本は読むものではなく実践するもの

最近、本屋さんにも、心理学に絡む書籍が増えてきました。
これらを読むときに、おすすめな読み方があります。

逆に、こういった本は、ノウハウの宝庫です。
たとえば、つり橋効果ってご存知ですか?

つり橋のような、不安や恐怖を掻き立てる場で男女が出会うと恋愛に陥りやすい、という説があるわけです。
これをみて、へーと思う。
じゃあ、そのうち使ってみよう、と思う。
で、三日もしないうちに忘れてしまう・・・。

これ、よくあるパターンですね。

 

それなりにどこかで使おうと思っているなら、たとえば、観覧車で告白するとか、
ガラス張りの展望台で告白するとか、工夫の方法はありますよね。
このつり橋効果の背景には、人間は心臓が早く鼓動すると、ときめきのドキドキか、恐怖のドキドキか、区別がつかなくなるという考え方があるそうです。
だとすると、心臓がどきどきしていればいいわけだから、ちょっと走ってみるとか、山に登ってはあはあ言ってるときとか。
そういう時に、思いは高まるかもしれないから、初めてのデートで損なシチュエーションを用意するとかいう手もありそうです。

まあ、なんにしても、いろんなシーンを作ろうと思えば作れるわけです。

 

けど、それを活用する人は意外と少ない。
それはなぜかというと、冒頭でお話しした通り、忘れてしまうからです。
人は一つのことに集中すると、他のことから気がそれてしまいます。
そうしているうちにだんだんと集中の対象は動いていき、本を読み終えたころにはどれもこれもぼんやりとしか覚えていない。
つまり、使える状態にはならないわけです。

 

じゃあ、どうすればいいのでしょう。

ポストイットを2色、用意してください。
そこで、本文中でこれは試してみよう!というところにポストイットを貼っていきます。
とにかく今すぐやる、というものを一色目。
ゆとりがあったら試してみたいというものを2色目。
区別していきます。

本に一杯ポストイットが挟まっていくと思いますが、重要度が高いものにピンク色のポストイットを使うとします。
これは枚数をあらかじめ決めておくといいでしょう。
まあ、3枚からせいぜい5枚くらい。
で、読み進めるうちに、その枚数を超えるほどピンク色のポストイットを挟みたいという衝動にかられた時、
すべてのピンク色のポストイットが張られた箇所を読み直し、順位を考えていきます。
最下位のモノは、第二順位のポストイットに張り替える。
そうやって、「やることリスト」のたまりすぎを防止します。

 

一通り読み終えたら、当然、ピンク色のポストイットの箇所だけを読み返し、一番初めに試してみるノウハウをやってみます。
1~2週間、ずっとそれを意識できるといいと思います。
たいてい、すぐに効果が出ると面白くなって、ずっと使い続けます。
けど、効果が見られないと、面白くなくなって投げ出してしまうか、逆に気になって探求してみたくなるかのどちらかです。
そこは思うに任せて、探求したければ、どんどん極めればいいでしょう。

 

最終的に、3枚~5枚のピンクのポストイットを試すころには、本を買った値段くらいの価値は取り返しているでしょうね。
場合によってはもっと深めたいと感じるかもしれません。
そうなれば、他の色のポストイットに関することを試してみる。
まあ、こうやっていくと、たった一冊でかなりの恩恵を感じることができます。

 

本来、一冊の本からとれる情報はたくさんありますが、あれもこれもだと、どれもできずに終わってしまいます。
まずは一つでいいので、何かマスターするよう実行してみる。
実行してみると、うまくいかないこともあったりうまくいくことも体感する。
そこで試行錯誤して初めて自分のモノになる。
そうやっていくと、かなり強い。
自分なりの、心理戦略ができてるはずです。

全部を学ぶ必要はありません。
一冊で一つのことが実践できるようになれば、十分です。
完ぺき主義を目指さず、できることからやる。
そんな感じで読んでみられると、違いが実感できるはずです。

 

個人向けセミナー

やろうと思うけど、一歩が踏み出せない方の処方箋

よし、やるぞ!
そんな風に決心して、何か新しい事を始めようと決めたとします。
しかし、いざそれを始めようとなると、なかなか動き出せない。
ついつい後回しにしてしまう。

そんなこと、ありませんか?

 

たとえば、涼しくなってきたし、フィットネスクラブに入会しよう!と思ったとしましょう。
けど、いざお店に行って手続するとなると、ちょっとしり込みしてしまう。
そもそも、どこがいいのかわからない。
で、気が付けばそんな決心もはるか昔の話になってしまっている。
あーあ、結局何もできてないじゃん、とガッカリ。
自分を責めたりもするんでしょうね。
「俺ってやつは。」「私ってやつは。」

 

さて、こういった決心って、物事を前に進めることは確かにあります。
しかし逆に、固い決心をすればするほど、はじめの一歩が重くなることもあります。
あなたが過去にやったことで、「よくこんなこと、気軽にやったよなー」と思う事ってありませんか?
大きな買い物とか、大変な仕事を受けたとか。
何も考えず、ポンっと思い付きでやる事って、意外とできたりするものです。
逆に、真剣に考えて考えて、調べて調べつくしたものほど、実際には行動にできなかったりすることも多いものです。

 

スタートは軽やかに。
これが、新しい事を始める時のコツです。
フィットネスジムに通うのも、絶対痩せてやる!とか、絶対ムキムキになってやる!とかを目標にするより、ま、とりあえずやってみるか。
そんな感覚の方が続きやすいようです。

 

まずは、入会手続きに行く。
別にできなくてもいいんだけどね。

初めてのトレーニングに行く。
別に無理しなくてもいいんだけどね。

雨の日はどうしよう。
まあ、いやだったらやめておけば?

そんな風に、ちゃんとできなくてもOKである事を自分に許すと、意外と新しい事を始められたり、続けられたりします。
いちいち、罪悪感を抱かない事です。

 

今日いけなかった。
ダメだよなぁ。次回は2回分がんばらなくっちゃ。

あ、今日もいけなかった。
まったく俺ってやつは。

あ、またまたいけなかった。
ホント、どうしようもないよね。

となってくると、段々と行くのがつらくなってくるわけです。
もはや動機は、自分が自分に責められないために行く、となるわけです。
イヤイヤ行くんですから、続くわけもないし、楽しくもない。

 

そんな事を意識してみてください。
すると、気づいた頃には「ずいぶん長い事やってるなぁ」となるものです。

 

例えば、私はあるブログをもう12年も書き続けています。
12年前と言えば、「ブログって何?」という人が大半な時代です。
その時から、ある時期は毎日書いていたし、ある時期は月に1~2回くらいしか書いてないし。それでも別に罪悪感は持たないから、思い立った時にまた書き始めることができます。

けっかとして12年。

これ、例えばブログブランディングセミナーなんてやったら、
12年間ブログを書き続けてきました!
なんていう自己紹介には使えそうですね(笑)

 

とにかく、何が言いたいかというと、新しい事を始める時には、気合いを入れない。
上手くいかなくてもオッケー。
できる事をできるだけやっていこう。
そんな感覚が長続きさせるコツです。

ぜひ試してみてくださいね。

行動心理捜査官・楯岡絵麻

9月に入って、一気に涼しくなってきた感じがします。
私は、秋と言えば、読書の秋。
年がら年中、ビジネス書や専門書ばかり読んでますが、
この時期ばかりはなぜか小説を読むんです。

 

そこで、たまたま本屋さんで平積みになっていたこの本、手に取ってみました。

ストレンジ・シチュエーション 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

 

あらすじはシンプルで、いわゆるサスペンス系なんですが、
登場人物が面白い。

行動真理捜査官 楯岡絵麻、つうしょうエンマ様が主人公。
なぜ、美しい女捜査官がエンマ様なのかというと、名前もそうなのですが、
100%自供を引き出すという豪腕だから。
このエンマ様を前にすると、ウソが付けないのです。

 

本書の中でしきりに繰り返されるのは、「マイクロジェスチャー」と言われる行動。
嘘をつこうとして、首を横に振ってもそのまえに、小さなうなずきがあるというのです。
その理由は、本音を語る脳と、ウソをつこうとする脳では、本音を語る脳の方が1/5秒反応が早い。
だから、頭でウソをつこうと考える前に、とっさに早い反応をする脳(大脳辺縁系)が即座にうなずいている、というのです。
その小さな仕草を見落とすことなく、捉えることで相手を追い込んでいく、という心理戦。
これがなかなか面白い。

 

エンマ様が使う、ウソを見抜く方法や、相手の信頼を勝ち取る方法は、NLPと共通する部分もあります。

 

著者の略歴を見ると、本格的に心理学を学んだわけでもないようですが、心理学の世界の対価の引用があったりと、相当勉強しているようにも見受けられます。こういった行動心理学をより一般的に使いやすくし、体系化したのがNLPと考えると、NLPを理解するのにはわかりやすいのではないかと思います。

 

心理学を実生活で生かすという意味では、こういった小説からの知識というのも、悪くないかもしれませんね。

 

あなたが「やりたいこと」を見つけられない理由

人が行動する最も強い動機は、痛みから逃げることです。
単純な話ですと、熱いやかんをさわってしまったら、とっさに手を引きます。
転びそうになったら、思わず手をつきます。
もうこれは、本能。
自分を守るため、人として、生き物として備わった生きるための機能です。

 

それだけならいざ知らず、私たちは肉体的な痛みだけでなく、精神的痛みを遠ざけようとします。

○○すると、親から(先生や上司から)叱られるから○○しない。

もうすこし応用すると、

○○しないと、親から(先生や上司から)評価してもらえないから、(しかたなく)○○する。

 

学校の宿題、仕事上の課題、家事や、その他の習慣。
よく考えてみると、多くの事が精神的な痛みを感じないために、やっている事ではないでしょうか。
これを「強制」されている、としましょう。
以下に、自分でやると決めた風に見えても、動機の根っこが誰かによる評価や、叱責を避けるためである以上、自分からやろうとしている「自発的」行動ではなく、強制された行動と捉えることができます。

 

今、日常的にやっていること、一つ一つ考えてみましょう。
朝起きてからの動作を見ていきます。
「学校や会社に行かなければならないから」決まった時間に起きる。
「虫歯になる(のがいやだから)」歯磨きをする。
「お腹が空くから」朝ご飯を食べる。

「変な奴と思われたくないから」服を着替える。
「生活のため(お金のため)だから」会社に行く。

 

もうこの時点で、毎日の行動のほとんどが、仕方なくやっていることだらけです。

たとえば仕事。
一昔前は、出世するというのは一大事で、
「お父さんが課長となったよ!」
といえば家庭では大騒ぎしていたようです。
(サザエさんではそんなシーンがあったような・・・)

 

すると、そういう状況を夢見て頑張る。
嫌な状況から逃げるためというより、なりたい状態になるために働くわけです。
すると、少しは仕事にもやりがいが出てくる。
単にこなし仕事ではなくなるわけです。

 

現代人は、「やりたいことを一生懸命やる」という機会が減っています。
妙に大人ぶって、音楽が好きでも「バンドでは食えないから」と自分を抑え、
文章を書くのが好きでも「小説書いて食べていくなんて難しいから」と自分を抑え、
世の中を変えたいと思っても、「自分にできる事なんてわずかだから」と自分を抑える。

 

しかし、世の中のルールを守り、叱られないように暮らすのが上手になってくると、やりたい事さえもわからなくなってしまいます。なにしろ、外からの評価を判断基準にする癖がついていますから。

たとえば、人間嫌いの人がいたとします。
この人は本当に人間嫌いなのでしょうか?
もしかしたら、人一倍人間好きである事も、実は多い。
人が好きだから、人に嫌われたくない。
嫌われないためには、深い付き合いをしないほうがいい。
付き合いを広げないほうがいい。
で、結局付き合いが悪い人になっていくわけです。

 

好きだからこそ、不器用な人、けっこういるんじゃないでしょうか。
こういう人は、本当は人間が大好きでしょうがない。
しかし、人付き合いが苦手という表面的な現実のせいで、自分が本当は人が大好きというのを気が付かなくさせられているわけです。

 

実は、苦手と思っていることほど、実は大好き。
こういう方は結構多いのです。
そこにふたをしていて、その周りをグルグル回っているため、本当にやりたいことが見つからない人が多いのではないでしょうか。

これを心のブロックと言います。
これを打ち砕く第一歩は、そもそもそのブロックがある事に気づくことから始めなくてはなりません。そこにはちょっとしたスキルが必要なわけです。

 

このスキル、いくつかの方法はありますが、NLP(神経言語プログラミング)もまた、非常にそこに役立つスキルの一つです。多くの人が、NLPを学んだ結果、「見える世界が変わった」と感じる理由の一つに、本当の自分を知ることができた、という事があります。

やり続ける工夫 心理学で解明!

会社の中で、こんなことをやろう!
そうやって始めたこと、続いてますか?
いい習慣を始めよう!
そうやって始めたこと、続いてますか?

 

はじめたことのうち、3か月続くものはいくつ残るのでしょうか。
最近割と注目されているのが、
「やり抜く力」
と言われています。

 

ある調査によると、成功者の条件として最も重要だったのが、
物事をやり遂げる力だったという事だそうです。
考えてみれば、イチロー選手なんて、まさにそんな雰囲気ですよね。
誰でもできる事を、誰もできないくらいやりこむ。
シンプルすぎるのですが、それができない。

 

じゃあ、この継続する力を持続するにはどんな工夫ができるのでしょうか。
決定打があるか?といえばなかなか難しいですが、小さな工夫の積み重ねが効くのではないかと思います。

 

たとえば、フィードバック。
物事をやったときに、その成果が即座に認められる。
これはとても重要です。

たとえば、営業なんかだと、販売活動をしてすぐに売り上げにつながると嬉しいですよね。
しかし、なにかを販売しようとしても、お客さんが全く反応してくれなければ困ってしまいます。
一件一件の販売活動においては、即座に結果が出ます。
一方、社内的には例えば、1か月の成績をみて評価がなされます。
1か月先では遅すぎるんです。
その日のうちに、リーダーが褒めてあげないといけません。

それも「結果」に対してではなく、「行動」に対してです。
さらに気を付けたいのは、「誰かと比べて」ではなく、「昨日のあなたと比べて」どうか、
という事にフォーカスします。

 

こういった小さなリーダーの語り掛けが、社員のモチベーションをアップさせ、
行動を持続させようという思いに火をつけます。

 

では、リーダーはこういった行動をどう続けるか。
これは、褒めるという行動を、何かにアンカリングするといいと思います。
たとえば、営業社員が返ってきたら必ずかける言葉を決めておく。
営業社員が部屋に入る、という刺激に、あなたが声掛けするという動作をアンカリングするわけです。

時報でも何でもいいのですが、自分なりの合図を決めて、習慣にすると無意識にそのような行動ができるようになります。

 

物事を継続させるのは、実は意志の力というより、
仕組みづくりなのです。

 

その仕組みのカラクリを知るには、NLPという心理学は非常に有効な手段の一つです。

行動はあなたに必要な情報をもたらす ~NLP的行動の考え方

台風一過、被害などはなかったでしょうか?

 

ビジネスパースンにおいて、会社で必要となる知識以外に勉強している人ってどれだけいるでしょう?
仕事の事だけで精一杯。
朝早くから夜遅くまで、仕事の事で頭がいっぱいで何も手を付けられない。

そんな方が多いのか、会社で学ぶ以外の勉強をする人はごくわずかなようです。
ざっくりいうと、全体の2割以上ではないでしょうか。

 

学ぶといったって、別に資格を取りなさい、とか、
難しい勉強を机に向かってやりなさい、とか言うつもりはありません。
本を読むというのでもいいし、セミナーや研修に参加するのもいい。
どんな形であれ、業務知識以外の勉強をしている人はさほど多くないものです。

だから、そういった事を勉強すると、明らかに差がつきます。
少なくとも知識の面では。

 

たとえば、NLPという技術を学んだとしましょう。
そんなものを学ぶ人は、非常に少ないのですが、この技術はビジネスに直結するものが多い。
代表的なものとして、ラポール(信頼関係)構築ための、
バックトラッキング、ミラーリング、ペーシングなどといったテクニックがあります。
たぶん、社内でそれを使う人なんて、そんなに多くない。
だからあなたは社内でヒーローになれるかもしれないし、後輩の育成にこの知識を役立てることもできるかもしれません。

 

しかし、本を読んだだけでは上手くいくものでもありません。
セミナーで体験しただけでも、効果はピンと来ないかもしれません。
一番大事なのは、セミナー会場を後にして、本を閉じて、実際にやってみる事が重要です。

 

よくあるのが、セミナーに行きまくっているのに人生が変わらないパターン。
それもそのはずで、セミナーで学んだことをキチンと実践していないからです。

実践し始めると何が起こるのでしょう。
実は、疑問がたくさん起こるんです。
ちゃんと学んだつもりだけど、実践レベルでは細かな問題が出てくるものです。
この細かな問題は、実践しなければ永遠に知ることのなかった問題です。

そうやって、一つ一つ対処していく事は、経験値として蓄えられます。
その経験値は、応用力のベースになります。
その結果、あるタイミングから加速度的に成長することはよくあります。

 

つまり
実践→問題→工夫→実践
このサイクルが、人としての能力を高めてくれるのではないかと思います。

 

近年のマネジメントにおいては、上手に失敗して、早く成功に到達する、という考え方が広まりつつあります。ホリエモンの「多動力」ではありませんが、行動による学びは他を凌駕します。

 

色んな所で、「行動」が重視されますが、動かなければ変わらない、という側面だけではないのです。動くことでわかることがあるのです。
小さな一歩、始めてみませんか?

 

 

議論が泥沼になる原因とは?

先日、SNSでちょっとしたやり取りがありました。
それは、自己の成長を促す張り紙をした企業を、
「ブラック企業だ!」と批判するコメントが殺到したようなのです。

どこに関心を持つか?

「環境」に依存する人の口癖

上司が無能だから・・・
会社がブラックだから・・・
景気がこうだから・・・
世の中がこうだから・・・

たとえば、営業先の方だったり、部下がこんなことをよく話すとします。
この場合、その方は、「環境」に関心ごとがある、と想像できます。

自分自身の事はさておいて、自分の身の回りに起こる事に目が行きやすい傾向があります。
こういう方にとっては、自分がどうか?という事より、環境が変わることの方が優先順位が高い人、と言えます。

こういった方の特徴として、自分を変えよう、という思いには至りにくい傾向があります。自分は変わることなく、周りが変わってくれることを期待しがちです。
かなしいかな、思い通りに周囲が変化する事はまれです。
しかも、きっと、周りが思うような環境になっても、彼は更なる要求を周囲に求めます。

おそらく、ここに視点を持っている限り、自分では動かず、周りが変わっていく事を期待し続けます。
営業先の担当者が、こういった傾向を持っている場合、責任ある決断を下すケースは期待しにくいと思われます。大胆な提案より、どちらかといえば、当たり障りない提案が無難でしょう。大きな効果より、リスクの低い提案が好まれやすいと思います。
超えるハードルが低くて、担当者が得をする(評価を受ける)情報提供をするのが営業の成功の近道です。

冒頭のSNSで出た批判は、多くの場合、この環境についてを強く意識されている方によるものではないかと推察します。実は、張り紙の内容自体は、「たとえ機材が潤沢でなくとも、平社員も、頭を働かせて工夫しよう」というレベルのものでした。
「環境」に重きを置く人は、工夫するという事より、機材がないのを社員に工夫を押し付けている、というとらえ方をしているのだと思います。

「何をするか?」が口癖の人

景気が悪い、上司が無能、そんな前提があったとしたとき、じゃあ、それに対してどう行動するか?という事を考えるタイプの人もいます。

こんな人が、SNSの張り紙事件をみると、批判する人の言い分が全く理解不能なのです。環境は環境として存在するわけですが、自分は自分。置かれた状況で、何ができるかでしょ?と考えるわけです。

大きく違うのは、環境を注視する人は自分以外が変わることを求めています。
しかし、行動を注視する人は、自分が何をするかを求めています。

ですから、行動を注視する人を上司に持った場合、自分が何をしようとしているかを話せなければ不機嫌になったりします。
また、営業先で、このような人がいる場合、ざっくりした話よりも、具体的な提案が好まれる傾向があるように思います。
ようは、やるか、やらないかを判断するための、詳細の情報を提供する必要があります。

 

比較的、決断の速いタイプが多いので、すぐに結論が出ないとすれば、何かあ障害があるはずです。たとえば、決定権者が他にいて、その人が決めかねているとか、財務的な問題とか。
その原因を探ることを意識してみると、割と素直に話してくれるかもしれません。

部下にこのようなタイプの人を持った場合、非常に伸びる可能性を秘めています。
失敗も増えるとは思いますが、様々な事にチャレンジさせてあげる環境を作るのが上司の仕事かもしれません。

違ったタイプの人の事は理解できない

議論は泥沼になる可能性も

会議などで議論になった場合、環境派と行動派が討議を始めると時に泥沼になることがあります。話の次元がずれてしまうんですね。

なにしろ、環境派は今の状況を事細かに分析し、現実的な話をしようとします。
逆に行動派は、今の状況だからこそ、こういう手を打っていかなければならない、と前進しようとします。

お互い同じレベルの話をしているように見えて、まったく双方のコミュニケーションが成り立たないことが出てくるのです。
しいて言うなら、行動派は環境派の視点を持つことが可能なので、そこに視点を合わせるとやっと会話が成立し始める感じです。

しかし、意識しないと出来ない事なので、そういった思考のステージが人によって違う事を知っておくのは大事なことではないかと思います。

会議などでは、どんなタイプの人がどんな主張をしているかをじっと見ていると、だんだんとその人たちの心の中が見えるようになったりもします。

一般的には行動派が成長する

一般的なお話をすると、環境に囚われる人は、自身の成長は限定的だと言われています。周囲の環境がこうだから、と割り切ってしまうことで、自分に負荷をかけないようにしているからです。

逆に行動派については、環境のとらえ方が環境派の方とは違う事が多いのです。
上司が悪いなら、自分はそれをどうとらえるか、あるいはそれをどう変えていくかを考えます。
上司が無能だから、自分が目立って昇進してやろうという人もいるかもしれませんし、
上司が無能だから、会社を辞めてやれ、と思うかもしれません。
いずれにしても、自分が主体となるので、変化を起こしやすい。
環境が変わるのを待つのではなく、自分の行動や物事のとらえ方を変えることで環境をかえたり使用ともがきます。
けっか、それが経験となり、自己の成長を促します。

もちろん、それがきっかけで手痛い失敗をすることもありますが、それもまた経験の一つ。

意識して変化してみる

環境派にいる人は、自分の変化を意識しないので、何かが動くまでは自分が変わることは少ないと考えられます。
そのままでも不満のない毎日であればいいのですが、そうでない方は、ちょっと頑張って考え方を変えていくと見える世界が変わるかもしれません。環境が悪いなら、自分はどうするのか?という質問を自身に問いかけてみる事が重要でしょう。

そして行動派の方は、実は次のステップがあります。
どんな能力を身に着けていくか?磨いていくか?というレベルです。
行動に方向性を与えていくステージといえるでしょう。

更なるステップはありますが、まずは環境派、行動派の視点を行き来できるようになると、人生が随分楽しくなります。

 

ご自身がどの視点を持たれているかは、NLPの体験講座などでも判定していますので、
ご興味があれば一度お越しください。

 

 

 

テレアポは新規客と会うための行為ではない3つの理由

相変わらず、テレアポの電話がよくなります。
きっと、電話してくる人たちは、しつこいセールスを受けたことがないのでしょう。
私自身、飛び込み営業の経験があるので、できるだけ彼らを傷つけないように断るわけですが、さすがに度を超えたしつこさにはうんざりすることがあります。

電話をかけてる本人は気づいていないのかもしれませんが、3月になると多くの会社が決算を迎えます。そうすると、決算セールとかいうのをどの業界でもやっているわけです。そういう人たちが、次々とセールス電話をかけてくる。私のもとには、毎日新規の電話セールスが、1日当たり、個人むけ、会社向けを含めると4~5本かかってきます。

さて、この電話セールスというやつは、かけてる本人は意識していないかもしれませんが、相手の時間を奪い取っています。お客さんだって3月が近づくと忙しいのです。どんなに優しい人だって、そんな時に長々と自分都合の営業話をされたらうんざりします。

色んな電話を聞いていると、大抵話の組み立ては同じです。
1.こんなお得な商品があります。

2.近所を回りますのでお時間をください。

といった感じでしょうか。

あまり関心がないとかいうのはお構いなしで、とにかく行くから会え、と言ってるわけです。
これ、シンプルに考えると、
「会うことが目的」
となっているようです。

まあ、私のいた保険業界でも、
「値段は電話では話すな、とにかく会うところまで持って行け。」
なんていう指導がされてましたから、ほかの業界も似たようなものなのでしょう。

しかし、営業の最終目的が、「成約」だとしたら、あまりに非効率ではありませんか?
なにしろ買うか買わないかわからない新規客に、わざわざ交通費や時間をかけて会いに行くのですから。

これって、
やってますアピール
以外の何物でもないような気がするんですが・・・

とはいえ、とりあえずリアルで会うと、その場所からお客さんは離脱しにくくなります。
電話なら、切られてしまえばおしまいですが、さすがに目の前にいる人をシっシっと追い出すわけにもいかない。つまり、お客さんを拘束するためにあうんです。

そうやって力関係をコントロールしようとしても、お客さんはなかなか心を開きません。あなたが売り込みを始めた瞬間、心を閉ざしてしまいます。

ここまでを整理しましょう。
テレアポの目的を、新規客と会うための行為と考えたとき、

  1. 電話で長々と話すことでお客様の時間を奪ってしまう(イライラさせてしまう)
  2. お客様を拘束することが最終目標になってしまう
  3. そのことでお客様が心を閉ざしてしまう

といった、「販売」という望む結果を遠ざけてしまう事になりかねません。

それよりお勧めなのが、「いま、あなたの商品に関心を持ったお客様を探す」というテレアポにすればよいのではないでしょうか。そのほうがあなたの精神的な消耗も少なくなるはずです。

やり方は簡単。
あなたの商品がもたらすお客様にとってのベネフィット(ベネフィットについては過去記事メリットとベネフィットをご参照ください)を2つ3つお伝えする。
そして、それに関心があるかないかを問う。

それだけです。

そのうえで、関心のある人だけを訪問すればいいのです。
このくらいの軽い電話であれば、お客さんの時間ロスも最低限ですから、今回関心がなかったとしても3か月後には関心が出ているかもしれません。数か月に一回ペースで同じリストでかけていけば比較的悪感情を抱かれることなく同じリストを使い続ける事ができます。

ぜひお試しください。

営業を習慣化する

年度が替わり、新年度。
皆様はいかがお過ごしですか?

もう新年度の計画は作られていますか?

 

たいていの営業チームは、毎年同じことを繰り返しています。
4月、5月はちょっとした倦怠ムード。
4月に関していえば3月の活動の残り火があるので、
少しは成績につながる話があるかもしれません。
しかし、5月ともなると絶望的。

とくに、ゴールデンウィークなんていうのがありますから、
稼働日数も少ないですね。
で、6月になってそろりそろりとエンジンがかかり始める。

 

しかし8月になれば盆休み。
あれよあれよという間に年末です。
1月、2月は商売はあまり動きませんし、
3月になってまたエンジンがかかる。

 

もし、そんなサイクルを繰り返しているとしたら、
何かを見直すタイミングかもしれません。

 

というのも、
「やる気」に頼った営業である可能性があります。

営業社員のやる気が出れば数字は出るけど、
やる気がないときは数字が出ない。
こういうパターン、けっこう多いですよね。

 

そこで提案したいのが、活動の習慣化です。
歯を磨くように、毎日何をするかが決まっていて、
一定量の仕事は必ずこなす、という約束。

結果ではなくて、行動を決める、という事です。

 

方法の一つとして、活動をポイント化することが考えられます。
新たな人との出会いは、3ポイント。
既存客との電話や手紙・メールは、1ポイント。
既存客との面談は、2ポイント。

 

その日、帰るまでに必ず既定のポイント数はこなしましょう、と。
もし、夕方の時点でポイントが足りなければ、
ご機嫌うかがいの電話をかけまくればいいのです。

 

こうやって、成果につながった行動が何かを、後で検証してみます。
すると、何をどれくらいやれば、どんな成果につながる、
というのがだんだんと見えてきます。

それを営業チーム全体で持ち寄ってみる。
すると、そのチームの必勝パターンができるのではないでしょうか。

 

大事なことはやりっぱなしではなく、検証する、という事。

 

 

もともと、NLPという心理学も、
経験的に行っていたカウンセラーの技術です。
彼らがなぜ上手くいくのかを、体系化した結果、
NLPという心理学の一分野ができました。

 

同様に、セールススタッフもまた、
売れる人は、売れる行動をしているのです。
その売れる行動が何かを、個人レベルでも多分わかっていません。
だからそれを究明し、チームに広げていく事は、
チームの力量をあげる最短距離です。

 

まずは、リーダーは結果に着目するのではなく、
行動に着目してみてください。

そして、行動量を増やすことに注力する。
さらにその行動の結果を分析する。

営業に「やる気」はいりません。

何をどのように、どれだけやるか。
これが重要なのです。

 

今年度は、早めにかたをつけちゃいましょう。

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