習慣の怖さ

当社の事務所には、ドアが二つあります。
一つはお客様用、一つは社員通用口です。
そのうち、社員通用口の調子が悪く、危ないので修理がすむまでは鍵をかけておこう。
社員もお客様用ドアを使って出入りしよう。
そう決めたんです。

その5分後、私は鍵のかかったドアを必死に開けようとしてました(;^_^A
何も考えずに動くと、身体が勝手に習慣に従って動いてしまうんですね。

 

ある、自動車修理工場のスタッフの方に聞いたのですが、彼らも似たようなことがあるそうです。
というのも、同じ自動車でも国産車はウィンカーのレバーが右についています。
ワイパーは左側ですね。

しかし、輸入車は逆。
ウィンカーレバーは左で、ワイパーは右。

 

彼らはプロですから、器用に頭の切り替えができるので、めったなことでは間違う事はないようです。
しかし、考え事なんかをしているときには、輸入車に乗ってるときに、ウィンカーを出そうとして右のレバーを操作することもあるそうです。
ワイパーが、動き出して慌てて気づくことがあるそうです。

 

「身体が覚える」という表現をすることがありますが、まさにそんな状態。
人は、意識していないときは、身体が覚えた通りに動いてしまうんですね。

 

 

さて、こういった習慣は、身体の動きだけではありません。
心の動きにも、やはり習慣というか、クセが必ず出てきます。

たとえば、車の運転をしていて渋滞に巻き込まれたり、乗ろうとする電車が遅れたり。
すると、とたんにイライラしてきたりしますよね。
急いでいるときならともかく、別に急がなくてもいい時でもなぜかイライラ。

 

誰かと待ち合わせをしていて、時間にはかなり余裕がある。
渋滞がなければ、結局は現地で待つことになるのはわかっていても、なぜかイライラ。

 

しかし、時と場合によっては、違うとらえ方もできますよね。
よく、自動車を運転しながら、雑誌を読んだりスマホを触っている人がいます。
安全上、決して良い事ではないのですが、彼らにとっては「渋滞ラッキー」と思えるかもしれません。
電車の遅れだって、遅れてくれたおかげで「読みかけの本が随分読み進められた」と喜ぶ人もいるかもしれません。

結局、起こっている事と、あなたの持つ感情は必ずしもリンクするものではないはずなんです。
しかし、人は「渋滞はいらいらするもの」と考えるクセがついているので、意味もなくイライラしてしまいます。

 

これ、「運がいい人、悪い人」というところにもかかわってきます。
「渋滞にあったおかげで、現地での待ち時間が減ってよかった!」と思える人は、自分の事を運がいい、と言えるでしょう。
「渋滞なんて勘弁してよ。」と思っている人は、自分の人を運が悪いと考えます。
結局、本当のところ、運の良しあしがあるのではなく、事実をどう捉えるかの違いがあるだけだといわれています。

 

こういった思い込みで、あなたは自分を「運の悪い人」と決めつけているのかもしれません。
これってもったいないですね。

 

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