押さなくても売れる営業術

書店に行くと、
『完璧に事務処理をこなすたった一つのポイント』
とか
『税務調査で文句を言わせない経理担当者が知るべき5つのコツ』
みたいな本って、あまり見かけません。

 

しかし、営業に関する本は、数限りなくありますよね。
『ぜったいNOと言わせないクロージングの技術』
『成約率98%の営業術』
『これを言えば必ずお客さんが振り向く魔法の営業トーク』
とか(笑)

あ、もちろんここに挙げたタイトル例は実在のものではなく、私が勝手に考えたものです。

 

事務作業をうまくやる方法は、本としてまとめられていないのに、
営業についてはたくさん出版されている。
この違いは、なぜかわかりますか?

 

答えは簡単です。
誰でも絶対に上手く行く方法がない、という事です。

もう少しいうと、
悩んでいる人がなくならないジャンルである、という事なんです。

 

ダイエットの話をすると、わかりやすいと思います。
世の中では、いろんなダイエットが次から次へとブームになります。
相変わらず、本、雑誌などで様々なダイエット法が公開されていますね。

実は、ダイエットはシンプルに言ってしまえば、
摂取カロリー < 消費カロリー
となればほぼ確実に実現できるはずです。
原理はシンプルなんです。

 

だけど、それが大変だから、楽な方法はないかと皆さん次から次へと探す。
その受け皿として、新しいダイエット法が必要になり、本や雑誌が売れる、というカラクリです。

 

営業もまた同様です。
どんな本を読んでも、トレーニングを受けても、営業のお悩み状態から卒業できる人はごく一部。
大多数の人は、やっぱり上手く行かないから、と別のノウハウを探し続けるんです。
結果として、いろんな方法が求められて、ビジネスが成り立つわけです。

 

ダイエットにも、営業にも、決定版は当面のところはありえないのです。

 

さて、営業で上手く行かないのは何が原因なんでしょう。
実はその内容です。

かつては最も多かったのが、トップセールスマンが書いた自身の自伝的ストーリー。
最近は減ってきたように思いますが、これは一番参考にならない部類のものです。
読んで感動し、明日から頑張ろう!という気持ちになるかもしれません。
しかし、明日になって出社したら、何をしていいかわからなくなりいつもの日常に戻っていきます。

あと「ああ言えばこう言え」的な説得技法も、結構危険です。
というのも、言葉は発する相手が変わればその重みも変わります。
誰でも使える方法ではありません。

他にも気づかいとか、きめ細かな対応とか、いろんな主張がありますが、やれる人とやれない人がいます。
まぁ、ご自分に合った方法を探してみるといいでしょう。

 

ただ、営業という仕事をシンプルに骨組みでとらえてみましょう。
そうするとこうなるのではないでしょうか。

  1. お客様に聞く姿勢になってもらう
  2. 商品の説明をする
  3. 購入の行動をしてもらう

さて、ここで重要なのは、どこでしょうか?

 

私は、セールスの8割以上は、1で決まると思っています。

お客様が、関心をもって耳を傾けてくれさえすれば、その後の事は決して難しい事ではないのです。

 

しかし、多くの人が間違うのが、2に関する勉強ばかりするのです。
商品知識だったり、その周辺知識だったり。
確かに、それも大事です。
正確な提案のために欠かせない知識ではあるのです。

たとえば、まんトレが営業マンとして活躍した保険業界では、生命保険を販売するために、税金や社会保険の知識は欠かせないものでした。
それを一生懸命勉強するわけですが、ある時気付くのです。
この勉強を活かせるシチュエーションに全く遭遇していない!と。
どんなにいい商品も、どんなにいいサービスも、そしてあなた自身がどんなにプロとしての知識を詰め込んでいても、お客さまにとって関心を持てない話題なら何の意味もないのです。

そもそもNLPという心理学を学ぶきっかけの一つだったのかもしれません。

 

営業の最大のコツは、目の前にお客様が落ち着いた状態で正座をし、
「ぜひ、続きを聞かせてください。」
という状況を作る事にほかなりません。

「ああ言えばこう言う」的な説得術も、日々のロープレも、生きてくるのはそのあとです。
多くの人は、一番重要な部分を抜かして、先回りしすぎているのです。

 

また、身だしなみや気遣いはあくまでも、あなたが信頼に足る人間だと見せる所作です。
これも難しいのは、ノーネクタイを好まない人もいれば、気にしない人もいる。
靴が汚れていれば、ルーズな人と見る人もいれば、一生懸命営業してると評価する人もいます。

 

そういった個人の主観と関わらないところで、お客様の信頼を得る方法というのが、あります。

それこそがNLPなのです。

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