中小企業経営者の悩みを聞くと、割と多いのが社員に自主性がない、というお話。
たとえば、会議においても、アイデアを出そう!といってもなかなかアイデアが出ない。
それを見た社長はこう思うわけです。
「こいつら、真剣に考えてないな!」
もうすこし場の空気を読むのがうまい社長はこう考えるかもしれません。
会議の場がシーンとしている。
この中で意見を言うのは、なかなか難しいよな。
もう少し会議の場を活発にしたほうがいいな。
しかし、やり方がわからない。
そんなお悩みが多いようです。
さて、まずアイデアが出ないのには理由があります。
それは、どうしても頭が固まってしまっている状態だと考えられそうです。
その原因の一つとして考えられるのがストレス。
人はストレスを感じていると、自由な発想が難しくなります。
後者の、「場」の空気の問題については、社員さんがリスクを感じているのでしょう。
たとえば、こんなことを言ったら叱られるかもしれない。
こんなことを言ったら、バカにされるかもしれない。
こんなことを言ったら、無知・勉強不足と言われるかもしれない。
こんなことを言ったら、却下されるかもしれない。
そんな恐れを感じるから、頭に浮かんだ言葉も口にできなくなってしまいます。
逆に考えてみましょう。
皆が平等な、友達同士の場合はいかがでしょうか。
バカにされるとか、勉強不足とか、却下されるとか、
気にせずに発言できる空気というのがあったりしませんか?
そしてそういう場所では、ちょっとズレた話でも、
遠慮なく言えたりしますから、少し大胆な意見が出ることもあります。
ところで、心理学のある実験では、こんなことがわかっています。
何か解決したいことがあるとき、現実的な意見をブラッシュアップしていくより、
はじめはあり得ない解決策からスタートしたほうが画期的なアイデアになりやすい、
という現実があります。
たとえば、会議において何か問題を解決したいときに、
・できそうなことでなければ発言してはいけない
・無茶な意見は却下
という姿勢をとっていると、画期的なアイデアは出にくくなります。
この状態を緩めるには、本来的には会議の中だけではなく、
常に社内でのコミュニケーションを頻繁にすることが必要となります。
また、社長なり、上司なりが、部下を受け入れる姿勢が必須です。
部下は、この上司になら、何を言っても安全、と感じる状態が必要になります。
それはそれとして努力するとしても、今すぐ会議を何とかしたい。
そういう要望もあるかもしれません。
そんな時には、会議の本来の話とは別に、「雑談」をうまく仕掛ける必要があります。
以前紹介したことがありますが、Good&Newというワークがありますが、それも方法の1つです。
24時間以内に自分に起こった、よかったことや、新しい経験を共有しあうワーク。
大事なのは、全員が、同じ分量だけ、平等に話をする機会を意識するということ。
また、彼らの発言を無条件に受け入れるということ。
これが仕事の話だと、常に受け入れるというのも難しいかもしれないので、仕事以外の話がベストです。
他にもこんな方法があります。
もはや会議を遊びやゲームにしてしまうということ。
解決策を議論したいとすれば、その課題解決に近いことが優秀なのではなくて、
最も面白いアイデアを出した人を表彰する、といったもの。
チーム制にして、アイデアを競わせると面白いかもしれませんね。
ということで、会議の場づくりというのは、結構難しい。
難しい一方で、やれることはけっこうあります。
とはいえ、あくまでその場しのぎで終わらないよう、日頃のコミュニケーションを見直してみましょう。
28歳の時保険代理店業で起業し、保険会社の年間表彰に5年連続で選ばれる会社に育てる。
そのすぐ後、スタッフの半分が一気に会社を辞める事態になり「自分を変えなければ」と発起しNLPや心理学を本気で学ぶ。
『過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる』ことを知り、全国の経営者やビジネスパーソンにもそれを伝えるため、セミナー活動や研修活動をしている。
【保持資格】
全米NLP トレーナー・LABプロファイル®トレーナー
交流分析士・心理カウンセラー・行動心理士