今や時代はITが当たり前になってきました。
そんな背景もあってか、社内でSNSを立ち上げたり、チャットワークやLINE、サイボウズといった、社内コミュニケーションの仕組みを作る企業も多くなりました。
じゃあ、こういった仕組みをつくれば上手くいくのか?
答えはNOです。
巷で取り上げられる事例は、「成功例」です。その成功者は一体どれだけいるでしょうか?
1/100?
1/1000?
1/10000?
どんな確率であれ、成功例は成功例。
これを上手く取り上げることでセールスに生かしているわけです。
ただ、逆に言えば、現実に成功している企業は確かにあるのです。
では、この成功と失敗を分ける要素は、何があるのでしょうか。
それを紐解くために、少し想像してみてください。
会社であれ、何かしらのグループであれ、あなたの言葉がグループ内で配信されます。
そこでは何を言ってもいいですよ、と言われる。
まぁ、わかりやすくLINEでそんなグループを作ったとしましょう。
たとえば、これが会社で作ったグループだとしたら
「今日のお昼は○○というお店でハンバーグランチでした!」
何ていう写真入りの投稿、できますか?
普通なかなかできませんよね。
だって、会社の社員が見てるところに、そんな緩い投稿、許されるとは思えないじゃないですか。
見てるメンバーに「ウザい」と思われそうじゃないですか。
リーダーとしては、そういった気軽な内容でいい、と思っていても投稿する人にとっては勇気がいるものです。
・嫌われないかな?
・怒られないかな?
・ダメ出しされないかな?
そんな風に考えた結果、そんなリスクを冒さないようにするわけです。
つまり、投稿しない。
ある企業が、経営者に届く「目安箱」を設置したそうです。
1か月たっても、2か月たっても、だれも投稿しない。
経営者サイドは、直接発言することはできなくても、書いて投稿するくらいならできるかも、と考えての事でしょう。
さて、こういった施策が上手くいかないのには、明確な理由があります。
それは、心理的安全性が確保されていない、ということです。
何を言っても大丈夫。
どんな主張をしても、皆がキチンと受け入れてくれる。
こういった安心感ですね。
実は、システムであれ、目安箱であれ、それが相応に機能するためには、こういったコミュニケーションの土壌が必要なわけです。けっして、システムを入れたから、目安箱を設置したから上手くいく、というものではありません。
日頃のコミュニケーションから、「大丈夫」という事を体感してもらう必要があるのです。
ある企業では、社長がこの事に気づきました。
社長が積極的に社員とコミュニケーションをとり、ふざけた話もまじめな話も、同様に真剣に聞く姿勢を崩さなかったのです。すると、崩壊寸前だった組織が、一気に一致団結。
今では素晴らしい組織になっています。
システムは、人の営みを助けるものです。
しかし、人の関係性を、人に変わって作ってくれるわけではありません。
リーダーがやるべき仕事は、システムを入れても代理にはならないのです。
だからこそ、リーダーはコミュニケーションを学ぶ必要があります。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士