世の中、「ほめて育てる」という話をよく聞きます。
実は、NLPの演習などでも、相手を上手に褒めるという事をテーマにしたものがあります。
とはいえ、現実の世界ではよそよそしくなったりして結構難しいものです。
さて、そんな時考えたいのは、褒めるという行為の結果、組織がどうあってほしいかです。
恐らく、社員一人一人の能力を開花させ、高めあい、常にやる気にあふれ、成長していく組織を作る事がゴールでしょう。
褒めるという事で得られる効果は大きく二つあるのではないかと思います。
一つ目は、社内のコミュニケーションの活性化。
もうすこしいうと、社員の精神的な安全確保だと思います。
もう一つは、社員自身のモチベーションアップ。
自ら仕事に取り組み、成長しようという意欲を引き出すことです。
まず前者に関していうと、いつでもどこでもOKだと思います。
ちょっとイメチェンをしたら、それを褒めるもよし。
頑張ってる様子を見かけたら、それを褒めるもよし。
一方、社員のモチベーションアップには、重要なタイミングがあります。
それは、今すぐ褒めるという事。
「あの時、よく頑張ったよね。」
というのももちろん悪くはありません。
しかし、何かの行動を起こしたときに、即座にフィードバックを与えると、モチベーションにつながります。
これは、必ずしも褒めるという行為でなくてもOKな場合があります。
「大丈夫か?」と問いかけることでもいいのです。
どういうことかというと、上司としてあなたの事をちゃんと見ていますよ、というサインだからです。
ああ、この人は私の事をちゃんと見てくれている。
それだけで社員は安心し、その期待に応えようとするものです。
しかし多くの場合、良くない部分ばかり見ていて、良い部分を見ていない(もしくは見ていないように見える振る舞いをする)から、信頼関係もできなければ、やる気も起こらないのです。
たとえば、スポーツチームは一体になって勝利に向かいます。
応援している人も、その様子を見て手に汗握ります。
それはなぜかというと、行動に対するフィードバックが即座にあるからです。
バッターが打てば、勝ちに近づくことは誰でもわかります。
打った人は、そのフィードバックがあるから、喜びます。
これが会社では、営業が頑張ってたくさんのお客さんを訪問したとしましょう。
それは、”勝ち”に近づく行動です。
しかし、これを褒めてくれる人はほとんどいません。
なぜなら、会社では結果を求められるからです。
実際には結果は水物である事が多いのです。
たまたま大口契約にぶち当たった人が褒められ、コツコツと足で稼いだ人は日影にいる。
これではやる気など出るはずもありません。
ところが、結果を出すには結果につながる行動が必要になります。
その行動を見つけたら即座に褒める。
褒めるというより、労をねぎらうといったほうが適切かもしれません。
そうやって、社員が頑張っている事を上司であるあなたはちゃんと見ている事を示さなければなりません。
そのためには、ちゃんと社員の事を知る必要があります。
結局は、振出しに戻る・・・ではありませんが、コミュニケーションが重要となるのです。
そのコミュニケーションを整えるのは、部下ではなく上司です。
そういった事を学ぶことが、今の日本ではとても重要なのではないかと思います。
メンタルヘルスの問題などは、まさにそうですよね。
上司になったら、人の心理を学びましょう。
NLPはその大いなる助けとなるはずです。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士