テレビや映画の心理効果を営業に活用する

こういった大型連休の前って、なんだか気ぜわしい。
そんな事はありませんか?
その忙しさの理由は、じつはある心理効果に基づくものかもしれません。

中途半端だと気持ちが悪い

区切りがつくまでは・・・

学生時代には、例えば宿題であったり、就職したら仕事であったり。
何かに熱中して作業をしていると、一定の区切りまではやり遂げたいという思いが沸き上がったりすること、ありませんか?

さっきまで宿題をやる気のなかった子供。
いざやり始めると、話しかけたりすると怒り出すわけです。
「あと1ページで区切りがつくからそこまでやりきりたかったのに!」

他にもいろいろあります。
本を読み始めたらこの章は読み切りたい。
映画をレンタルしてみはじめたら、最後まで一気に見たい。
ご飯を食べ始めたら、途中で席を立ちたくない。

など、いろんなものがありますね。
人は、中途半端で物事を辞めるのが、とっても苦手な生き物のようです。

途中で切れたメッセージ

たまにこんなこともあるかもしれません。
友人からのLINE。
「明日、もし時間があったら・・・」
というところでメッセージが切れてたとします。
あなたは、こう返信するのではないでしょうか?
「時間があったら、何?どうすればいいの?」

そう、続きが気になりますよね。
どうせ大したことないのはわかっていても、一日気になったりすることもあるのではないかと思います。
これをツァイガルニク効果といいます。
人は未達成な事、中断されたことにたいする強い印象を心に残してしまうのです。

盛り上がれば上がるほど効果は絶大

映画の予告編

人は、中途半端なアンバランス状態を、何とかバランスを取ろうと行動します。
その効果を上手く使ったのが、映画の予告編。
ご存知でしたか?
映画の予告編というのは、実際の映画の順番で映像を組み合わせているわけではありません。
順番はバラバラですし、映像とセリフもまったく一致していないものも多いのです。

というのも、予告編の役割は、映画の本編とは違います。
最大の役目は、「続きが見たい」と思えるものにするのが予告編です。
だから、主人公があたかも死んだのではないか?と思わせるような映像とセリフを引っ付けたりしてます。

より衝撃的な展開がこの後にある、という期待感を膨らませつつ、予告編は終わります。
まさにツァイガルニク効果を活用した事例ですね。

この後、女優〇〇の衝撃的事実が判明する・・・。続きはCMの後!

TV番組のCMに入る際のテロップ。
こんな感じのもの、多いですよね。
「衝撃的事実が判明・・・、続きはCMの後」
ってやつです。

これはやはり、CMの後にチャンネルを変えられない工夫ですね。
どうせ大したことない、とわかっていてもついつい画面にくぎ付けになってしまいます。

こうやって見ていくと、この心理効果がどれだけ人を動かすかがよくわかりますね。

営業の基本

まずはお客さんから関心を持ってもらう事

営業という仕事を考えたとき、簡単に言ってしまえば人を動かす仕事になります。
一般的に、上記の映画の予告編や、TVのCM前のテロップはリアルな営業の人ほどの力を持っていません。なぜなら、選択権は100%お客さんが握っているからです。

リモコン一つでチャンネルは変えることができますし、映画の予告編を見たくなければ席を立つことだってできます。
しかし、セールスパースンを前にしては、さすがのお客さんも無言であなたから逃げることはできません。一応、聞く姿勢を作ってはくれるでしょう。
しかし、世のほとんどのセールスパースンの話はつまらないのです。
なぜなら、お客さんの関心のない話を長々とするからです。
あくびを我慢しながらお客さんは「どうやって断るか?」論理的な断りの理由を考えているかもしれません。

実は、最も基本であり、最も大事なのは、まずはお客さんが話に関心をもって頂く事なんです。

話題の選択と話す順序

その際に考えなくてはならないのは、まずは話題の選択。お客さんが全く関心を持たない話から始めてはいけません。まず入り口としては、お客さんが関心を示す話題でなければならないのです。
そのためには、当然お客さんを知ることが必要です。
事前のリサーチであったり、部屋の中を見回してお客さんの関心ごとをイメージする。
さらには、夢中になって身を乗り出しそうな話題を探る質問をするのです。

そして、ある程度コミュニケーションが温まってきたら、順序立てて話すことが必要になります。

「当社の商品は、〇〇といいまして、こんなこともあんなこともできるんです。」

これじゃああまりにも面白くありませんね。

「お客さんが関心を持たれている□□な事を、たった三日で解決できる方法があるとしたら興味はありますか?」
といったように、お客さんに不完全な情報から入っていくというのが一つの方法でしょう。
興味があれば続ければいいし、興味がなければ「今のところお役に立てなさそうですね。」と
潔く辞去すれば、お互いの時間の無駄が解消できます。

エンターテイメントの世界は心理効果を徹底的に研究している

CMや予告編の話でも分かるとおり、エンタメ業界は、こういった心理効果を研究・活用しています。一人一人が営業して「この番組見てください!」なんてできないジャンルですから、どれだけ一度に多くの人を動かすかを考え抜いています。

このテクニックをリアルな営業をしているあなたが使えればまさに鬼に金棒。
せっかくなので、ゴールデンウィークは、
テーマパークでどのような心理効果が使われているか、
映画やテレビでどんな風に人を引き付ける工夫がされているか、
そんな事を意識しながら見てみると、営業に役立つ学びがあるかもしれませんね。

お客様が「お客様」でなくなる 究極のコミュニケーション術

 

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