「何かあったらすぐ上の者を出せ」と言う人の心理とは?~営業・販売現場での本音と対処法~
はじめに:現場でよく聞く「上司を出せ」の背景とは?
販売・接客業をはじめとする顧客対応の現場で、「上の者を出せ」と要求される場面は決して珍しくありません。クレームや要望対応時にこうした言葉を投げかけられると、対応しているスタッフは戸惑いやプレッシャーを感じるものです。
この言葉の裏には、顧客の苛立ちや不安、信頼感の欠如、さらには過去の経験による固定観念など、さまざまな心理が絡んでいます。本記事では、その心理的背景を探りつつ、現場でできる具体的な対応方法について解説していきます。
「上の者を出せ」と言う人の心理構造
「上司を出してほしい」と言う顧客の心には、次のような感情や思考が潜んでいます。
- 納得できる説明を求めている:担当者では判断が難しそうだと感じたとき、より上位の判断者を求める。
- 軽く扱われたと感じた:自分の話を真剣に受け止めてくれていないという不満から、権限を持つ人を求める。
- 過去の経験から学んだ反応:「前回は上司が対応してくれて解決した」という成功体験がある。
- 責任の所在を明確にしたい:言質や後日の対応を求める際、現場の担当では不足だと感じる。
対応がうまくいかないとどうなるか
このような心理状態にある顧客に対し、否定的な態度や機械的な対応をしてしまうと、感情がさらに高ぶり、大きなクレームや企業への信頼低下につながる可能性があります。逆に言えば、対応の初期段階で顧客の心理に寄り添った受け答えができれば、信頼の回復や満足度の向上にもつながるのです。
具体的な対応ステップ
- まずは謝意と共感を示す
「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」と、感情を受け止める言葉を先に。 - 顧客の主張を整理する
「どの点にご不満がございましたか?」と、具体的なポイントを引き出す。 - 選択肢と対応案を提示
「〇〇の対応も可能ですが、いかがでしょうか?」と顧客の主導権を尊重。 - 必要な場合は責任者と連携
「必要に応じて責任者と連携し、責任を持ってご対応いたします」と丁寧に案内。 - 最後は再発防止への姿勢も伝える
「今後このようなことがないよう社内でも共有いたします」と付け加える。
ケーススタディ:実際の現場でのやり取り
たとえば、ある携帯ショップで契約変更に不満を持ったお客様が「上の者を出せ」と要求した場面。
担当者はこう対応しました:「お話の内容、しっかりと伺っております。私の権限内でできる限りの対応をさせていただきたいと思います。もしご納得いただけない場合は、責任者と連携して最善を尽くします。」
この対応により、顧客は「じゃあ、まずはあなたと話を進めてみよう」と態度を軟化させ、結果的にはその担当者の案内で納得して帰られました。
リーダー育成と組織の支援体制
現場対応の質を上げるには、個人のスキルだけでなく、組織としての支援や教育も不可欠です。
- 現場判断の権限付与
- 心理学・NLPを用いた共感力トレーニング
- ケーススタディによるロールプレイ研修
これらの積み重ねが、クレームの初動対応力や顧客満足度向上に直結します。
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28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士