのやる気をそぐことばかりやっている可能性が高い。上司Aさんは、人がどんな時にやる気になるかを知らないのです。唯一出来るのは、強制です。言葉を選ばずに言えば、Bさんは強制労働者なのです。

人は強制されると、反発するか強烈なストレスを感じます。本来は、「働かせる」のではなく、「働きたくなる」状況を作るのが上司の務めです。しかし彼はそれを放棄して、働きたくないけど、仕方がないから働かざるを得ない状況を作って、Bさんのやる気をどんどん失わされているのです。

驚くべき現実~管理職は人のマネジメントを知らない

超優良企業の現実

誰もが知る超優良企業。しかも、就職希望ランキングでは常に上位を獲得する企業があります。ここに、「管理職の研修はどんなものですか?」と聞いたことがありました。その課長は渋い顔をして、「形だけの研修はありますが、大した中身は・・・」と顔を左右に振ります。

何が言いたいかというと、大企業においてさえ、人の扱い方を教えていないのです。つまり、管理職はどうすればチームが活性化するかを知らない。結果として、最も手っ取り早い「強制」という形で社員を使います。その結果が、心を病む人が続出する、という現実ではないでしょうか。

超優良企業の女子社員のつぶやき

同じ超優良企業に勤める女子社員。彼女は、仕事を始めて5年を過ぎ、普通で言えば仕事に楽しみを感じる時期でしょう。彼女の未来を伺ってみました。すると、こういいます。
「結婚したら、一旦、会社は辞めると思います。」なるほど、まぁ良くある話ですよね。そのあとに続いた話に驚きました。「けど、どこか違うところで働くと思いますけど。」

つまり、今の会社にはどこかで区切りをつけたい、と思っているわけです。一見勝ち組に見える彼女がその職場を捨てたがっているのです。さらに聞いてみました。じゃあ、どんなところで勤めたい?以前、ある女の子は、スタバで働きたいと言ってたけど?なんていう風に話をすると、彼女はこう話し始めました。「スタバ、良いですね!なんだか今の職場って、殺伐としていて…」

この言葉にすべてがあるのではないでしょうか。彼女は楽しく生き生きと働きたい。しかし、今の職場にはそれがないわけです。超優良企業にもかかわらず、です。

職種にあこがれて人間関係でやめていく

昨日の記事、部下のやる気をそいではいけない!でも書きましたが、人は職種にあこがれ、人間関係でやめていく、という調査結果があるそうです。上記の例を見ると、まさにそんな感じが見て取れるような気もします。その原因の一つは、上司としてのスキルが、強制する事しかない、というのが大きな一因ではないかと思います。

組織を機能させるために不可欠なもの

人はどんな時に動きたくなるか?

かつての人のマネジメント手法は、シンプルです。一つがニンジン方式。ニンジンをぶら下げて、そこに向かって走れという。簡単に言えば、キャンペーンをやって優績者に報奨金を出す、というパターンですね。

これが上手くいかない事は、既に実証されています。正確に言えば、初めのうちは上手くいくのです。しかし、やればやるほど、状況は悪くなります。どういうことかといえば、仕事が報酬と紐づいた瞬間から、人にとっては「やりたくないけどやらなければならない事」になってしまうのです。初めは、上手くいったご褒美のつもりが、そのうちもらえて当たり前のご褒美になり、ご褒美がなければ動かなくなります。

もう一つは軍隊式マネジメントですね。ただただやれ、と強制をする。

内発的動機と外発的動機

人のモチベーションには、内発的動機と外発的動機があるといわれています。外発的というのは、外からの刺激に対応して動き出す動機です。ニンジンや、軍隊マネジメントはまさにこの外発的動機をベースにしたマネジメントです。ニンジンがもらえるからやる、やらないと叱られるからやる、といったものです。

一方、内発的動機というのは、自分の心の内から湧き出す動機です。この内発的動機は、強力で、いったん火がついてしまえば止めたくても止められないくらいの力を持ちます。好きになった異性の事を考えずにいられないというイメージだといえばわかりやすいでしょうか。これに火をつけると、金銭的報酬がなくともやり続けます。

実を危険にさらしてまでボランティアを行ったり、命の危機を冒してまで冒険する人たちはまさにこの内発的動機に従って生きていきます。

組織が最もスムーズに動くのは、この内発的動機を刺激したときです。Googleをはじめとする海外ベンチャーの多くが、縛られた仕事のみでなく、自由に自分の研究をする時間を就業時間内に持たせたりしているのは、この内発的動機を開発の原動力とする仕掛けの一つだと考えています。

Googleのようにならなくてもできる事

さて、さすがに一般の中小企業に、Googleのような就業体形を作るのは難しそうに見えます。しかし、小さな組織でお金がなくともできる事があります。Googleがやっている事は、社員が働きたくなる環境を作っているという事だと思います。それは、物理的なものが重要なわけではありません。

少し前に書きましたが、人間関係で人は辞めていくわけです。実は、チームにとってとても重要なものの一つが、社内の人間関係という労働環境なのです。それを整えるのに、カラフルで楽しげなオフィスは必要ありません。必要となるのは、意識と知識だけです。

そのベースとなる知識を知る事こそが、NLP(神経言語プログラミング)を学ぶ価値だと思います。その結果は、こちらの記事にまとめています。→崩れかけた人間関係が短期間で最強チームに変わったたった一つの理由

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