あなたが見て、赤色とみえるリンゴ。
これ、ほかの人に、同じ色に見えているでしょうか?
たぶん、「赤色だね」というかもしれないものの、
他の人の目にも同じ色が見えているとは限りません。
たとえば、色弱の人は色の見え方が違うかもしれません。
同じ光の信号が人の目から入り、脳で処理されているのですが、
同じように知覚しているとは限らないわけです。
これをある学者は、面白い表現をしました。
人の視点というのは、トレーラーハウスの中から外の世界を見ているようなものだといいます。
トレーラーハウスの周囲には、360度の現実があるわけですが、中の人に見えているのは小さな窓から見える景色だけ。
その景色こそが、私たちが知覚している部分は、窓から見ようとした部分だけ、というのです。
たとえば、先日、私は出張先のホテルで小銭入れをなくしました。
狭いホテルだったので、置く場所は限られています。
だからその周囲を一生懸命探したのですが、一向に見当たりません。
まあ、小銭入れだったので入っていた金額はたかが知れています。
ということで、待ち合わせ時間も迫っていたので、早々にあきらめてフロントにチェックアウトしに行きました。
そこでごそごそやっている間に、ルームメイクのスタッフが走ってやってきました。
「お客様、忘れものです!」
と。
彼女が持っていたのは、まさに私の小銭入れ。
「どこにありましたか!?ずいぶん探したんですけど」
なんて謝意を伝えたうえで聞いてみると、
「ベットのわきにおちてましたよ」
なんていうわけです。
私はそのあたりをずいぶん探したはずなんですが・・・。
これ、きっと何かしらの思い込みがあって、目の前にあるものが見えなかったんでしょうね。
目には、情報として入っているわけですが、私がその情報を活かしきれなかった結果です。
さて、私たちは、たくさんの情報を目にし、耳にします。
しかし、その情報そのものには意味もなければ、価値もありません。
ある神経学者の方の言葉を借りれば、
大事なのは、その情報にどう意味づけするか?
なわけです。
知覚した情報は、分析をします。
たとえば、上司の眉間にしわが寄っている。
これを見て、
「機嫌が悪い」
ととるのも
「窓の日差しがまぶしいのだろう」
ととるのも実は、その情報の受け手にゆだねられています。
仮に機嫌が悪い、と分析すると、私たちは上司に妙な気を使い、心理的に消耗してしまいます。
これは、眉間のしわという情報を、機嫌が悪いと分析し、機嫌を損ねないよう反応した結果です。
しかし、実際のところ、日差しがまぶしいどころか単に癖だった、という落ちもあるわけです。
考え事をしているだけかもしれないし、悩み事があるのかもしれない。
いずれにせよ、私たちは知覚した情報に自分たちで意味づけし、行動を決定しています。
つまり情報に振り回されるわけです。
ここでそういった事態を招かないために何ができるのかを考えてみましょう。
一つは、なぜ、眉間にしわを寄せている人を見たとき、その人を機嫌が悪いと感じるのでしょうか。
多くの場合、自分の外の世界は、自分の内面を映す鏡だと言われます。
もしかしたら、自分の中に、何かしら納得できない感情を持っている可能性があります。
実は、そこを解決しない限りは、その上司との関係だったり、生きにくさを解消する方法がなかったりすることは多い。
特定の情報を目にしたときに、自分がどう反応する傾向があるのか。
これを知ることは、今後の人生にとってかなりプラスになると言えるでしょう。
こんな時に役に立つのが、一つは対外的なコミュニケーションスキル。
そしてもう一つは自分とのコミュニケーションスキル。
NLPはそれを身に着ける方法の一つ。
NLPが多くの人の人生を変えてきたのは、こういったところに理由があるのではないかと思っています。
あなたの変化を起こす起爆剤として、NLPを学んでみてはいかがでしょうか。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士