お客様が怒り出すたった一つの理由

12月も半ばとなると、街も殺気立っていたりします。
早く仕事を終わらせたい、と思う反面道路は大渋滞。
みんな車の中で、電話をしたり、書類をチェックしたりで「ながら」で運転してるものですから、流れは遅くそれを見てまたイライラ。
事故の多い季節なので、お気を付けください。

こういった時期は、どうしてもミスが増えがちです。
ミスが増えると、お客様が怒りだします。
そのお客様のお叱りに対処していると、時間ばかりが過ぎていく。
「こんな忙しいときに限って」
と愚痴りたくなります。

 

さて、一番有難いのは、お客様を怒らせない事です。
じゃあ、お客様が怒り出すときってどんな時なのでしょう。

ごくごく単純化してお話しすると、こうなります。
「自分の期待通りに大事にされなかった。」
これがお客様が怒り出す理由です。

 

ピンとこない方のために、もう少し具体的にお話ししましょう。

たとえば、通販で頼んだ商品が、思った日時に届かなかったとします。
お客さんは、配達日時を提示された以上、その日時に商品が届くことを期待しています。
しかし、実際はその約束は守られなかった。
お客さんは、一見、約束が果たされなかったことに怒りを感じているように見えます。

たしかに、お客さんはその日に配達されるつもりで予定を組んでいたのかもしれませんが、もしかしたらその日でなくてもよいかもしれません。
しかし、その日に配達する、といったのに来なかったのは、自分の事をそれだけ重要視していない証だと感じます。

 

また、たまたま業者から届いた手紙の宛名。
自分の名前の漢字が間違っていたとします。
ただのDMなら大したことのない話ですが、それでも怒り出す人は怒り出します。
そして電話をかけ、クレームを言います。
「名前を間違えるなんて失礼じゃないか!」
その背景にはやはり、自分をきちんと大切に扱ってもらえなかったという憤りがあります。

 

単に、間違いが問題なのであれば、間違いをただせば済む話です。
しかし、ほとんどの場合、間違いを正すことだけでは怒りは収まらないものです。
そこを取り違えると大変なことになります。

 

よく、「クレームを言ってくださるお客様は、きちんと対応すればとても重要なお客様になる。」といわれます。
これは決してただのきれいごとではありません。
「自分を軽く扱われた」という憤りを持つお客様は、その奥に、あなたや、あなたの会社にとって重要な客でありたいという思いがあります。
だからこそ、大事に扱われたいのに、大事に扱われなかったことに怒りを感じます。

そういったお客様の主張は、まずは受け入れてみてください。
受け入れるというのは、言いなりになるという意味ではなく、お客様の気持ちを受け止めるという事です。
そうすることで、そのお客様が自分たちにとって重要なお客さまであることをしっかりと実感していただくのです。
あなたの言葉に耳を傾けてますよ、あなたの思いを受け止めますよ、という姿勢が非常に重要なのです。

場合によっては何かしらの誠意を形にすることを求められるかもしれませんが、それは会社の姿勢の中でできる範囲の事を提示すればいいですし、出来ないならできないとハッキリお伝えする必要はあります。
しかしまずは、お客様の想いを受け止めるという事から始めることが必要です。

以前もお伝えしたことがありますが、お客様からのクレームが入ったときに、お客様の言い分をさえぎって自分の正当性を主張するのが最もよくないパターンです。
クレームの内容だけにフォーカスするのも、解決策の見えない迷宮に入る可能性があります。

 

おぼえて頂きたいのは、たった一つ。
「自分の期待通りに大事にされなかった。」
という思いがお客様の怒りの背景にはある、という事。

この思いをいやさなければ、トラブルは形を変えてまた起こります。

お気をつけて。

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