「潜在意識」って言葉、ご存知ですか?
多分、検索でこのサイトに訪れる方ならご存知と思いますが、簡単に説明しておきますね。
人の意識には大きく分けて二つあります。(実は学術的にはさらに別の層がありますが、話がややこしくなりますので2つという前提で進めます。)
一つが、顕在意識(けんざいいしき)。
もう一つが、潜在意識(せんざいいしき)。
顕在意識というのは、自分でわかっている状態の意識といえます。
普通、人は何か行動にする前に、頭の中に「〇〇しよう。」という意識が現れます。
たとえば、「そろそろお昼だから、昼食を食べに行こう。」と頭で考えたとすれば、それは顕在意識といえます。
なぜなら、自分でわかっている考えだからです。
もう一つの潜在意識というのは、どういうものでしょうか。
それは、自分ではそんなつもりはないけど、自分の認識してない部分にある意識の事です。
無意識と表現したほうがピンときやすいかもしれません。
たとえば、いきなり見ず知らずの異性があなたに抱きついてきたら、すかさず手で制止するとか、身体をよけるとかいう行動を反射的に行うのではないでしょか?
まさに、無意識によけた、という事ですね。
この時「あ、まずいことが起こりそうだから、よけろ。」と頭の中で命令を下したわけでなく、考える前に動くはずです。
そういった行動をつかさどるのが潜在意識といわれています。
この潜在意識、思った以上に現実世界では活用されています。
たとえば、自動車の運転。
初めて運転したときは、「ミラーよし、巻き込みよし、ウィンカーつけて、ハンドル回して・・・」なんていう風にマニュアルに書いてあることを頭で復唱したりしてるものです。
しかし、少し慣れてくると、「左に曲がろう」と思った瞬間、意識しなくとも安全確認をし、左折の動作は全く意識せずともできてしまっているはずです。
潜在意識は、仕事が早いのです。
初めてあった人との第一印象というのも、この潜在意識がフル稼働で仕事をします。
目の前にいる人の特徴を目でとらえると、過去の記憶を検索し、その特徴と似た人間が記憶にいないか探ります。
検索結果が出たときには、記憶の中の人との思い出をさらに検索します。
その過去の思い出と、目の前の人を重ね合わせて、目の前の人を評します。
この人は、信用できないような気がする・・・
この人は、優しそうな気がする・・・
このように、第一印象というものの多くは、潜在意識の検索エンジンのなせる業だという説があるようです。
実は、潜在意識は、こういった記憶の検索だけではなく、もう少し毛色の違った機能も持っているといわれます。
それは、その人自身を守るための機能です。
毎日の会社の通勤の道。
特に意識をしなければ、毎回同じ道を通るはずです。
それが一番便利だから、という事もあるのでしょうが、自ら「今日は違う道を歩こう」と意識しなければほかの道を通ることはしないでしょう。
携帯電話で会話しながらでも、考え事をしながらでも、その道を通るように人間はできています。
それは、過去に通った道であり、既に知っている道であるから、潜在意識は安全だ、という判断をしているのです。
この潜在意識は、基本的に自分自身を危険にさらさないための機能です。
だから、いつもと違う事をしよう、新しいことを始めよう、というときにはなんだかよくわからないものの、何かストレスを感じるわけです。
それは潜在意識が、「いつもと同じことをしようよ、変に変えると危険があるかもよ?」というメッセージを発しているのです。
さて、私たちを守ろうとするこの潜在意識も、実は万能ではありません。
たとえば、海外ではこんなことがありました。
地下鉄火災が起きたのです。そこそこ人が乗っている地下鉄で、車内はみるみる煙がはいり、普通に判断すればそこにとどまることは危険です。
しかし、その火災事故では誰一人逃げようとしなかった。
ほとんどの人が、シートに座ったりしたまま亡くなっていたといいます。
これは、誰もが異常を察知していたものの、誰も逃げようとしなかった。
その様子を見たとき、乗客の潜在意識はきっとこう判断したのでしょう。
「みんなが逃げていないから、自分だけが騒ぎ、逃げ惑うのは危険。動かないのが得策だ。」と。
結果、多くの方がなくなられたそうです。
つまり、潜在意識は万能ではない。
ただ、傾向として言えるのは、「今まで経験のないことはさせない」という方向で働くようです。
これは言ってみれば、赤ん坊が身を守る術といえるでしょう。
熱いものを触れば熱い事を知り、それを二度とさわらないようにする。
イタズラをすれば、親から叱られ、嫌な思いをしたくないから二度といたずらをしないようにする。
高いところから落ちれば痛いから、二度と高いところに近寄らないようにする。
そうやって、主人の身を守っているのです。
ここで、一つの実験をしてみて頂きたいのです。
まず、まっすぐ立って前屈をしてみます。
ゆっくり、勢いをつけず、無理のない範囲でOK。
その時どこまでねじれたか、チェックしておいてください。
その後、目をつぶってイメージの中で自分が同じように前屈する姿を想像してください。
実際に体を動かす必要はありません。
イメージだけで前屈する。
イメージには限界がないので、どこまでも折れ曲がり、指先が床にのめりこんでもまだ曲がる。
それこそ、頭が床についても楽々、という感じのイメージもいいでしょう。
そこで目を開けて、もう一度実際に前屈する。
すると不思議、初めに前屈した時よりぐっと良く曲がりませんか?
これもまた、潜在意識が体を守っているのです。
人の身体能力を常に100%発揮させると、さすがに体はオーバーヒートしてしまいます。
だから、常に機能を抑えているわけです。
身体に無理させないように。
しかし、たとえイメージの中でも、「もっと曲げられるよ」という経験を潜在意識にさせると、身体自体もリミッターが外れるのです。
さて、話を元に戻しましょう。
この潜在意識は、不器用に私たちを守ってくれています。
危険に立ち入らないように、身体の機能を使い切らないように。
確かに赤ん坊のころなら、思慮分別もないのでこういった本能的な機能で守られなければ生きていけません。
しかし、あなたは恐らく、もう立派な大人です。
出来ること、出来ないこと、やったら危ないことはちゃんと顕在意識で考えられるはずです。
もはやこの機能は、あなたの前進を妨げる機能に成り下がってはいないでしょうか。
とはいえ、潜在意識は我々人間の行動の90%以上を牛耳っているといいます。
それをコントロールすることが、非凡な成果を上げる秘訣といわれるのは前屈の実験でもわかるとおり、潜在意識の使い方が非常に重要といえるでしょう。
カンタンな話、「私にはできる、私にはできる」と念仏のように唱え、上手く出来たイメージを心に描くだけでとんでもないくらい成功確率が上がるのは、試していただければわかる話です。
世の中では「潜在意識」をスピリチュアル的な話と結び付けて語られることが多いので、疑心暗鬼になる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そのポテンシャルを活用する方法は、間違いなくあるといえます。
NLPという心理学は、その潜在意識にアクセスする技術が多く含まれているのです。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士