モチベーションを奪う環境

人は、自分で言いだしたことは、全うしたい。
基本的にそんな風に考える性質があります。
一貫性の法則と言います。

一方で、会社のマネージャークラスの人はこう頭を抱えます。
「ウチの社員は自主性がなくて・・・」

 

こういったマネージャーがいう、自主性ってどういうものなのでしょうか。
たとえば、新しいアイデアを社員が出してくる。
改善提案を社員が出してくる。
言われなくても仕事に打ち込む。

こんな感じでしょうか。

 

こういったときに、重要なのは、社員が働く目的です。
彼らはなんのために働いているのでしょうか?
生活のため?
お金のため?
その要素はありそうですね。

 

じゃあ、なぜお金や生活のために仕事をするのでしょうか。
実はそんな風に会社がしつけている、と言ったら叱られるでしょうか。

これは何度かお話ししていますが、再度きちんとお伝えしましょう。
マーク・レッパー、デイヴィッド・グリーン、リチャード・ニスベットの共同でこんな実験が行われました。

自由時間に絵を描いている幼稚園の園児にこう話しかけました。

グループA:「よくできました」という賞状を見せ園児たちに「この賞状がほしいか?」と尋ねました。
グループB:事前に賞状は見せず、お絵かきが終わった時点でサプライズ的に渡した。
グループC:賞状は渡しませんでした。

2週間後、紙とペンをそれぞれのグループの園児に渡しました。

 

BとCのグループは以前と同様に、一生懸命に絵をかきました。
しかし、Aのグループは絵を描くことに関心を示さなくなりました。

 

これは、賞状をもらえることを知らないBとCのグループの子たちは、純粋に「描きたいから描いている」という状態。しかし、Aのグループは「賞状のために描く」という風に動機がへんかした、と言われています。

これを、トム・ソーヤーの物語から、ソーヤー効果と言います。

 

たとえば、パワーポイントの資料をつくったり、文章を書いたりするのが好きな人も、
仕事でやらざるを得なくなると、急速にやる気がなくなってしまう。
人と会うのが好きな人も、営業で人と会うとなると、苦痛になってしまう。

まぁ、いろんなパターンがありますが、仕事として報酬の対価として労働するというのは、人のやる気を奪います。このブログで、営業へのインセンティブを否定するのはこういった理由からです。

 

 

もう一つ考えたいのは、何かを提案したい、しようと思う社員はいるはずです。
しかし、それを言葉にするのを躊躇している可能性があります。
それは何かというと、こんなこと言ったらバカにされるかも、とか、否定されるかも、とか、
仕事を押し付けられてしまうかも、というリスクを感じている可能性があるという事。

これは心理的安全性と言われますが、何を言っても損をしない、危険を感じない環境づくりはとても大事です。しかし、残念ながらそれが根付いている会社というのはなかなか少ないものです。

 

この二点だけではありませんが、実は社員のモチベーションは、社員の問題ではありません。
モチベーションを持っていない人はいません。
ただ、モチベーションを持てない環境があるだけです。
そのモチベーションを引き出すのは、それを打ち消してしまわない環境を作る事。
そしてコミュニケーションです。

 

そのコツは、NLPを学んで頂ければ感じられる部分があると思います。
ああ、そうだったのか、と。

つまり、うちの社員はモチベーションが低い、という言葉はそのまま自分にかえってくるのです。
じゃあ、それを下げないためにできる事は何でしょうか。
NLPはその答えを探すお手伝いができると確信しています。

「明日やろうはバカ野郎」は本当か? 心理学で読み解くモチベーションのコントロール

割と有名な言葉に、
「明日やろうはバカ野郎」
何ていうものがあります。
なんか熱血な感じですね。

これ、心理学的には本当なのか?
ちょっと考えてみました。

 

たとえば、NLPにおいて、成功において重視される行動パターンはいくつかあります。
その中でもよく言われるのが、大量行動。
とにもかくにも、動け、動け、動け、と。

いくら考え込んでいても、結果が得られることはありません。
動くことで、自分の周囲(人や社会はもちろんですが、空気というか状況)を動かす波を作る必要があります。

最近の傾向として、「引き寄せの法則」といわれる、ちょっとフワフワしたスピリチュアル的な話においても、その起動スイッチとして、行動が必要だと言われることが増えてきています。

 

行動すると、反応が得られます。
やったことが上手くいかないことももちろんありますが、上手くいかない理由がより具体的にわかります。そして、人間は面白いもので、一度やりかけたものは完成させたいという強い衝動がおこります。これをツァイガルニク効果と言いますが、初めは乗り気がしなかったのに、やり始めたらやめられなくなった・・・なんていう経験、ありませんか?

まさにそういう状態で、とにかくやり始めてみるわけです。
すると、フィードバックが得られ、そのフィードバックをもとに行動すれば、よりやる気も出てきますし、成功の予感が近づいてくる人も多いでしょう。

 

だから、NLPを学んだ人は、行動を重視します。
とくに、初めての第一歩。
これをベイビーステップと言いますが、ここに一歩踏み出すことで成功スイッチを起動させます。

 

しかし、なかなか思うように一歩が踏み出せない。
そういう人もいます。
というか、ほとんどの人がそういう状態です。

 

ここで、脳の機能について少し考えてみたいと思います。
実は、脳において、考えたり、決めたりする力は限界があるってご存知でしたか?
そういった機能は、朝起きたときに満タンになっています。
その満タンの状態から、
●今日は朝ご飯は何にしようか・・・
●今日はどんな服を着て外出しようか・・・
●電車で行こうか、車で行こうか・・・
などと選択肢を提示され、決断するごとにそのリソースは減っていく事は実験で明確にされています。

 

たとえば、Appleの故スティーブ・ジョブズやFacebookのマーク・ザッカーバーグはいつも同じような服を着ていませんか?
彼らは、そういった事に脳のリソースを浪費するのを防ぐため、同じ服を何着も持っていて、それをかわりばんこに着ている、という話はよく耳に入ってきます。

 

さて、NLPでとにかく行動せよ、というのはある一面では「考える事」をスキップし、脳のリソースを使う前にまずやってしまえ、という側面があるわけです。

 

ここであるケースを考えてみましょう。
今日はもう夕方。
ある仕事に取り掛からなくてはならない。
それは、単純作業ではなく、ちょっと頭を使わなければならない仕事。
今日やってしまえた方がよいのは良いけど、明日スタートしても何とかなるだろう。

こんなとき熱血漢で、
「明日やろうはバカ野郎」
なーんて言いながら取り掛かる。
これ、非常に効率や判断力が下がる可能性があります。

 

この言葉、あくまでルーチンワークというか、
単純作業を指して言っているんだと思います。
もう勢いだけでできちゃう仕事。
それなら夕方はじめてもオッケーです。

 

しかし、NLP的仕事術としては、戦略なく今始めるより、
明日の朝いちばんですぐに取り掛かれる体制にしたうえで、
明日の朝やる、という事をおすすめします。
それが何かしらの、新たな企画だったり、決断が必要だったり、
創造的な仕事の場合は、ですよ。
そのほうがずっと効率よく、クオリティも高いはずです。

もしよければ、夕方始めた場合と、朝始めた場合で比較してみてもいいかもしれませんね。
そうやって自分なりの仕事の進め方を学んでいくのです。
スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグがそうやって仕事の仕方を作ってきたように。

 

NLPは、数々の心理学上の経験や実験を、戦略的に組み上げるツールです。
私達が今まで意識しなかった、脳の特性や、行動の特性を学び、自分流のやり方を作り上げるベースになります。

スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグがNLPを学んだかどうかはわかりませんが、彼らは彼らのやり方で、自分のパフォーマンスを最大化させる方法を編み出しています。
(スティーブ・ジョブズはマインドフルネス瞑想が有名ですね。)
あなたも、あなたの奥底に眠る本当の能力を開花させるために、NLPを学んでみませんか?

 

あなたが妄信している組織マネジメントは本当に正しいのか?

まんトレが相談を受けるなかで、多いものの一つが組織のマネジメントです。
社員がやる気を出してくれない。
社内の雰囲気が良くない。活気がない。
社員の自発的な行動が起こらない。

 

しかし、ここに打つ手がイメージできない。
だからお金の問題かもしれない、とインセンティブを与えるとか、
意見を出せ!と強要するとか、
社員に研修を受けさせるとか、
そんな事を試す方は結構多いです。

それ、上手くいきましたか?
と聞くと、やったときはいい、という方はたまにいらっしゃいます。
けど半年、1年たって、良かったかといえば元の木阿弥。
実は心理学的には、元の状態より悪くなっている事の方が多いはずです。
誰もが知っている管理手法の多くは、上手くいかないことが心理実験で明らかにされているからです。

 

こんな間違いがなぜ起こるかというと、多くの場合、誰がやっても、短期間で、目に見える効果が表れるノウハウばかりを追い求めるからです。
手っ取り早く解決したいという欲求は、根本的解決を遠ざけがちです。

まず、考えてみましょう。
ある父と思春期の娘の関係を想像してみてください。

Aという家庭では、父が「よし、みんなで食事に行こう!」といえば、娘は大喜び。
ワクワクする夕食タイムが待っています。
しかし、Bという家庭では、父が同じことを言うと、娘はこういいます。
「えーー、一緒に行くのは嫌。お金をちょうだい。」
父は頭を抱えてしまいます。

 

だいたい、組織の問題で悩みを持っているリーダーというのは、Bという家庭と似たような状況ではないでしょうか?

 

じゃあ、どうするかなのですが、このBの家庭で父はこういいったとしましょう。
「一緒に来なければ、こずかいはもうやらない。」
これ、企業で言えば、強引な強制です。減俸の恐怖で社員を管理する手法。

「一緒に来れば、好きなものを買ってやろう。」
これ、企業で言えばインセンティブです。

なんだかおかしいですよね?
家庭と会社では、基本的な環境が違うという人もいるかもしれません。

 

じゃあ、逆に、Aという家庭はなぜこんなに雰囲気がいいのか。
強制してるわけでもなく、インセンティブを渡しているわけでもない。
こういう時によく出る話は、
「娘の性格による。」
という話。

 

しかし、その娘を育てたのは一体誰なのでしょう。

敢えて厳しい言い方をさせて頂くと、娘であれ、社員であれ、それを相手の責任にしているうちは何も良くはなりません。アイツの問題だから、インセンティブで釣ろうとか、アイツの問題だから無理やりでもやらせようとか。これで社内の風通しが良くなるわけがありません。

 

だから、人間関係が重要なのです。
アイツがどうするかではなく、リーダーであるあなたがどうするかなのです。

どんなモチベーションアップ策も、部下と上司の信頼関係なくしてうまく機能することはありません。だから、どんどんとその場しのぎの策に傾倒していきます。けっか、やればやるほど人間関係は崩壊していく。

 

もし、社内の雰囲気が良くない、と感じるのであればまずやることは、給与体系の改定でも、社内の賞罰制度の改定でもありません。部下との人間関係を構築する事です。

 

実際に、崩壊寸前の企業が、社長がNLPを学び、社員一人ひとりを「人」として見るようになってからは劇的に改善したケースもあります。

 

まんトレがNLPを学び、広めようとしたのはそこに理由があります。
人間関係が上手くいくなら、NLPでなくても何でもいいのです。
しかし、まんトレとしてそれを作り上げる最短距離がまさにNLPである、という判断からそのトレーナーをしています。

 

会社を活性化させたいなら、社長がまずはNLPを学び、日々の習慣として使いこなす。
たったこれだけで、劇的に会社の状況は改善します。
騙されたと思って、門をたたいてみてはいかがでしょうか。

人は集団になると力をだせない!? NLPトレーナーが考えるチームのモチベーション

「一致団結すれば百人力!」
「1+1は2ではない、3だ!」
そんなセリフ、よくありますね。

ここで残念なお知らせがあります。
人は集団になると、力が発揮できない生き物なのです。

 

その証拠になりそうな、2つの心理実験をご紹介しましょう。
一つ目は、リンゲルマン効果、社会的手抜きなどと言われるもののもとになる実験です。

1人でロープを全力で引いてもらいました。
結果として、63キロの力が加わりました。

3人になると、一人当たり53キロ、
8人になると、一人当たり31キロ。

つまり、一人当たりの力は、人が増えるほど力は小さくなっていきます。

 

単純に考えると、ロープを引く環境や状況によって、力が入りやすかったり、入りにくかったりがあります。そういった要素を排除するため、別の実験車による実験が行われたそうですが、結果の傾向はほぼ同じでした。

人は、集団になると、無意識に手抜きをするようだ、というのがこの実験の結論です。

 

 

もう一つの実験は、困った人を助けるか否か。
道端で具合の悪い人を見かけたとき、
自分一人が通りかかった場合、85%の人はその人を救助しました。
通行者が5人以上で実験すると、35%まで減りました。
傍観者効果と呼ばれるこの傾向は、自分でなくてもだれかやるという考えから助ける人が減ったと言われています。

 

誰かがやる。
こうやって、責任を”無意識に”逃れるのが人間の傾向。
この集団がどんどん大きくなると、無責任体質が目立ってきます。
それを律するため、大企業は社員を管理する。
ルールで縛り付けることで、辛うじて秩序を保とうとしているのかもしれません。
しかし、ルール、つまり強制は人のモチベーションを奪います。
ここをどうバランスをとっていくかが、リーダーとしての難しいことろだと思います。

 

方法の一つは、集団の中にいる、個人の役割を明確にすること。
プロジェクト全体はチームで回るわけですが、そのうちのどの部分を誰がやる、というのを明確にするのが重要です。意外とここが明確になっていないチームは多いように思います。

誰がトスを上げて、誰がスパイクを打つのか。
スポーツの場合はそこが明確です。
しかし、ビジネスにおいてはそれが曖昧なことが多く、全員にオールラウンドプレイヤーである事を求められがちです。

ここを得意な部分と、そうでない部分を社内で明確にし、それぞれが担うべき役割を明確化していく事は社内のモチベーションマネジメントには欠かせない要素だと思います。

 

あなたのチームのAさん。
彼が、彼女が、果たすべき責任は何ですか?

 

 

休息の価値 心理学的休息の活用法

今年は連休が少ない(笑)
そんな中での貴重な三連休は、いかがでしたか?
仕事だった人もいるかもしれませんし、
海の日という事で海に出かけた人もいるようです。
暑いので山に登った人もいたのでしょうか。

さて、さまざまな過ごし方があるとは思いますが、ビジネスパースンにとって休日とは結構大事なものです。
日頃、仕事三昧な方ほど、ちょっとした休息は大事にしていただきたいものです。
それには理由があります。

 

たとえば、朝から晩まで一つの事に集中して取り組んだとします。
段々と頭の中は、その事でいっぱいになって、脳内の同じ回路を繰り返し使っています。
すると、次第に脳はオーバーヒート。
だんだんと発想力や、集中力が落ちてくるのが、自分でもわかる事ってありませんか?

 

よく言われることですが、例えばニュートン。
万有引力の法則を発見したニュートンは、ぼんやり庭のリンゴの木を見ていた時でした。
アルキメデスが重要な原理を発見したのは、お風呂につかっているときでした。
よくよく考えてみると、重要なアイデアというのは仕事場とは違う場所で発明・発見されます。

 

その理由としてはこんなふうに言われています。
リラックスしている状態と、仕事に集中している状態では脳の使い方が違う、という事。仕事に集中しているときは、左脳が優位ですが、リラックスすると右脳が優位になると言われています。
行ってみれば、仕事中使っていなかった回路にスイッチがはいる、というイメージになるのかもしれません。

 

じゃあ、常にリラックスしていればいいかというと、そういうわけではありません。NLPのワークでもよくやるのですが、「赤いものを探してください。」と脳に指令を与える。すると、脳は一瞬にして赤いものをいくつも検出します。この質問のインプットが重要なのです。

まじめに仕事の事を考えている時間というのは、まさにインプットの時間。
この時に適切な質問を脳にインプットすることで、リラックス状態で右脳が活性化したとき、思いもよらなかったアイデアがひらめいたりします。

 

この、脳への質問のインプットは、キチンとなされれば一度あれば十分。
脳は常にその答えを探し続けます。
その答えを持っているのは、右脳である事が多い(左脳の論理的思考で導き出せるものはそもそも行き詰まることが少ないレベルのものが多い)ので、右脳からのメッセージを受け取る状況が必要です。

だから、休息が大事なのです。

 

とくに、難しい仕事に接しているときこそ、意識して休息をとりましょう。
仕事の事を一旦頭の中から追い出して、ほっと一息をつく時間です。
コーヒーを飲むのもいいし、ぼんやり空や海を眺めるとか、そんなゆったりする時間を過ごすのがおすすめです。

そういうメカニズムを活用している人は、休日最終日の夕方になると早く仕事がやりたくて仕方がない事が多いのではないでしょうか。なにしろ、休日に浮かんだアイデアを、早く試したくてうずうずしているはずですから(笑)

 

褒めるなら今すぐ! 組織のモチベーションを高める心理学的評価のフィードバック方法

世の中、「ほめて育てる」という話をよく聞きます。
実は、NLPの演習などでも、相手を上手に褒めるという事をテーマにしたものがあります。
とはいえ、現実の世界ではよそよそしくなったりして結構難しいものです。

さて、そんな時考えたいのは、褒めるという行為の結果、組織がどうあってほしいかです。
恐らく、社員一人一人の能力を開花させ、高めあい、常にやる気にあふれ、成長していく組織を作る事がゴールでしょう。

 

褒めるという事で得られる効果は大きく二つあるのではないかと思います。
一つ目は、社内のコミュニケーションの活性化。
もうすこしいうと、社員の精神的な安全確保だと思います。

もう一つは、社員自身のモチベーションアップ。
自ら仕事に取り組み、成長しようという意欲を引き出すことです。

 

まず前者に関していうと、いつでもどこでもOKだと思います。
ちょっとイメチェンをしたら、それを褒めるもよし。
頑張ってる様子を見かけたら、それを褒めるもよし。

 

一方、社員のモチベーションアップには、重要なタイミングがあります。
それは、今すぐ褒めるという事。
「あの時、よく頑張ったよね。」
というのももちろん悪くはありません。

しかし、何かの行動を起こしたときに、即座にフィードバックを与えると、モチベーションにつながります。
これは、必ずしも褒めるという行為でなくてもOKな場合があります。
「大丈夫か?」と問いかけることでもいいのです。

どういうことかというと、上司としてあなたの事をちゃんと見ていますよ、というサインだからです。

 

ああ、この人は私の事をちゃんと見てくれている。
それだけで社員は安心し、その期待に応えようとするものです。
しかし多くの場合、良くない部分ばかり見ていて、良い部分を見ていない(もしくは見ていないように見える振る舞いをする)から、信頼関係もできなければ、やる気も起こらないのです。

 

たとえば、スポーツチームは一体になって勝利に向かいます。
応援している人も、その様子を見て手に汗握ります。
それはなぜかというと、行動に対するフィードバックが即座にあるからです。

バッターが打てば、勝ちに近づくことは誰でもわかります。
打った人は、そのフィードバックがあるから、喜びます。

これが会社では、営業が頑張ってたくさんのお客さんを訪問したとしましょう。
それは、”勝ち”に近づく行動です。
しかし、これを褒めてくれる人はほとんどいません。
なぜなら、会社では結果を求められるからです。
実際には結果は水物である事が多いのです。
たまたま大口契約にぶち当たった人が褒められ、コツコツと足で稼いだ人は日影にいる。
これではやる気など出るはずもありません。

ところが、結果を出すには結果につながる行動が必要になります。
その行動を見つけたら即座に褒める。
褒めるというより、労をねぎらうといったほうが適切かもしれません。
そうやって、社員が頑張っている事を上司であるあなたはちゃんと見ている事を示さなければなりません。

 

そのためには、ちゃんと社員の事を知る必要があります。
結局は、振出しに戻る・・・ではありませんが、コミュニケーションが重要となるのです。
そのコミュニケーションを整えるのは、部下ではなく上司です。
そういった事を学ぶことが、今の日本ではとても重要なのではないかと思います。
メンタルヘルスの問題などは、まさにそうですよね。

上司になったら、人の心理を学びましょう。
NLPはその大いなる助けとなるはずです。

立場が人をつくる ~心理学的考証

「立場が人をつくる」とはよく言われます。
経験則として、そういった事があるのはなんとなくイメージできると思います。
これを実験で明確にしたのが、有名な「監獄実験」です。

スタンフォード大学で行われたこの実験は、あまりの残虐性から、6日間で中止されました。
この様子は、映画「es」や「エクスペリメント」などで取り上げられています。

 

実験の内容はいたってシンプルです。
被験者を、監獄の囚人役と看守役にわけ、それぞれの役割を演じさせるというもの。
普通の学生たちが、数日のうちに豹変してしまいます。
看守役の被験者は、その残虐性を高めていきます。
禁止されていた囚人役への暴力が噴出し、独房への隔離、バケツへの排便強要など、普通では考えられない行為を行います。

もちろんこれはやることを強制されたわけでなく、自主的に行っているのです。

結果、複数名が異常をきたし、実験を離脱。
被験者の親族の申し出を受けて、実験は中止されることとなりました。

 

この事からわかることは、人には役割を与えると、その役割を無意識に全うしようという作用が働くという事。
異常ともいえるこの行動を、被験者たちは自ら作り出したわけです。

 

この実験は、人道的な意味でも心理実験の暗部として扱われていますが、これはポジティブな状況でも同じ効果が見られる可能性があります。

 

たとえば、「あなたはリーダーだ」と明確にすれば、その人はリーダーらしく振舞おうという無意識の力が働く可能性は高そうです。
これは全く別の実験ですが、教師に「あなたのクラスは優秀な生徒を集めた」と伝えた(実は、クラスの生徒はランダムに選ばれた普通の生徒たち)時に、クラスの生徒の平均点は大きく上昇したといいます。

これも、教師が、生徒を優秀であるという前提で扱った結果、生徒がその期待に応えたのだと言われています。

 

この事から考えたいのは、あなたは部下をどう扱っているか?という事です。
「あいつは、ほんっとにどうしようもないやつだ」
と思いながら扱うと、部下はどうしようもない振る舞いをします。
「あいつは、優秀な奴だ」
と思いながら扱うと、その部下はきっとあなたの期待に応えようと成長するでしょう。

 

これを、本当の意味での信頼関係というのではないでしょうか。
社員を、あなたが望む状態の人間として扱う。
これは道徳的な意味合いだけでなく、心理学的にも正しい人との接し方です。

 

さて、冒頭の話に戻りましょう。
もうお分かりですね。
立場は人をつくります。
その立場を明確にするためにも、リーダーは立場に応じた接し方をその社員に行わなければならない。

そうすることで、彼らはあなたの期待に応えようとします。

 

このカラクリを知れば、あなたがどうふるまうべきかが見えてくるのではないでしょうか。

やり続ける工夫 心理学で解明!

会社の中で、こんなことをやろう!
そうやって始めたこと、続いてますか?
いい習慣を始めよう!
そうやって始めたこと、続いてますか?

 

はじめたことのうち、3か月続くものはいくつ残るのでしょうか。
最近割と注目されているのが、
「やり抜く力」
と言われています。

 

ある調査によると、成功者の条件として最も重要だったのが、
物事をやり遂げる力だったという事だそうです。
考えてみれば、イチロー選手なんて、まさにそんな雰囲気ですよね。
誰でもできる事を、誰もできないくらいやりこむ。
シンプルすぎるのですが、それができない。

 

じゃあ、この継続する力を持続するにはどんな工夫ができるのでしょうか。
決定打があるか?といえばなかなか難しいですが、小さな工夫の積み重ねが効くのではないかと思います。

 

たとえば、フィードバック。
物事をやったときに、その成果が即座に認められる。
これはとても重要です。

たとえば、営業なんかだと、販売活動をしてすぐに売り上げにつながると嬉しいですよね。
しかし、なにかを販売しようとしても、お客さんが全く反応してくれなければ困ってしまいます。
一件一件の販売活動においては、即座に結果が出ます。
一方、社内的には例えば、1か月の成績をみて評価がなされます。
1か月先では遅すぎるんです。
その日のうちに、リーダーが褒めてあげないといけません。

それも「結果」に対してではなく、「行動」に対してです。
さらに気を付けたいのは、「誰かと比べて」ではなく、「昨日のあなたと比べて」どうか、
という事にフォーカスします。

 

こういった小さなリーダーの語り掛けが、社員のモチベーションをアップさせ、
行動を持続させようという思いに火をつけます。

 

では、リーダーはこういった行動をどう続けるか。
これは、褒めるという行動を、何かにアンカリングするといいと思います。
たとえば、営業社員が返ってきたら必ずかける言葉を決めておく。
営業社員が部屋に入る、という刺激に、あなたが声掛けするという動作をアンカリングするわけです。

時報でも何でもいいのですが、自分なりの合図を決めて、習慣にすると無意識にそのような行動ができるようになります。

 

物事を継続させるのは、実は意志の力というより、
仕組みづくりなのです。

 

その仕組みのカラクリを知るには、NLPという心理学は非常に有効な手段の一つです。

ビジネスにおける”質問力”のパワー 人を知るためのNLP

「私は、○○をやります!」

 

なかなか、決意にあふれた言葉ですね。
やる気がひしひしと伝わってきます。
しかしこれ、ちょっと気を付けたほうがいいかもしれません。

なぜならば、これは自分を強制している事になります。
強制するという事は、必ずと言っていいほど反発心が出てきます。

 

ある心理実験があります。
なんのご褒美も設定されていない状態で絵を描く子供。
皆夢中で描いています。
ここにご褒美をあげます。

すると、次からはご褒美のために絵を描くことになります。
結果として子供たちは、ご褒美がなければ絵を描かないようになります。

 

これはどういうことかというと、ご褒美(つまり報酬)を与えられることで、
ご褒美の代わりに絵を描く。
つまり、絵を描くことが義務になったのだと分析されています。
義務になるとモチベーションは下がります。

 

 

さて、冒頭の決心をあらわした言葉。
一見、力みなぎる言葉なのですが、この事で自分に
”やります!”という事を義務にしています。

義務になった瞬間、人はモチベーションが下がりがちなのは先の実験の通り。
やる気を出そう、出そう、とすればするほどモチベーションは下がります。

 

会社のチームのリーダーを務める人も、
「やる気を出せ!」
なんて声掛けしますね。

これも、もう義務化しちゃって、人はいやいや動いてしまいます。
感情と仕事のパフォーマンスは恐ろしいほどリンクしていますから、
当然この状態ではいいパフォーマンスは期待しにくい。

 

すでに心理学の世界では、モチベーションに関してはかなりの事が解明されています。
もちろん、人の心は様々な要素で動きますので、
これだけやればOK!なんていうシンプルなものではありません。
ですからこういった実験結果を誰も活用しようとしません。
結果として、ただ感情に任せて「やるきをだせー」なんていう解決策(?)に走ってしまいます。

 

すると、リーダーも困った状況になるし、
チームメンバーもストレスフルな環境になる。
仕事のパフォーマンスは今一つ上がらず、
お客さまにも迷惑をかける。

あまりいいことがないのです。

 

さて、こんな時、どう声がけすればいいか。
実験の結果明らかにされたのは、
「私は、○○をやるのか?」
と疑問形にすることです。

 

問いかけられただけなので、強制の力は働きません。
義務感からではなく、自ら決定してやるわけです。
これだけでモチベーションに及ぼす影響は相当に変わります。

自分への問いかけのみならず、チームメンバーにも同様です。
○○のプロジェクト、やろう!
というより、
○○のプロジェクト、やるの?
と聞く方がよいと言われています。

義務にさせない工夫ですね。

 

さて、世の中のマネジメントやモチベーションのコントロールは、
なぜか誤った認識が広く信じられています。
営業であれ、チームのマネジメントであれ、経営やマーケティングであれ、
私たちが対象とするのは「人」です。

人を動かすビジネスをしている以上、人を知らずして上手くいくほうが奇跡です。

 

人を学ぶ手段として、NLPを検討してみる方、
今も増え続けています。

NLPを学びますか?

 

 

ネガティブな感情とどう向き合えばいいのか?

今日は、ネガティブな感情や思考について少し考えてみたいと思います。
今朝、ラジオを聞いていると、こんなことを言っていました。

アメリカ人は寝る前に、明日のいいことを考えながら寝る。
日本人は寝る前に、今日会ったネガティブな感情を振り返る。

嘘か本当かはわかりませんが、なんとなくありそうな話です。

 

世の中の成功法則の中では、物事、ポジティブに捉えるべし、という事がよく言われます。
しかし、私の友人でも、ポジティブなんだけど、どこか不自然な人はいます。
これぞポジティブシンキングオタクなのかもしれません。

本当は、心の中に浮かんでくるネガティブな感情があるわけです。
けど、そこに無理やり、ポジティブな意味づけで上塗りして、ネガティブな感情を隠そうとします。

 

これ、たとえて言うなら、虫歯を削らず、かぶせ物をして見た目だけきれいにしている状態に近いわけです。

 

 

最近の成功法則の傾向として、無理やりポジティブに持っていくのではなく、ネガティブな感情も無視しないことが大事と言われています。
というのも、心の奥底から湧き上がる感情というのは、その人本来のパーソナリティです。

 

人は、たくさんの仮面をかぶって生きています。
赤ん坊のころは、社会と折り合いつけるなんていう事は考えません。
しかし、大きくなるにつれ、人とうまくやっていく方法や、社会に適合する方法を学びます。その結果、本来の自分の個性を小さな箱に押し込めてしまっています。

いずれ、自分でさえも、本来の自分がわからないくらい小さく閉じ込められている状態になります。その状態では、どんなに成功しても満たされることはありません。
なぜなら、自分を自分が認めていないからです。
常に渇望感を抱えて、イライラする。

 

だから、ネガティブな感情を抑え込む行為は、自分自身を抑え込む行為と言わざるを得ません。そうするとますます自分がわからなくなってしまいます。

 

さて、そこで提案したいのが、ネガティブな感情を否定しない事です。
そういった事を感じるのもまた自分。
まずはそれを認め、その感情を味わった上で、
そのネガティブな感情がどこからやってくるのかを探り、仮面に隠れた自分を見つけ出すことができるとその後の人生は随分と楽になります。

 

そういった自分との対話には、ちょっとしたコツがいります。
そのコツを学ぶには、NLPが一つの手段として有効です。
なぜならば、NLPはセラピーがルーツだからです。

 

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