議論が泥沼になる原因とは?

先日、SNSでちょっとしたやり取りがありました。
それは、自己の成長を促す張り紙をした企業を、
「ブラック企業だ!」と批判するコメントが殺到したようなのです。

どこに関心を持つか?

「環境」に依存する人の口癖

上司が無能だから・・・
会社がブラックだから・・・
景気がこうだから・・・
世の中がこうだから・・・

たとえば、営業先の方だったり、部下がこんなことをよく話すとします。
この場合、その方は、「環境」に関心ごとがある、と想像できます。

自分自身の事はさておいて、自分の身の回りに起こる事に目が行きやすい傾向があります。
こういう方にとっては、自分がどうか?という事より、環境が変わることの方が優先順位が高い人、と言えます。

こういった方の特徴として、自分を変えよう、という思いには至りにくい傾向があります。自分は変わることなく、周りが変わってくれることを期待しがちです。
かなしいかな、思い通りに周囲が変化する事はまれです。
しかも、きっと、周りが思うような環境になっても、彼は更なる要求を周囲に求めます。

おそらく、ここに視点を持っている限り、自分では動かず、周りが変わっていく事を期待し続けます。
営業先の担当者が、こういった傾向を持っている場合、責任ある決断を下すケースは期待しにくいと思われます。大胆な提案より、どちらかといえば、当たり障りない提案が無難でしょう。大きな効果より、リスクの低い提案が好まれやすいと思います。
超えるハードルが低くて、担当者が得をする(評価を受ける)情報提供をするのが営業の成功の近道です。

冒頭のSNSで出た批判は、多くの場合、この環境についてを強く意識されている方によるものではないかと推察します。実は、張り紙の内容自体は、「たとえ機材が潤沢でなくとも、平社員も、頭を働かせて工夫しよう」というレベルのものでした。
「環境」に重きを置く人は、工夫するという事より、機材がないのを社員に工夫を押し付けている、というとらえ方をしているのだと思います。

「何をするか?」が口癖の人

景気が悪い、上司が無能、そんな前提があったとしたとき、じゃあ、それに対してどう行動するか?という事を考えるタイプの人もいます。

こんな人が、SNSの張り紙事件をみると、批判する人の言い分が全く理解不能なのです。環境は環境として存在するわけですが、自分は自分。置かれた状況で、何ができるかでしょ?と考えるわけです。

大きく違うのは、環境を注視する人は自分以外が変わることを求めています。
しかし、行動を注視する人は、自分が何をするかを求めています。

ですから、行動を注視する人を上司に持った場合、自分が何をしようとしているかを話せなければ不機嫌になったりします。
また、営業先で、このような人がいる場合、ざっくりした話よりも、具体的な提案が好まれる傾向があるように思います。
ようは、やるか、やらないかを判断するための、詳細の情報を提供する必要があります。

 

比較的、決断の速いタイプが多いので、すぐに結論が出ないとすれば、何かあ障害があるはずです。たとえば、決定権者が他にいて、その人が決めかねているとか、財務的な問題とか。
その原因を探ることを意識してみると、割と素直に話してくれるかもしれません。

部下にこのようなタイプの人を持った場合、非常に伸びる可能性を秘めています。
失敗も増えるとは思いますが、様々な事にチャレンジさせてあげる環境を作るのが上司の仕事かもしれません。

違ったタイプの人の事は理解できない

議論は泥沼になる可能性も

会議などで議論になった場合、環境派と行動派が討議を始めると時に泥沼になることがあります。話の次元がずれてしまうんですね。

なにしろ、環境派は今の状況を事細かに分析し、現実的な話をしようとします。
逆に行動派は、今の状況だからこそ、こういう手を打っていかなければならない、と前進しようとします。

お互い同じレベルの話をしているように見えて、まったく双方のコミュニケーションが成り立たないことが出てくるのです。
しいて言うなら、行動派は環境派の視点を持つことが可能なので、そこに視点を合わせるとやっと会話が成立し始める感じです。

しかし、意識しないと出来ない事なので、そういった思考のステージが人によって違う事を知っておくのは大事なことではないかと思います。

会議などでは、どんなタイプの人がどんな主張をしているかをじっと見ていると、だんだんとその人たちの心の中が見えるようになったりもします。

一般的には行動派が成長する

一般的なお話をすると、環境に囚われる人は、自身の成長は限定的だと言われています。周囲の環境がこうだから、と割り切ってしまうことで、自分に負荷をかけないようにしているからです。

逆に行動派については、環境のとらえ方が環境派の方とは違う事が多いのです。
上司が悪いなら、自分はそれをどうとらえるか、あるいはそれをどう変えていくかを考えます。
上司が無能だから、自分が目立って昇進してやろうという人もいるかもしれませんし、
上司が無能だから、会社を辞めてやれ、と思うかもしれません。
いずれにしても、自分が主体となるので、変化を起こしやすい。
環境が変わるのを待つのではなく、自分の行動や物事のとらえ方を変えることで環境をかえたり使用ともがきます。
けっか、それが経験となり、自己の成長を促します。

もちろん、それがきっかけで手痛い失敗をすることもありますが、それもまた経験の一つ。

意識して変化してみる

環境派にいる人は、自分の変化を意識しないので、何かが動くまでは自分が変わることは少ないと考えられます。
そのままでも不満のない毎日であればいいのですが、そうでない方は、ちょっと頑張って考え方を変えていくと見える世界が変わるかもしれません。環境が悪いなら、自分はどうするのか?という質問を自身に問いかけてみる事が重要でしょう。

そして行動派の方は、実は次のステップがあります。
どんな能力を身に着けていくか?磨いていくか?というレベルです。
行動に方向性を与えていくステージといえるでしょう。

更なるステップはありますが、まずは環境派、行動派の視点を行き来できるようになると、人生が随分楽しくなります。

 

ご自身がどの視点を持たれているかは、NLPの体験講座などでも判定していますので、
ご興味があれば一度お越しください。

 

 

 

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