「使う言葉」で探る、相手の生き方

リーダーとして、部下に伝えたい思いがある。
しかし、どうも部下はリーダーの想いをくみ取ってくれない。
「会社として世の中に貢献したい」といえば、社員は「それって、ボランティア活動するってことですか?」と言われたりして会話がちぐはぐになることがあります。

こういったとき、双方の意識があるニューロロジカルレベルが違うのでは?という事を疑う必要があるかもしれません。
ニューロロジカルレベルというのは、人間の意識(視点と言い換えるとわかりやすいかもしれません)を6つに分類したものです。
この6つのニューロロジカルレベルは、層をなしていて、上位の概念は下位の概念に影響を与えるといわれています。

 

・・・といっても何のことだかわかりませんね(^^;
具体例を引いて考えてみましょう。

ニューロロジカルレベルの最下層にあるのが、環境という視点です。
たとえば、「景気が悪い。」「社内の雰囲気が悪い。」「先輩に恵まれていない。」という不平不満は、環境の視点になります。

そこから一つ上に上がると、行動の視点があります。
どんな環境にあったとしても、自らがどの様な行動をとるかのほうが重要なはずです。
実質的な行動だけでなく、身の回りに起こったことをどのように捉えるか?という事も「行動」の層に属します。
自分が行動することで、「環境」における不平不満は解消する可能性がありますし、
「環境」が変わらなかったとしても、「環境」をどのように捉えるかで、自分の在り方は随分変わってきます。
たとえば、景気が悪い、雰囲気が悪い、と不平を漏らすのではなく、だからこそ自分にできる事があるのではないか?と考えられるようになります。

さらにもう一つ層を上がると、能力の視点があります。
能力を向上させると、行動が変わります。
景気が悪い中でも、売り上げを上げる能力(スキルやノウハウ)を持つことで、当たって砕けろ式の営業(行動)は、変化する可能性があります。
社内の雰囲気が悪い中でも、コミュニケーションスキルを磨くことで、チームのモチベーションを上げる(行動)は、変化します。

さらにさらに、もう一つ層を上げると、信念・価値観というレベルがあります。
景気の悪い中で、販売活動を強化するという行動の背景にある、たとえば「自分たちの商品が多くの人を救う」といった価値観を明確にすると、能力・行動・環境を変えることができるようになります。

まだ上の層があります。
それは、自己認識の層。
言い換えれば、自分がもつ「使命」といえるでしょう。
自分は、これを成し遂げるために生まれてきたという思い。
これを持つことで、もはや障害に阻まれても、ひるむことない原動力を得ることができます。

 

冒頭の例で言うなら、リーダーが言う「会社として世の中に貢献したい」といのが信念や自己認識の層に属するセリフなのですが、
「それってボランティア活動をするってことですか?」という社員の言葉は行動レベルのセリフといえるでしょう。

 

仮に、あなたの部下が、会社の中での不平不満を漏らしているとすれば、最下層の視点しか持ち得ていないという事です。
彼らに、行動させるには、彼らの上位のニューロロジカルレベルを刺激する必要があります。
たとえば、彼らが行っている仕事が、一つ完了するごとに世界の飢えた子供を死から救い出すとします。
そこを認識すれば、先輩がどうとか、景気がどうとか言ってる場合ではないはずです。

もちろん、実際には日本で行う営利企業の活動がこのような分かりやすい価値を社員に示すことは難しいかもしれません。
ただ、実務でどれだけの人が幸せになれるのか、社員が行う営業活動の結果どれだけの人にどんな幸せをもたらすかを明確にするのは、リーダーの役目でしょう。

それが、会社としての使命、つまり理念なのではないでしょうか。
理念が、社員を動かす原動力となるというのはこういう事だと私は考えています。

なのに、残念ながらほとんどの企業の理念は、単なるお題目です。
そこにそもそも経営者がコミットしていない事さえあるでしょう。
また、理念という名目ではあるものの、実際は「行動」レベルの視点しか持ち得ていないケースもしばしば見受けられます。

 

経営者やリーダーは、個々人のニューロロジカルレベルを見抜き、会社全体のニューロロジカルレベルを高めていくことが役割の一つです。

ぜひ、NLPプラクティショナーコースで、このニューロロジカルレベルについて学んでみてください。

 

*ニューロロジカルレベルには、さらに「スピリチュアル」の層がありますが、今回はその説明は省いております。

 

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