急ぎの仕事が溜まっているときに限って机の掃除をしたくなる心理

○日までに資料を準備しなければならない。
わずかな期間でこの仕事をやりきらなければならない。
締め切りがある仕事なのに、一向に進まない。

こんな時に、なぜか余計なことが気になる。
例えば、机の上を整理したくて仕方がなくなったり、
日頃は気にも留めないのに急にギターが弾きたくなったり、
長い間積みっぱなしだった資料が気になったり。

 

私の場合、学生時代のテスト前にこんな行動をとりがちでした。
今もまた、早く仕上げなければならない資料があるのに、このブログ書いています(笑)

 

これを、セルフ・ハンディキャッピングと言います。
余計なことをやって、
・準備する時間がなかった
・忙しすぎた
などという自分に対する言い訳を作っているのだと言われています。

能力の問題ではない、と自分を納得させたいのでしょうね。

 

とはいえ、自分に言い訳ができようが、出来まいが、出てくる結果は同じ。
出来れば避けたいところですね。

 

テストの場合はともかくとして、仕事に関しては必ずしも、セルフ・ハンディキャッピングとは言えないような気がします。たとえば、シンプルに表現するなら現実逃避ですね。
向かい合いたくない仕事から、目をそらすという行為。
どちらかと言えば、こっちの方が多いのかもしれません。

 

こういったときには、ちょっとした息抜き・気分転換というのは有効だと思います。
一定時間仕事から離れて、頭を切り替えてもう一度立ち向かってみる。
こういう時に瞑想や、ヨガというのは硬貨があるものだと思います。
スティーブ・ジョブズやGoogleが瞑想をすすめているのは有名な話ですが、煮詰まったときにはとてもいいと思います。

 

また、締め切りがある仕事というのは、やはりストレスを呼び込みます。
ストレスは短期的なものであれば、脳を活性化させるスパイスでもありますので、しっかり向き合ってみるというのが大事な時期もあるでしょう。

 

どんな形であれ、ちょっと気がそれたな・・・
そういうことをまずは、自分で感じ取ることが大事なのではないかと思います。
そういったときに、いっその事気分転換として、掃除をしてみるのもアリですし、
ちょっと外を散歩するとか、違う仕事を少しの時間やってみるとかは、一つの解決策ですね。

もちろん、キチンと元の仕事に戻ってくるという前提ではありますが。

 

もし許されるなら、その日でかたずけてしまおうと出ず、明日の朝いちばんにやってみるというのもお勧めです。朝の脳の状態は、クリアな状態なので朝の重要な時間を使ってかたずけていくというのも試してみてください。

そういう意味では、朝一番の時間の使い方はとても重要です。
つまらない作業に費やす事より、創造的な仕事に充てるよう工夫してみてください。

NLPを学ぶと、無意識にやっていたことを意識的に感じ取ることができるようになります。(もちろんそういう意識を持ち続けていれば、という話ですが)
そうすると、身体の使い方、頭の使い方を、論理的に理解し、考えていく事が可能になります。

ただ、ぼんやりと「やる気が出ないなぁ」ではなく、なぜやる気が出ないかがわかります。
そうすると対処する方法もある程度は明確になってきます。
そうやって自分の心や体と上手く付き合っていく方法、つかみ取れるといいですね。

では、わたしも、そろそろ元の仕事に戻ります・・・

 

行動心理捜査官・楯岡絵麻

9月に入って、一気に涼しくなってきた感じがします。
私は、秋と言えば、読書の秋。
年がら年中、ビジネス書や専門書ばかり読んでますが、
この時期ばかりはなぜか小説を読むんです。

 

そこで、たまたま本屋さんで平積みになっていたこの本、手に取ってみました。

ストレンジ・シチュエーション 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

 

あらすじはシンプルで、いわゆるサスペンス系なんですが、
登場人物が面白い。

行動真理捜査官 楯岡絵麻、つうしょうエンマ様が主人公。
なぜ、美しい女捜査官がエンマ様なのかというと、名前もそうなのですが、
100%自供を引き出すという豪腕だから。
このエンマ様を前にすると、ウソが付けないのです。

 

本書の中でしきりに繰り返されるのは、「マイクロジェスチャー」と言われる行動。
嘘をつこうとして、首を横に振ってもそのまえに、小さなうなずきがあるというのです。
その理由は、本音を語る脳と、ウソをつこうとする脳では、本音を語る脳の方が1/5秒反応が早い。
だから、頭でウソをつこうと考える前に、とっさに早い反応をする脳(大脳辺縁系)が即座にうなずいている、というのです。
その小さな仕草を見落とすことなく、捉えることで相手を追い込んでいく、という心理戦。
これがなかなか面白い。

 

エンマ様が使う、ウソを見抜く方法や、相手の信頼を勝ち取る方法は、NLPと共通する部分もあります。

 

著者の略歴を見ると、本格的に心理学を学んだわけでもないようですが、心理学の世界の対価の引用があったりと、相当勉強しているようにも見受けられます。こういった行動心理学をより一般的に使いやすくし、体系化したのがNLPと考えると、NLPを理解するのにはわかりやすいのではないかと思います。

 

心理学を実生活で生かすという意味では、こういった小説からの知識というのも、悪くないかもしれませんね。

 

お金と心理学の密接な関係 NLPで紐解くお金の正体

唐突ですが、お金って何だと思いますか?
あまりに唐突過ぎて、驚かれたかもしれませんね(笑)

 

だって不思議じゃないですか。
たとえば1万円札の原価は、20円くらいだそうです。
しかし、日本国内、どこで使っても、1万円札は一万円の価値があるものとして扱ってもらえます。

 

考えてもみてください。
ホンダの普通のコンパクトカー、フィットが1千万円で売っていたとしても誰も買う人はいないでしょう。
何の変哲もない散髪屋さんでの散髪に、1時間50万円の値段がついていてもそんなところで散髪する人はいません。
ファミレスで、30万円のコース料理がメニューにあったとして誰が注文するでしょう。

 

普通は、その価値に応じた値段でしか、私たちは取引しません。
しかし、1万円札はモノとしては20円の価値しかないのに、1万円の価値を認められている。

これは「信用」に裏付けられている、と言われています。
日本のどこに行っても、1万円の商品やサービスと交換できるという信用があるから、1万円札はたった20円のものでも、1万円札として成立します。
逆に言えば、この1万円の価値がある、という考え方が消えてなくなれば、1万円札はただの紙切れです。
使う側が、1万円札だ、と思っていても商品を売る側が1万円の価値はない、と考えれば1万円札は1万円の価値はないわけです。

 

これは、少し大胆な言い方をすれば、国民全体が暗示にかけられているようなものです。
1万円札とは、1万円の価値があるものである、といういわば思い込みです。

 

さて、私たちは、他にも様々な思い込みを持っています。
お金を稼ぐには、汗水たらして苦労しなければならないというのもその一つ。
さらに、「私にはそれだけのお金を受け取る価値がない」という考えも一つです。

たとえば、あなたが何か、他人に親切をしたと思います。
道に迷って困っている人に、道案内をしたとしましょう。
相手の方は、
「とても困っていたので助かった。あなたに感謝の意を表したい」
と1万円札を差し出したとしましょう。

 

これ、素直に受け取るでしょうか?
それとも断りますか?

いやいや、さすがにこれだけで1万円は受け取れない。

そうやって断ったとします。
しかし、相手は引き下がりません。
では、せめて、これを、と缶ジュースを下さったとしましょう。
130円のジュースなら、「それなら遠慮なく」と受け取ることができるかもしれませんね。
これで、あなたの親切に値段をつけるとすれば、130円になったわけです。

 

さて、親切を受けた人は、初めに1万円札を差し出しました。
その人にとって、この親切は1万円の価値があったから差し出したのでしょう。
それは感謝を形にあらわしたものです。
その感謝の気持ちを、受け取ってもらえなかった。

ここにギャップがあります。
親切を受けた人はその親切に1万円の価値を見出した。
しかし、親切した側は130円が妥当だと考えた。
けっか9,870円の差はどこに行ったのでしょうか。

 

この「お礼には130円のジュースが妥当」と考えたのは誰でしょうか?
どう見ても、親切な行いをした人です。
なにしろ、相手はその振る舞いに1万円の価値を見出していたのですから。

じゃあなぜ自分は、この親切の価値が130円だと考えたのでしょうか?
恐らく、特に苦労をしたわけでもないからなのかもしれません。
自分が知っている土地の事を聞かれただけだから、知っている事を答えた。
ただそれだけだ、と考えている事でしょう。

 

ここに、ある思い込みがあります。
NLPでいうところの「ビリーフ」です。
お金は、苦労して稼ぐもの。
こういった信念(ビリーフ)を持っていると、せっかく1万円の評価をしてくれた相手の行為を受け入れられなくなります。

そもそも、そんなに簡単にお金の話にするなよ、という人もいるかもしれませんね。
けど世の中、何かのサービスを受けるにはお金は不可欠です。
ディズニーランドでガイドを雇えば、お金はいります。
夢の国でさえ、お金が基準にあるのですから、現実世界であればなおさらです。
お金がなくてもできる事はありますが、お金のことに囚われているからこの記事を読まれているともいえるかもしれません。

お金の話をタブー視しているとすれば、それはそれで一つの思い込みだと思います。
お金は汚いものとか、お金の話をするのははしたない事だとか。

 

もう少し考えていくと、いやいや、普通道案内をして1万円くれるなんて人、いないでしょ?
と言いたい人が出てきそうですね。

ちょっとたとえが極端だったかもしれません。
しかし、こんな話なら経験はありませんか?

●仕事のステップアップのために、海外でチャレンジしてみないか?
●この要職を君にお願いしたいと思っているのだがどうか?
●こういったセミナーをするのだが、君に講師をお願いできないか?
●会社でこんなチームを立ち上げるが、君が引っ張っていってくれないか?
●こういった資格試験にチャレンジしてみない?

他にもいろいろあると思うのですが、人生の様々なターニングポイントで
「いやいや。私には務まりません」
そういって拒絶した経験はありませんか?

 

実はこれ、差し出された1万円を断り、私の行為は130円にふさわしい、
と言っているのと何ら変わらないのではないでしょうか。

 

「お金」は感謝の証である、という人がいます。
つまり私たちは、人に感謝される事をやればリッチになれるわけです。
ただその時に、目の前に差し出されたお金を拒絶している事が少なからずあります。

それは、自分がそれにふさわしい人間でないとか、
それにふさわしい行動をしたわけではないとか、
相応しい効果がなかったとか。

それを決めるのは、あなたではなく相手です。
なのにそうやって自分を卑下する背景には、自分に自信がないことを示しています。
自分を愛しきれていない可能性があります。

 

ある方は、「お金=自分」と言います。
自分が価値ある存在である、と認められさえすれば、お金は自然とついてくる。
特に近年では、クラウドファンディングなどといったお金を多くの人から集めるスキームも盛んに活用されています。
これによって、いとも簡単に、莫大な資金を調達する人も出てきました。

 

もし、お金の事で悩んでいるとしたら、見直してほしいのです。
あなたは、既に価値がある存在であることを。
そこが揺らぐと、お金に問題が波及してくるのです。

お金は自分。
必要なお金が手に入らないとすれば、自分を認めていない可能性があります。

 

そんな心の中に巣食うビリーフを変えていく。
NLPではそんなワークもあります。
ぜひ、一度学んで頂きたいと思います。

 

「明日やろうはバカ野郎」は本当か? 心理学で読み解くモチベーションのコントロール

割と有名な言葉に、
「明日やろうはバカ野郎」
何ていうものがあります。
なんか熱血な感じですね。

これ、心理学的には本当なのか?
ちょっと考えてみました。

 

たとえば、NLPにおいて、成功において重視される行動パターンはいくつかあります。
その中でもよく言われるのが、大量行動。
とにもかくにも、動け、動け、動け、と。

いくら考え込んでいても、結果が得られることはありません。
動くことで、自分の周囲(人や社会はもちろんですが、空気というか状況)を動かす波を作る必要があります。

最近の傾向として、「引き寄せの法則」といわれる、ちょっとフワフワしたスピリチュアル的な話においても、その起動スイッチとして、行動が必要だと言われることが増えてきています。

 

行動すると、反応が得られます。
やったことが上手くいかないことももちろんありますが、上手くいかない理由がより具体的にわかります。そして、人間は面白いもので、一度やりかけたものは完成させたいという強い衝動がおこります。これをツァイガルニク効果と言いますが、初めは乗り気がしなかったのに、やり始めたらやめられなくなった・・・なんていう経験、ありませんか?

まさにそういう状態で、とにかくやり始めてみるわけです。
すると、フィードバックが得られ、そのフィードバックをもとに行動すれば、よりやる気も出てきますし、成功の予感が近づいてくる人も多いでしょう。

 

だから、NLPを学んだ人は、行動を重視します。
とくに、初めての第一歩。
これをベイビーステップと言いますが、ここに一歩踏み出すことで成功スイッチを起動させます。

 

しかし、なかなか思うように一歩が踏み出せない。
そういう人もいます。
というか、ほとんどの人がそういう状態です。

 

ここで、脳の機能について少し考えてみたいと思います。
実は、脳において、考えたり、決めたりする力は限界があるってご存知でしたか?
そういった機能は、朝起きたときに満タンになっています。
その満タンの状態から、
●今日は朝ご飯は何にしようか・・・
●今日はどんな服を着て外出しようか・・・
●電車で行こうか、車で行こうか・・・
などと選択肢を提示され、決断するごとにそのリソースは減っていく事は実験で明確にされています。

 

たとえば、Appleの故スティーブ・ジョブズやFacebookのマーク・ザッカーバーグはいつも同じような服を着ていませんか?
彼らは、そういった事に脳のリソースを浪費するのを防ぐため、同じ服を何着も持っていて、それをかわりばんこに着ている、という話はよく耳に入ってきます。

 

さて、NLPでとにかく行動せよ、というのはある一面では「考える事」をスキップし、脳のリソースを使う前にまずやってしまえ、という側面があるわけです。

 

ここであるケースを考えてみましょう。
今日はもう夕方。
ある仕事に取り掛からなくてはならない。
それは、単純作業ではなく、ちょっと頭を使わなければならない仕事。
今日やってしまえた方がよいのは良いけど、明日スタートしても何とかなるだろう。

こんなとき熱血漢で、
「明日やろうはバカ野郎」
なーんて言いながら取り掛かる。
これ、非常に効率や判断力が下がる可能性があります。

 

この言葉、あくまでルーチンワークというか、
単純作業を指して言っているんだと思います。
もう勢いだけでできちゃう仕事。
それなら夕方はじめてもオッケーです。

 

しかし、NLP的仕事術としては、戦略なく今始めるより、
明日の朝いちばんですぐに取り掛かれる体制にしたうえで、
明日の朝やる、という事をおすすめします。
それが何かしらの、新たな企画だったり、決断が必要だったり、
創造的な仕事の場合は、ですよ。
そのほうがずっと効率よく、クオリティも高いはずです。

もしよければ、夕方始めた場合と、朝始めた場合で比較してみてもいいかもしれませんね。
そうやって自分なりの仕事の進め方を学んでいくのです。
スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグがそうやって仕事の仕方を作ってきたように。

 

NLPは、数々の心理学上の経験や実験を、戦略的に組み上げるツールです。
私達が今まで意識しなかった、脳の特性や、行動の特性を学び、自分流のやり方を作り上げるベースになります。

スティーブ・ジョブズやマーク・ザッカーバーグがNLPを学んだかどうかはわかりませんが、彼らは彼らのやり方で、自分のパフォーマンスを最大化させる方法を編み出しています。
(スティーブ・ジョブズはマインドフルネス瞑想が有名ですね。)
あなたも、あなたの奥底に眠る本当の能力を開花させるために、NLPを学んでみませんか?

 

休息の価値 心理学的休息の活用法

今年は連休が少ない(笑)
そんな中での貴重な三連休は、いかがでしたか?
仕事だった人もいるかもしれませんし、
海の日という事で海に出かけた人もいるようです。
暑いので山に登った人もいたのでしょうか。

さて、さまざまな過ごし方があるとは思いますが、ビジネスパースンにとって休日とは結構大事なものです。
日頃、仕事三昧な方ほど、ちょっとした休息は大事にしていただきたいものです。
それには理由があります。

 

たとえば、朝から晩まで一つの事に集中して取り組んだとします。
段々と頭の中は、その事でいっぱいになって、脳内の同じ回路を繰り返し使っています。
すると、次第に脳はオーバーヒート。
だんだんと発想力や、集中力が落ちてくるのが、自分でもわかる事ってありませんか?

 

よく言われることですが、例えばニュートン。
万有引力の法則を発見したニュートンは、ぼんやり庭のリンゴの木を見ていた時でした。
アルキメデスが重要な原理を発見したのは、お風呂につかっているときでした。
よくよく考えてみると、重要なアイデアというのは仕事場とは違う場所で発明・発見されます。

 

その理由としてはこんなふうに言われています。
リラックスしている状態と、仕事に集中している状態では脳の使い方が違う、という事。仕事に集中しているときは、左脳が優位ですが、リラックスすると右脳が優位になると言われています。
行ってみれば、仕事中使っていなかった回路にスイッチがはいる、というイメージになるのかもしれません。

 

じゃあ、常にリラックスしていればいいかというと、そういうわけではありません。NLPのワークでもよくやるのですが、「赤いものを探してください。」と脳に指令を与える。すると、脳は一瞬にして赤いものをいくつも検出します。この質問のインプットが重要なのです。

まじめに仕事の事を考えている時間というのは、まさにインプットの時間。
この時に適切な質問を脳にインプットすることで、リラックス状態で右脳が活性化したとき、思いもよらなかったアイデアがひらめいたりします。

 

この、脳への質問のインプットは、キチンとなされれば一度あれば十分。
脳は常にその答えを探し続けます。
その答えを持っているのは、右脳である事が多い(左脳の論理的思考で導き出せるものはそもそも行き詰まることが少ないレベルのものが多い)ので、右脳からのメッセージを受け取る状況が必要です。

だから、休息が大事なのです。

 

とくに、難しい仕事に接しているときこそ、意識して休息をとりましょう。
仕事の事を一旦頭の中から追い出して、ほっと一息をつく時間です。
コーヒーを飲むのもいいし、ぼんやり空や海を眺めるとか、そんなゆったりする時間を過ごすのがおすすめです。

そういうメカニズムを活用している人は、休日最終日の夕方になると早く仕事がやりたくて仕方がない事が多いのではないでしょうか。なにしろ、休日に浮かんだアイデアを、早く試したくてうずうずしているはずですから(笑)

 

褒めるなら今すぐ! 組織のモチベーションを高める心理学的評価のフィードバック方法

世の中、「ほめて育てる」という話をよく聞きます。
実は、NLPの演習などでも、相手を上手に褒めるという事をテーマにしたものがあります。
とはいえ、現実の世界ではよそよそしくなったりして結構難しいものです。

さて、そんな時考えたいのは、褒めるという行為の結果、組織がどうあってほしいかです。
恐らく、社員一人一人の能力を開花させ、高めあい、常にやる気にあふれ、成長していく組織を作る事がゴールでしょう。

 

褒めるという事で得られる効果は大きく二つあるのではないかと思います。
一つ目は、社内のコミュニケーションの活性化。
もうすこしいうと、社員の精神的な安全確保だと思います。

もう一つは、社員自身のモチベーションアップ。
自ら仕事に取り組み、成長しようという意欲を引き出すことです。

 

まず前者に関していうと、いつでもどこでもOKだと思います。
ちょっとイメチェンをしたら、それを褒めるもよし。
頑張ってる様子を見かけたら、それを褒めるもよし。

 

一方、社員のモチベーションアップには、重要なタイミングがあります。
それは、今すぐ褒めるという事。
「あの時、よく頑張ったよね。」
というのももちろん悪くはありません。

しかし、何かの行動を起こしたときに、即座にフィードバックを与えると、モチベーションにつながります。
これは、必ずしも褒めるという行為でなくてもOKな場合があります。
「大丈夫か?」と問いかけることでもいいのです。

どういうことかというと、上司としてあなたの事をちゃんと見ていますよ、というサインだからです。

 

ああ、この人は私の事をちゃんと見てくれている。
それだけで社員は安心し、その期待に応えようとするものです。
しかし多くの場合、良くない部分ばかり見ていて、良い部分を見ていない(もしくは見ていないように見える振る舞いをする)から、信頼関係もできなければ、やる気も起こらないのです。

 

たとえば、スポーツチームは一体になって勝利に向かいます。
応援している人も、その様子を見て手に汗握ります。
それはなぜかというと、行動に対するフィードバックが即座にあるからです。

バッターが打てば、勝ちに近づくことは誰でもわかります。
打った人は、そのフィードバックがあるから、喜びます。

これが会社では、営業が頑張ってたくさんのお客さんを訪問したとしましょう。
それは、”勝ち”に近づく行動です。
しかし、これを褒めてくれる人はほとんどいません。
なぜなら、会社では結果を求められるからです。
実際には結果は水物である事が多いのです。
たまたま大口契約にぶち当たった人が褒められ、コツコツと足で稼いだ人は日影にいる。
これではやる気など出るはずもありません。

ところが、結果を出すには結果につながる行動が必要になります。
その行動を見つけたら即座に褒める。
褒めるというより、労をねぎらうといったほうが適切かもしれません。
そうやって、社員が頑張っている事を上司であるあなたはちゃんと見ている事を示さなければなりません。

 

そのためには、ちゃんと社員の事を知る必要があります。
結局は、振出しに戻る・・・ではありませんが、コミュニケーションが重要となるのです。
そのコミュニケーションを整えるのは、部下ではなく上司です。
そういった事を学ぶことが、今の日本ではとても重要なのではないかと思います。
メンタルヘルスの問題などは、まさにそうですよね。

上司になったら、人の心理を学びましょう。
NLPはその大いなる助けとなるはずです。

立場が人をつくる ~心理学的考証

「立場が人をつくる」とはよく言われます。
経験則として、そういった事があるのはなんとなくイメージできると思います。
これを実験で明確にしたのが、有名な「監獄実験」です。

スタンフォード大学で行われたこの実験は、あまりの残虐性から、6日間で中止されました。
この様子は、映画「es」や「エクスペリメント」などで取り上げられています。

 

実験の内容はいたってシンプルです。
被験者を、監獄の囚人役と看守役にわけ、それぞれの役割を演じさせるというもの。
普通の学生たちが、数日のうちに豹変してしまいます。
看守役の被験者は、その残虐性を高めていきます。
禁止されていた囚人役への暴力が噴出し、独房への隔離、バケツへの排便強要など、普通では考えられない行為を行います。

もちろんこれはやることを強制されたわけでなく、自主的に行っているのです。

結果、複数名が異常をきたし、実験を離脱。
被験者の親族の申し出を受けて、実験は中止されることとなりました。

 

この事からわかることは、人には役割を与えると、その役割を無意識に全うしようという作用が働くという事。
異常ともいえるこの行動を、被験者たちは自ら作り出したわけです。

 

この実験は、人道的な意味でも心理実験の暗部として扱われていますが、これはポジティブな状況でも同じ効果が見られる可能性があります。

 

たとえば、「あなたはリーダーだ」と明確にすれば、その人はリーダーらしく振舞おうという無意識の力が働く可能性は高そうです。
これは全く別の実験ですが、教師に「あなたのクラスは優秀な生徒を集めた」と伝えた(実は、クラスの生徒はランダムに選ばれた普通の生徒たち)時に、クラスの生徒の平均点は大きく上昇したといいます。

これも、教師が、生徒を優秀であるという前提で扱った結果、生徒がその期待に応えたのだと言われています。

 

この事から考えたいのは、あなたは部下をどう扱っているか?という事です。
「あいつは、ほんっとにどうしようもないやつだ」
と思いながら扱うと、部下はどうしようもない振る舞いをします。
「あいつは、優秀な奴だ」
と思いながら扱うと、その部下はきっとあなたの期待に応えようと成長するでしょう。

 

これを、本当の意味での信頼関係というのではないでしょうか。
社員を、あなたが望む状態の人間として扱う。
これは道徳的な意味合いだけでなく、心理学的にも正しい人との接し方です。

 

さて、冒頭の話に戻りましょう。
もうお分かりですね。
立場は人をつくります。
その立場を明確にするためにも、リーダーは立場に応じた接し方をその社員に行わなければならない。

そうすることで、彼らはあなたの期待に応えようとします。

 

このカラクリを知れば、あなたがどうふるまうべきかが見えてくるのではないでしょうか。

やり続ける工夫 心理学で解明!

会社の中で、こんなことをやろう!
そうやって始めたこと、続いてますか?
いい習慣を始めよう!
そうやって始めたこと、続いてますか?

 

はじめたことのうち、3か月続くものはいくつ残るのでしょうか。
最近割と注目されているのが、
「やり抜く力」
と言われています。

 

ある調査によると、成功者の条件として最も重要だったのが、
物事をやり遂げる力だったという事だそうです。
考えてみれば、イチロー選手なんて、まさにそんな雰囲気ですよね。
誰でもできる事を、誰もできないくらいやりこむ。
シンプルすぎるのですが、それができない。

 

じゃあ、この継続する力を持続するにはどんな工夫ができるのでしょうか。
決定打があるか?といえばなかなか難しいですが、小さな工夫の積み重ねが効くのではないかと思います。

 

たとえば、フィードバック。
物事をやったときに、その成果が即座に認められる。
これはとても重要です。

たとえば、営業なんかだと、販売活動をしてすぐに売り上げにつながると嬉しいですよね。
しかし、なにかを販売しようとしても、お客さんが全く反応してくれなければ困ってしまいます。
一件一件の販売活動においては、即座に結果が出ます。
一方、社内的には例えば、1か月の成績をみて評価がなされます。
1か月先では遅すぎるんです。
その日のうちに、リーダーが褒めてあげないといけません。

それも「結果」に対してではなく、「行動」に対してです。
さらに気を付けたいのは、「誰かと比べて」ではなく、「昨日のあなたと比べて」どうか、
という事にフォーカスします。

 

こういった小さなリーダーの語り掛けが、社員のモチベーションをアップさせ、
行動を持続させようという思いに火をつけます。

 

では、リーダーはこういった行動をどう続けるか。
これは、褒めるという行動を、何かにアンカリングするといいと思います。
たとえば、営業社員が返ってきたら必ずかける言葉を決めておく。
営業社員が部屋に入る、という刺激に、あなたが声掛けするという動作をアンカリングするわけです。

時報でも何でもいいのですが、自分なりの合図を決めて、習慣にすると無意識にそのような行動ができるようになります。

 

物事を継続させるのは、実は意志の力というより、
仕組みづくりなのです。

 

その仕組みのカラクリを知るには、NLPという心理学は非常に有効な手段の一つです。

営業に心理学を使うのは善か?悪か?

営業に心理学を使う。
こう表現すると、未だに顔をしかめる方がいらっしゃるのも事実です。
なんだか洗脳みたい・・・
ちょっと人をコントロールするみたいでいやだな・・・
なんて考える方も少なからずいらっしゃるのでしょう。

 

ただ、意識するとしないとにかかわらず、ビジネス上では誰もが心理テクニックを使っています。
たとえば保険の販売の現場を見てみましょう。

・入院すると、これだけの費用がかかる。
・さらにがんの治療ではこんなにも抗がん剤費用がかかる。
・その間、収入が途絶えたらどうしますか?

色んな言葉を使いますが、形としてはお客さんを恐怖のどん底に突き落とすところから入ります。火事があったら、自動車事故がおこったら・・・。
そんな風にして、お客さんに恐怖心を抱いてもらいます。

 

その上で、商品説明に入るわけです。
このがん保険なら・・・
この火災保険なら・・・
という風に。

 

この流れ、どこかで聞いたことがありませんか?
たとえば、ここで怪しい壺をだしてきて、
「これさえ買えば、あんしんです。」
と言ってしまえば、怪しげになってきます。

 

解決策として、保険という社会に認められた商品を出すか、
社会に認められていない特殊な価値を持った商品を出すか、
その違いしかないわけです。

 

それをかたやセールスといい、かたや悪徳商法という。
こういうと叱られるかもしれませんが、両者でさほどの違いはないわけです。

 

じゃあ、逆のパターンを考えてみましょう。
顧客のAさんは、かなりがんになる確率が高そうだ。
子供も小さく、奥様は専業主婦。
この人にこそ、がん保険は必要だ、と考えます。

それをストレートに、Aさん、あなたには絶対このがん保険が必要です。
だからどうか、検討してみてください。

 

Aさんは、首を縦に振りません。
しかし、営業マンは必至です。
誠意をもっている(つもり)で、Aさんに「頼むから話をきいて」と懇願します。
何度も電話を掛けたり、訪問したり。
当初は、相手にしてくれたAさんも愛想をつかし、「二度と来るな!」とドアをぴしゃりと占められてしまいました。

Aさんはこの時以来、「保険屋」と聞いた途端、どんな相手にも心を閉ざしてしまいました。
なぜなら、保険屋はしつこい、というレッテルを貼ってしまったからです。

 

この営業マンは、今後当面、Aさんが保険の話をきく機会を奪ってしまいました。
営業マンが心理学を知っており、Aさんの心理変化を知っていれば、Aさんは保険に入ったかもしれません。
しかし、今後数年間、Aさんが保険を検討する機会を奪ったのです。

 

暫くして、Aさんにがんが見つかり、多額の治療費が必要となりました。
件の営業マンは「ほらみろ、いわんこっちゃない。」というかもしれません。
しかし、その状況に追い込んだ責任の一部は、その営業マンにあるのかもしれません。

 

もし、この営業マンに、心理学の知識があったら。
ただがむしゃらに正面からAさんと向き合うのではなく、Aさんがどんな心理変化をたどってモノを買うのかを知っていたら。
Aさんがどんな価値観に反応するかを知っていたら。
Aさんは今頃、保険に助けられていたのかもしれません。

 

営業における心理学は、お客さんの判断能力を失わせて販売する能力ではありません。
お客さんが心を開き、忌憚のないやり取りを行うためのものです。
もちろん、自分が良いと思うものを買っていただく方向に心を動かす技術ではありますが、お客さんには判断力があるので断ることは可能です。
催眠術でも、洗脳でもありません。

 

私に言わせればむしろ、あなたとあなたの商品を嫌いになる、Aさんの前に現れた営業マンの方が、社会的悪ではないかと感じています。
極端な考え方に見えるかもしれませんが、業界や商品に対するブランドイメージを毀損する行為に他ならないような気がしますが、いかがでしょうか。

お客様が「お客様」でなくなる 究極のコミュニケーション術

外発的動機と内発的動機~NLP的考え方

論理的な説得、正面からのお願い

「情」で動く人

まんトレも”中の人”も、保険業界に多くの知人・友人がいます。彼らは、保険会社の商品を販売することで収入を得ている人たちです。
この人たちのほとんどが感じている事があります。
「保険会社が、私たちの会社の経営云々を言うと腹が立つ。」
という事です。

どういうことか、具体的に説明しましょう。
保険会社は、代理店(販売店)に対して、販売促進の話をするわけです。もっと頑張って売ってください、と。これが一昔前だとシンプルだったのです。

●とにかく頑張ってやりましょうよ。
●私の立場もあるから、何とかお願いします。

なんていう風に、いわばお願いされて保険代理店は動いたものです。

情に訴えられると、仕方ない・・・と言いながらも動くものなんです。
なぜなら、自分を頼ってくれるからなんだかんだ言ってうれしいのです。

「理」で嫌悪感を抱く事

ただ、情で動く以上は、それに応じた人間関係が必要となります。それを作るのは、営業社員の力量でもあるので、誰にでもできる事ではないのです。そこで、頭のいい保険会社は考えました。「情」という非合理な感情に訴えるより、「理」で代理店を動かそう、と。

彼らは何をやったかというと、代理店の経営分析シートなどを作り、こう言う訳です。「あなたの会社は、この部分が弱い。だからここを補強しなくてはならない。」こういった物言いに、カチンとくる代理店の社長は多いようです。

少し難しい話ですが、中小企業の戦略は、小さな範囲で強みを作るのが定石です。あれもこれもとやっていれば、大企業との競争に勝てるわけがありません。小さい範囲で深いかかわりを持つから中小企業であるからこその価値が出るわけです。

話を戻します。
理詰めの話は、相手の頭を納得させることはできます。確かに反論の余地はないよね、と。しかし、腹落ちすることは難しいのです。やりたい、という衝動を形作りにくい営業推進スタイルと言えます。

「イヤ」から始めるか、「ヤリタイ」から始めるか

NLP的モチベーションの考え方

人の行動の動機は、主に二つあると言われています。
●嫌な事や苦痛から逃げるために行動する
●快楽を求めて行動する
というものです。

どちらかといえば、前者の方が強い、と考えられています。
ならば、前者を使ったほうが行動につながりやすい、と考えがちですがそこには落とし穴があります。

これもNLPで学ぶことですが、モチベーションには別の観点から二つのものがあります。
●外発的動機(外からの刺激に反応して行動に移す)
●内発的動機(内から湧き上がる刺激に反応して行動に移す)
たとえば、外発的動機は、
「これをやらなければ叱られるからやる。」「これをやれば給料が上がるからやる。」
といったものです。

逆に、内発的動機は、
「ワクワクしてやりたくてしょうがない」
といった状態でしょう。

前述の例を当てはめてみると、「理」による説得は、
やらざるを得ない理由が提示されており、その理由をなくすために行動する、
という事になりそうです。

つまり、外発的動機です。

じゃあ、「情」による行動はどうでしょう。
営業の人を助けてあげたいから行動する
という、自発的な行動、つまり内発的動機です。

一見、時代遅れに見える営業スタイルが、人を自ら動かしていたのかもしれません。

外発的動機は寿命が短い

もうひとつ、外発的動機の問題点があります。
外発的動機は、その危機が去ってしまえば、モチベーションも消えてしまうという事です。たとえば、保険会社が「理」で代理店を説き伏せたとします。その時にはいやいやながらもやるしかないか、と思うわけですが保険会社の人間が去った瞬間からモチベーションはどんどん落ちていきます。

逆に、その「危機」は次第に記憶から薄れ、保険会社に対する憤りのような感情だけが残ります。こういった憤りをどんどん積み重ねているのが、保険会社が代理店に対して行っている”営業”なのです。

私たちが社員に課す、営業ノルマもまた同じです。年度末をとりあえずしのげば一気に士気は下がります。4月、5月と緩やかなムードですごして、第一四半期の締めになって慌て始めるシーン、結構あるんじゃないでしょうか。

内発的動機は如何にして発動するか

じゃあ、お願い営業をすればいいのか。
となると、少し短絡的です。
お願い営業が有効になるのは、様々な条件が関与します。
例えば、相手の方が営業担当者に対して、何かしらの好意を持っている必要があります。行為というより信頼関係とでもいったほうが近いかもしれません。全く人間関係のない人の頼みごとであれば、聞けないものの方が多いのですから。

営業に「理」は必要です。しかし、「理」だけで人を動かすことはできません。そこに、「情」が絡まなければ人は動かないのです。
考えても見てください。
報酬を得られる仕事をするのが嫌で会社を辞め、ボランティアにいそしむ若者の事を。
彼らは、報酬の対価として働くという外発的動機に飽き飽きしています。むしろ、報酬がないからこそ、自分の価値を認められる内発的動機が発動するわけです。

で、リーダーである方が、こういった人たちを動かすには、彼らの心を動かさなければなりません。その最短距離といえるのは、「リーダーであるあなたのために働きたい」とメンバーに思わせる事です。その秘訣は、NLPを学ぶ過程で発見できるはずです。実際に多くの方が、部下に対するリーダーシップを強く発揮できるようになっています。

NLPはテクニックというイメージが強いし、それは否定しません。しかし、そのテクニックを超えた先には、人間そのものの本質を理解するプログラムがあります。ぜひともその門をたたいていただきたいと思います。

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