ヒエラルキーとホラクラシー

 

ホラクラシー経営という言葉、ご存知ですか?
いま、非常に注目されているマネジメント手法。

今まで主流だった、ヒエラルキー組織との対比で考えるとわかりやすいと思います。
従来は、組織図がピラミッド型をしていました。
リーダーがいて、中間管理職がいて、一般社員がいる。
組織が階層になっている状態ですね。

一方ホラクラシー組織は、フラットです。
社長も、管理職も、一般社員もまったく階層を持ちません。
そもそも、法的な役員を定める以外に何の社内での上下関係さえつくらない、という徹底した企業もあります。

 

そして多くの場合、ホラクラシー組織は非常に業績を上げています。
だから注目されるのですが、そこへ一歩歩みを進めるには、リーダーにとっては相当な決断が必要です。

 

 

もともと今までの組織というのは、指揮命令系統がはっきりしています。
常に上位の者が正しい判断ができる、という前提で作られている組織です。
だから情報も権限も、上位者が握ります。
そのうえで、決定し、命令をする。

この組織の多くは、規律、ルール、責任といったものが一人一人にのしかかります。
下位者をルールや規律、ノルマなんかで強制して働かせる、という印象が強くなります。
まんトレはここのコミュニケーションを改善することで、性悪説を性善説をベースとした組織に変えることができないか?と頑張ってきました。
なぜなら、「強制」はモチベーションを減退させ、仕事を「仕方なくやるもの」に変えてしまうからです。
近年のうつ病などの増加は、こういった部分のミスマッチから起こっているのではないかと思うのです。

 

一方ホラクラシー組織は、規律やルールはあまりありません。
最低限守るべきものはあるとしても、あれもこれもと指図はないのです。
本人の自主性に任される、ということです。

ある企業に関して言えば、新入社員研修で「入社して仕事を誰かが教えてくれるとは思わないでください」と明言するとか。
新人であったとしても、自分で仕事を創り出せ。
そういう組織もあるそうです。

 

そのためには、会社としてどこに進んでいくかが明確でなければなりません。
なぜなら、単なる作業を創り出しても意味がないから。
会社が何を目指し、どんな社会をつくろうとしているかが徹底的に共有されます。
たとえば、「●●という商品を通じて、世の中から××という不都合をなくす」というミッションを会社が掲げているとすれば、社員はそこに合致した仕事を自ら生み出すというのです。

なぜこのような組織が注目されるのでしょう。
簡単です。
あたったビジネスモデルは、そうそう長くは続かないからです。

 

たとえば、先日、ブックオフが今すごい勢いで閉店しているといいます。
ブックオフが正式に会社としてスタートを切ったのが、1991年。
古本屋というどこかマニアックな世界を一般化し、フランチャイズ展開し、ものすごい勢いで業容を拡大していきます。
そして2018年現在は、2期連続の赤字。

あれだけの勢いのあったビジネスモデルは、終焉か!?と言われています。

 

それが正しいかどうかは別として、今どきは、メルカリが大流行。
手軽に何でも売ることができる時代に、それをブックオフという一つの業者が集約する意味が薄れてきたのかもしれません。
猛烈な勢いで伸びで、その勢いに陰りが見えるまで約30年。
一つのビジネスモデルがもつのはまあこのくらいが限界なのかもしれません。

会社は矢継ぎ早に次のビジネスモデルや、価値提供をしていかなければならない中、「リーダーが物事を決める」ヒエラルキー組織では対応が追いつかない。
そういった事情もあって、今まさに「ホラクラシー経営」というのが注目されているのかもしれません。

 

一人の能力ではなく、会社を一致団結させ、同じ方向に導く。
まずはここからです。

 

出は今会社を運営されている幹部、管理職の方は、こういった社員の持つ能力を引き出すことができているでしょうか?
ある企業の女子社員が私にこんなことを言ってくれました。
「私、会社に●●を提案したんですけど、一笑にふされました(苦笑)」
そのアイデア、これからの時代には絶対にあったほうがいいサービスです。
しかし会社の中には、彼女の感性を理解できる人もいず、笑い話で終了したようです。
他人事ながら、いい才能を飼い殺しにしてるな・・・と思ったものです。

 

さて、いきなりホラクラシー組織を目指さないとしても、会社の経営者や幹部の仕事は社員の可能性を引き出すことです。
そのためには卓越したコミュニケーション能力が必要です。
会社の未来が不安だとすれば、社員と話をしてください。
それが今の経営者のできる第一歩です。

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