ビジネスで使える心理学は多くあります。
その中でも「ドア・イン・ザ・フェイス」は営業職の人ならかなり使える場面が多いので活用してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事では、ドア・イン・ザ・フェイスについて解説しながら、営業でどんな風に使えるのか具体例を挙げていきたいと思います。
ドア・イン・ザ・フェイスの意味・語源・由来
ドア・イン・ザ・フェイスとは、本来の要求を受け入れさせるために、先に過大な要求をしてその後に小さな要求(本来の要求)をする方法のことです。
人間は大きな要求をされた後に小さな要求をされると
「あ、これぐらいだったらやってもいいかな」
と譲歩するような心理が働きます。
それに、一度要求を断ることによって罪悪感を抱くので、小さな要求まで断っていたら申し訳ないという気持ちにもなるのです。
まさにドア・イン・ザ・フェイスは
- 妥協点
- 罪悪感
を巧みについて方法なのです。
ドア・イン・ザ・フェイスという名前の由来ですが、セールスマンの行動から来ています。
語源は、
shut the door in the face
と言い、「鼻先でドアを閉める」という意味があります。
これは日本語でいうところの「門前払い」と同じ意味と捉えてもいいでしょう。
訪問先でセールスマンがひとまず高い要求をして相手に拒否してドアを閉じようとした瞬間にに顔を突っ込むという動作が元となっています。
何かもお願い事をする時には、まず大きな要求をしてから小さな要求(本来の要求)をしてみてはいかがでしょうか。
ドア・イン・ザ・フェイスの効果を立証する実験
ドア・イン・ザ・フェイスの効果が立証された有名な実験では、社会心理学者のロバート・B・チャルディーニによるものがあります。
1975年に実施された実験で、キャンパス内を歩く大学生が被験者となりました。
キャンパス内を歩く大学生に対して
「非行少年のグループを2時間ほど動物園に連れていくボランティアをしてくれないか?」
と要求します。
これは、学生にとっては何も得しないですし、ハードルの高い要求ですよね。
この要求をのみ込んだのは17%だったと言います。
次に、ドア・イン・ザ・フェイスを使った要求をしました。
「毎週2時間、2年間にわたって非行少年のカウンセリングをしてくれないか?」
と先ほどとはくらべものにならないくらいハードルの高い要求をします。
この要求に対しては全員が拒否したといいます。
この要求の直後に先ほどと同じく
「非行少年のグループを2時間ほど動物園に連れていくボランティアをしてくれないか?」
と頼んだら、50%の学生が承諾したというのです。
同じ要求なのにも関わらず、本命の要求をする前に難易度の高い要求をすることで承諾率が上がったのです。
しかも3倍もの効果発揮しているので、強力ですよね。
ドア・イン・ザ・フェイスを使った営業の具体例
営業の場合、どのようにドア・イン・ザ・フェイスを使えるのでしょうか。
最も分かりやすいところで言ったら値段の提示です。
例えば、マッサージ器を売るとします。
本当は60万円で売りたいのですが、初めはあえて高く言います。
「このマッサージ器は100万円です」
と。
すると、だいたいの場合は
「100万円なんて出せないよ~」
となるはずです。
こういう反応が返ってきたら、すかさず
「60万円ならどうですか?」
と言います。これだと、4割引きですよね。
約半額になるので、お得感が増します。
こんなことをしてしまっていいの?
って思う人は多いでしょう。
ですが、あなたがカフェで飲んでるコーヒーとかスーパーで買っている野菜とか原価の3倍くらい払っているのがほとんどです。
生産者側の人間からすると、これぐらいは普通です。
値段設定というのは、消費者が買ってくれるベストな数字で値付けしていくものですから。
原価とかはあまり関係ないのです。
売れるならその値段で売っていくべきなのです。
これが経済の仕組みでもあります。
少し話は脱線してしまいましたが、初めに高い値段を見せて、安く提示していくというのはビジネスの基本の一つでもあるので、ぜひ活用してみてください。
心理学を使って営業成績を伸ばしませんか
ドア・イン・ザ・フェイスの活用方法について紹介してきました。
自分の営業にもぜひ使えるところは使ってみてくださいね。
心理学にはドア・イン・ザ・フェイスのような営業に使えるテクニックがたくさんあります。
ですが、心理学の知識を学んだとしてもなかなか上手く実践に活用できない人は多い印象です。
それは場数が少ないからです。
実際のシチュエーションをイメージしながら練習する機会を持てば、上手く活用できるようになってきます。
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