紹介キャンペーンはなぜ上手く行かないのか?

この時期、いろんなところで紹介キャンペーンなんていうものをやっています。
紹介してくれた人には、〇〇をプレゼントなんてやってますが、これ、上手く行った話を耳にしません。

ある保険会社が、以前、一大キャンペーンを張りました。
ジャニーズの人気タレントを前面に出して、友人を紹介してくれたら非売品のジャニーズグッズプレゼント、なんていうのをやっていたように思います。
すると、やってくるんです。
ジャニーズファンが(笑)

応募用紙を取りに来て、友達同士紹介しあうわけです。
しかし、彼女たちの目的は、あくまでジャニーズグッズです。
ですから、保険加入なんてさらさら関心がないわけです。
全国的にどのような成果が上がったかは聞き及びませんが、ジャニーズと広告代理店に高い費用を払ったキャンペーンのそろばん勘定、ぜひのぞいてみたいものです。

こういった場合、もともと紹介したい人がいる場合は、その背中を押してくれる効果はあると思います。
「そのうち・・・」
なんて思っていたものを、どうせならキャンペーン期間中に、と急がせます。
そういう意味では全く効果がないとは言いませんが、かけたコストほどの効果があったとは到底思えません。

ところで、お客様はなぜ友人を紹介するのでしょうか?
その背景には、承認欲求というものがあるといわれています。

例えば、おいしいㇻメーン屋さんを見つけたとします。
たまたまラーメン好きの友人と会い、そのことを話したとします。
きっと大げさに、そのラーメン屋さんをほめたたえるでしょうね。
この時、ラーメン屋さんを紹介した人には、こんな心のご褒美があります。
「ラーメン好きの友人の役に立てた!」
あるいは、こういったものかもしれません。
「会話の中でヒーローになれた!」

そうやって、自分が認められたことが嬉しいのです。

この承認欲求というものは、誰でもが必ず持っているものです。
では、誰でもが紹介したがるかといえば、そうとは言えませんよね。
紹介してくれる人は次も紹介してくれる可能性があるけど、何十年付き合っていても紹介してくれない人もいるわけです。

ここには、その人の感じる責任というものがあります。
まぁ、ラーメンぐらいなら間違った紹介をしても、責任を感じることはないでしょうが、高額な商品や、めったに買わないものを人に紹介するには勇気がいります。
なにしろ、住宅屋さんを紹介して建てた家が悲惨だったら、大変です。

そういった所をまじめに考える人は、なかなか業者に友人を紹介しようとしません。
家や保険、自動車なんかは紹介が出にくいものといえるでしょう。

さて、巷で行われる紹介キャンペーンは、殆どの場合、この「承認欲求」を満たさないものになります。紹介者の特典ばかり強調しているので、特典目当ての人ばかりが寄ってくるのです。
ですから、これを成功させるとすれば、紹介者以上に、誘われた友達があり得ないほどのメリットを享受できるような設計が必要になりそうです。そうすれば、紹介者は友達に尊敬されますからね。

もし、紹介キャンペーンを組むとか、営業上で紹介を引き出したい、というばあいこういった心の動きが参考になるかもしれませんね。

テレアポは新規客と会うための行為ではない3つの理由

相変わらず、テレアポの電話がよくなります。
きっと、電話してくる人たちは、しつこいセールスを受けたことがないのでしょう。
私自身、飛び込み営業の経験があるので、できるだけ彼らを傷つけないように断るわけですが、さすがに度を超えたしつこさにはうんざりすることがあります。

電話をかけてる本人は気づいていないのかもしれませんが、3月になると多くの会社が決算を迎えます。そうすると、決算セールとかいうのをどの業界でもやっているわけです。そういう人たちが、次々とセールス電話をかけてくる。私のもとには、毎日新規の電話セールスが、1日当たり、個人むけ、会社向けを含めると4~5本かかってきます。

さて、この電話セールスというやつは、かけてる本人は意識していないかもしれませんが、相手の時間を奪い取っています。お客さんだって3月が近づくと忙しいのです。どんなに優しい人だって、そんな時に長々と自分都合の営業話をされたらうんざりします。

色んな電話を聞いていると、大抵話の組み立ては同じです。
1.こんなお得な商品があります。

2.近所を回りますのでお時間をください。

といった感じでしょうか。

あまり関心がないとかいうのはお構いなしで、とにかく行くから会え、と言ってるわけです。
これ、シンプルに考えると、
「会うことが目的」
となっているようです。

まあ、私のいた保険業界でも、
「値段は電話では話すな、とにかく会うところまで持って行け。」
なんていう指導がされてましたから、ほかの業界も似たようなものなのでしょう。

しかし、営業の最終目的が、「成約」だとしたら、あまりに非効率ではありませんか?
なにしろ買うか買わないかわからない新規客に、わざわざ交通費や時間をかけて会いに行くのですから。

これって、
やってますアピール
以外の何物でもないような気がするんですが・・・

とはいえ、とりあえずリアルで会うと、その場所からお客さんは離脱しにくくなります。
電話なら、切られてしまえばおしまいですが、さすがに目の前にいる人をシっシっと追い出すわけにもいかない。つまり、お客さんを拘束するためにあうんです。

そうやって力関係をコントロールしようとしても、お客さんはなかなか心を開きません。あなたが売り込みを始めた瞬間、心を閉ざしてしまいます。

ここまでを整理しましょう。
テレアポの目的を、新規客と会うための行為と考えたとき、

  1. 電話で長々と話すことでお客様の時間を奪ってしまう(イライラさせてしまう)
  2. お客様を拘束することが最終目標になってしまう
  3. そのことでお客様が心を閉ざしてしまう

といった、「販売」という望む結果を遠ざけてしまう事になりかねません。

それよりお勧めなのが、「いま、あなたの商品に関心を持ったお客様を探す」というテレアポにすればよいのではないでしょうか。そのほうがあなたの精神的な消耗も少なくなるはずです。

やり方は簡単。
あなたの商品がもたらすお客様にとってのベネフィット(ベネフィットについては過去記事メリットとベネフィットをご参照ください)を2つ3つお伝えする。
そして、それに関心があるかないかを問う。

それだけです。

そのうえで、関心のある人だけを訪問すればいいのです。
このくらいの軽い電話であれば、お客さんの時間ロスも最低限ですから、今回関心がなかったとしても3か月後には関心が出ているかもしれません。数か月に一回ペースで同じリストでかけていけば比較的悪感情を抱かれることなく同じリストを使い続ける事ができます。

ぜひお試しください。

営業は本当に断られたときにはじまるのか?

そんな本日、ある営業の人がやってきました。
いわゆる飛び込み営業というやつです。

電話でしつこかったので、一旦は断ったのですが、ポストに資料だけ入れていいかというので、許可しました。
すると、(予想はしてましたが)ずかずかと社内にやってきました。
上司を連れだって。

 

もうその時点で、私の気分はむかっと来てるわけですよ。
当然、応接は勧めません。
立ち話です。

 

で、彼らは自分の言いたいことをペラペラと話します。
延々と・・・。
さすがの私も、我慢の限界です。
「ちょっと忙しいので、その辺りで勘弁してください。」
と早々に話を切り上げました。

中には、それでもたじろがない営業もいたりするんですけどね。

 

 

営業って、努力と根性という汗くさい物語が美談とされてるイメージ、強くないですか?
昔、あるトップセールスマンがこんな言葉を残しました。
「営業は、断られたところから始まる。」と。
これを変に曲解して断られても断られても引き下がらない営業マン、ときどき見かけます。

 

逆に考えてみればすぐにわかる話だと思います。
いらない、と言っているのに同じ話をグダグダと語られたら、たまったものではありません。

 

私は、「営業は断られたところから始まる」という事の真意は、お客様の理の声にきちんと耳を傾けなさい、という事だと考えています。売り込みをした際、お客様はいろんな断り文句をいわれます。

ある人は、高いとおっしゃるかもしれない。
ある方は、ここまでのものは必要ないとおっしゃるかもしれない。
ある方は、そもそもこんな商品いらないというかもしれない。

 

そういったお客様の声に耳を傾けることで、お客様が本当に望んでいるものは何かを知るべきだと言っているのだと思います。

 

だから、断られても断られても突進する営業マンではだめなのです。

いくら断っても、退出しない営業マンをあなたは「根性あるやつだなぁ」と認めますか?
恐らくいまどきそんなことはないでしょう。

下手をすれば危ないやつです。
警察に突き出されちゃいます。

 

むかし、そんな営業がまかり通っていました。
例えば、銀行や証券会社は、買ってくれるまで玄関を出ません!という営業、普通にあったわけです。その結果、法律で規制されましたよね。
夜9時以降にセールス電話はだめですよ、なんていうルールがあるのも、迷惑千万なセールス活動がかつては横行していたからです。

 

セールスはもっとスマートでありたい。
そう思うなら、NLPを学んでみるのは一つの方法だと思います。

 

お客様が「お客様」でなくなる 究極のコミュニケーション術

なぜ営業の仕事が人気がないか?

営業はどちらかというと、職種としては人気がない部類に入ると思います。
例えば、「営業募集」と求人を出しても、なかなか来てくれる人はいません。

どうも、営業職って、いつもなにかと闘っているイメージがあります。
まずは、数字と闘っています。
毎月、四半期、1年と、締めのタイミングごとに数字が突き付けられますね。
ノルマというのか、予算というのか、目標というのかは会社によって違いますが、結果はおんなじですよね。とにかく、責任を持たされた数字はやらなければならない。
結果が求められるわけです。

 

とはいえ、どんな仕事でも結果は求められます。
しかしそのほとんどは、やり方は明確なわけです。
そして、基本、自分が頑張れば結果がついてきます。

しかし、営業はそうはいきませんよね。
相手があっての営業です。
しかも、やり方の手順を明確に指導している会社はほとんどないでしょう。

 

営業職にはほかにも闘うものがあります。
それはお客様とのやり取りですよね。
それを”闘う”というのはあまりに不謹慎と思えるかもしれません。
しかし、多くの営業の方って、どうもそんな感じではないですか?

●囲い込む
●契約を”取る”
●落とす

まぁ、営業の現場でお客さんを表現する言葉って、
どうみても闘いですよね。

 

こんな闘いがあって、売り上げが成り立ってる・・・。

そりゃあ、営業なんて職業、嫌になっちゃいますよね。

 

本来的には、営業の人とお客さんは同じ方向を向いているはずです。
実際のところは、そうでもない。
会社として、これだけ売れ!ってノルマが最優先される以上は、どうしても本気でお客様のあるべき状態をつかめないわけです。

お客様はじっくり考えたいけど、会社としては早く結果を出せという。
その間に挟まれた営業担当者は、大変です。
お客様の立場に立とうとすればするほど、苦しくなるんです。
これってまさにダブルバインド(二重拘束)状態です。
そうやって、心を病んでいくんですね。

 

そういう意味では、本来、営業チームはもとより、会社全体が何を優先すべきかを考えなければなりません。営業を鍛える以前の問題です。
会社としての方針がきちんと固まったうえで、どのような営業社員を育てるかを考えなくてはならないのです。

 

そのキーとなるのは、「顧客から始まる。」という考え方です。
営業をしていると、とかく、商品からスタートしがちです。
この商品は素晴らしいから、Aさんに最適ですよ、と。
しかし、大事なのは、そもそもAさんが本当に望んでいる未来はどんなものかを知ることが重要です。

 

そのステップをきちんと歩むことが、営業を楽にする最短距離だと思います。
営業という職種が嫌われるのは、営業という仕事の役割をきちんと決めきれていない事といえるでしょう。

そういった部分をきちんと確定したうえで考えるべきは、営業はいかにお客様のニーズを引き出すかです。そのためには、聞く力を育てていく必要があります。

お客様を知る、ということ。

ある保険会社の社員さんが「データベースマーケティング」なる言葉を発していました。
データベースマーケティングというのは、簡単に言うと顧客情報を活用して、特定の客層へのアプローチ方法を選定していく事です。

その保険会社さんの言い分は、

「30歳代~40歳代のお客さんに医療保険を売りましょう。」

なんていうもの。

 

ちょっとマーケティングを学んだ人なら、アホちゃうか、と思ってしまいます。
実は、販売活動は、マーケティングとセリングに大きく分けられます。
セリングというのは、商品ありきの考え方。
マーケティングとは、お客様ありきの考え方。

 

冒頭の保険会社さんがおっしゃっているのは、翻訳するとこんな感じになります。
「30歳代~40歳代のお客さんは、医療保険に加入できる年齢だし、保険料(掛金)もそこそこ安いのでどんどん売り込んでください。」
という意味でおっしゃっていたように思います。

 

まさに、商品ありきですよね。
お客様ありきの発想ではありません。

 

じつは、お客様ありきの発想って、結構面倒くさいのです。
たとえば、30歳代で小さいお子さんがいる主婦には、はどんな悩みがあるのだろう?と思いをはせます。

  • 近所にいい小児科がない
  • 子供の英会話教室、どうしよう?
  • プールに通わせてるけど今後どうしようかな。
  • 最近ちょっと肌荒れがひどいけど、年のせいかな。

などなど。
ハッキリ言って、入院した時どうしよう?なんていう風に考えている人はごくわずかです。
しかし、小さなお子さんを持つお母さんに、「近隣の小児科リスト」なんてものを作って、しかもそこにはあなたがインタビューした、実際にその小児科を訪れた人の声が載ってたりしたら、お客さん、大喜びじゃないですか?

そして、自然とお子さんの健康の話になりますよね。
お子さんが病気になったら大変なのは、奥様実感としてご存知です。
じゃあ、奥様がご病気になられたとき、どうすればいいでしょう?
保育園を頼る?ご実家を頼る?
そんな話が出るかもしれませんね。

いずれにせよ、自然に保険の必要性を考える話題に行き当たります。

 

そういう展開が上手く行ったとすれば、今度は同じ境遇の人には、同じ提案が刺さる可能性が高いと考えられますよね。実は、データベースマーケティングというのは、分析があって、こういった試行錯誤があって、初めて出来上がるものです。

 

それを単に、こちらの都合で「この商品はこの層に合うはずだ」というのは、ちょっと早計じゃないでしょうか。

 

確かに売りたい商品があるのはわかります。
しかし、やはりお客様の視点から始めなければ、長いお付き合いは望めません。
急がば回れ。
こういった手間を惜しむことなく、仕事に当たっていきたいものです。

 

お客様を疲れさせる営業と元気にする営業

研修って面白いもので、丸一日受けていても疲れないものもあれば、
1~2時間でも疲労困憊になるものもあります。
その違いって何なんでしょうね。

実は、この疲れ、「脳」が疲れてるんだという説があります。
考えてもみれば、じっと座って人の話を聴くだけ。
つまり、身体は全く疲れていないはずなのに、なぜか疲れを感じるのですから。

 

じゃあ、脳はどうすると疲れるかっていうと、シンプルに言ってしまえば、楽しくないときにつかれるわけです。
ゲームや、読書、映画を夢中で見ているとき、「あぁ疲れた」っていうのはあんまりありませんよね。楽しい事に集中していると、脳は1日程度では疲れたりしないんです。

けど、仕方なくやっていることについては、わずかな時間でネを上げてしまいます。

 

さて、あなたが営業をしている現場で、お客様がそわそわしたり、注意をよそに向けていたりした時、あるいはお客様はそんな「お疲れ状態」なのかもしれません。言ってみれば、あなたの話には関心がない、という事です。

意外に多いのですが、それでもとにかく自分の主張をまくし立てる営業マンは、果たして好感度が高いといえるでしょうか?
時間にゆとりのあるお客さまならいざ知らず、忙しい相手であればイライラして、益々話を聴いてくれなくなってしまいます。
私なんかからすれば、そんな営業は時間泥棒です。

 

せっかくお時間を取っていただき、商談を始めたものの、そのまま進めるのは結構リスクが高いと思われます。
そんな時には、少し空気を換えてみたほうがいいでしょう。
大抵、そんなムードが漂うときは、営業がしゃべりすぎてることが多いようです。
であれば、少しお客様にお話しいただくよう、質問をいくつかしてみるとかしながら、お客様のニーズをくみ取っていく必要があります。

 

特に高額商品や、購入頻度の低い商品を営業されている場合、お客様が関心を持った場合には、相応の質問があるはずで、会話のキャッチボールが始まるものです。もし、それがないとしたら、ちょっと方針変更を考えたほうが良いかもしれません。

 

仮に、ここで商談がまとまらなかったとしても、お客様から「アイツは俺の話をよく聞いてくれる」という評価をなされれば、次の面談の可能性はかなり高いはずです。しかし、関心のない話を延々とする営業マンに、また会いたいと思うお客様はあまり多くはないでしょう。
あなたは、
お客様を疲れさせる営業ですか?
お客様が元気になる営業ですか?

 

ちょっとそんなことを意識してみるといいかもしれませんね。

電話セールスの痛い人

さてさて、昨日もまた新たな電話セールスが2つありました。

 

一つは、通信関係大手の名前を語った電話です。
電話を替わると、何が言いたいのかわからない。
通信費の削減の提案という事はなんとなくわかるんですが、
まったく要領を得ません。
しかも、こちらのフリーダイヤルにかけてきてます。

さすがに、礼を失したこの電話には腹が立ちました。
くれぐれも、電話セールスは、お客様のフリーダイヤルには書けないようにしましょう(笑)

 

で、もう一つは、よくあるパターンのコピー機のセールスです。

この電話は、今まで何度かかかってきている会社です。
電話に出ると、簡潔に要件を言うところは好感が持てます。
「コピー機は、数か月前に変えたところですけど。」
と伝えると、
「また折を見てかけます。」
とあっさり。

 

なかには、こんなセールス電話、ダメだろ!
という上司もいるかもしれません。
けど、そんなしつこい電話されたら、こっちは二度と出る気は失せます。
これだけあっさりしてるから、次かかってきても話ぐらいは聞こうと思えます。
で、実際、彼は本当に何か月かに一度、電話してくるんです。

2回目に電話がかかったときは、社名さえ覚えていませんでした。
3回目にかかってきた時は、「聴いたことある会社名だったなぁ」と思うレベルにはなりました。
今後、この会社の名前を覚えるかもしれませんね。

 

ちょっと残念なのは、電話を切る際に
「コピーの事で何かあれば、ご連絡ください。〇〇株式会社の××と申します。」
と言われましたが、電話番号なんて控えてませんし(^^;

 

可能であれば、お礼状、定期的なニュースレターと組み合わせると、
本当に何か聞きたいときに思い出せるかもしれませんね。

 

さて、セールスってなんとなく「即決」がいい、というイメージがあります。
売り切りの安い商品ならそれもいいですが、電話セールスするような商品の場合、
やっぱり信頼関係が必要だと思います。

それは一つ一つの行動の積み重ね。
さらには、お客様にどう動いていただくかの導線設計も必要ですね。
そんな事を意識すると、単なる電話トークのテクニックだけではなく、
仕組化なんてことに取り組んでいく必要性も感じられるかもしれません。

 

そして、はれてお客様とお目に書かれれば、築き上げた信頼を崩すことのないよう、
対面での信頼関係(ラポール)の構築が必要です。
そのタイミングに、努力のすべてを無にしないよう、営業の心理学は学んでおいて損はありません。

YES-BUT方は本当に使えるのか?

夜、やっと仕事を終え、戸締りを終えたころ、その電話は鳴り響きました。
誰もいない、真っ暗の事務所で煌々と光るスマホ画面。
その画面には見覚えのない電話番号。

「はい、中の人ですが・・・」

出ると途端に話し始めます。

 

「突然のお電話失礼します!私、●●トラストの××と申します。」

はぁ、セールスか。
そう思いつつも、要件も言われていないのに切るわけにもいかず、しばらく話を聴いてみます。

 

「実は、すごい物件が出まして。●●地区のマンションなのですが、投資にいかがかと思いまして。」

 

私は答えます。
「あぁ、そういう話、興味ありませんので。」

 

相手は言います。
「そうですか、興味ありませんか。とはいえ、こんな物件、なかなか出ることはありません。」

 

・・・と話は延々と続きます。

きっと彼は、こんな指導を受けているのでしょう。

  • 電話セールスは明るく元気よく
  • 断られたらまずは、同意しましょう。「そうですね。」と。
  • その後、自分の主張を再び行います。

はぁ?って感じですよね。

 

これ、セールストレーニングではよく言われる、YES-BUT法といわれてるものです。

どういうものかというと、まずは、相手の主張・断り文句を受け入れる(YES)
そのうえで、自分の主張を行う(BUT)
という流れです。

 

例えば、こんな感じ。
「そうですね、お客様のおっしゃることはごもっともです。とはいえですね・・・」

これを心理学的に、「相手の主張をまずは受け入れたうえで、自分の主張をすることでスムーズにこちらの主張を聞いていただける」と説明しているようです。
で、皆さん実際使ってみて、いかがですか?
多分、あんまり効果はないのではないでしょうか。

 

たとえば、セラピーの世界では、相手の主張を完全に受け入れることを推奨しています。
基本的に相手の言葉にYESをいい、全身全霊で共感することが重要とされています。
とくに、メンタルが不安定なクライアントに対し、YES-BUT法などというのは、ハッキリ言って使い物になりません。

営業の現場もまた、それと同じくらいの緊張感があるはずです。
相手はあなたをまだ信頼していない状態では、YES-BUT法を小手先で使ったところで何の効果もありません。むしろ、逆効果になる事さえあります。
「そうですね、とうなずいてはいるけど、俺の話、きいてないじゃないか!」
って感じですね。

 

じゃあ、どうすればいいのか。
YES-BUT法の本質は、相手の主張はまず受け入れる。
これは間違いではありません。
しかし、BUTで出す話の内容が重要です。
それは、お客様の主張を真っ向から否定する内容では、まったく意味がありません。

例えば悪い例はこんな感じです。

客「いやぁ、あえて今車買い替えなくてもいいかも。」
営業「そうですね。そうはいっても、そろそろ10万キロをこえるので故障が出てきますよ。」

これ、お客さんの考え方を真っ向から否定してます。
「そうですね」と言っておきながら、ダメ出ししてます。
じゃあ、どうすればいいのかですがこんな感じはいかがでしょうか。

客「いやぁ、あえて今車買い替えなくてもいいかも。」
営業「そうですね、まだ十分走れるいい車だと思います。しかし、今回わざわざショールームまで足を運ばれたのには、何かきっかけがあったのではないですか?良ければお聞かせいただければと思うのですが。」

そうすると、お客様が行動を始めたきっかけを知ることができますよね?
中にはヒマつぶしで、自動車のショールームに来る人もいますが、大抵は何かしら目的があるから行動するはずです。

その目的を改めて明確にすることで、今度はその人が自分の行動を正当化しようとする心理が働き始めます。

 

YES-BUT法は、使い方を間違えると、延々と応酬話法を繰り返すループにハマる可能性があります。
結局、お客様のほうがウンザリして(説得されていると感じるとお客様はそこから逃げたくなる)会話から降りることもけっこうあります。

 

ところで、冒頭のセールス電話。
私は3回目のループに差し掛かったところで、
「これ以上話をしている時間はないので切りますよ。」
と相手が一生懸命はなしているさいちゅうにぶちぎり

映画に見るセールストレーニング風景

日曜日に、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」という映画をレンタルしました。
レオナルド・ディカプリオ主演のドラマです。
簡単にあらずじをご紹介しますとこんな感じ。

中流家庭に育ったディカプリオ扮するジョーダンは、一攫千金を目指してウォール街の証券会社に就職します。しかし、入社ほどなくその会社はブラック・マンデーという株価暴落の憂き目にあい倒産。次の職場を場末の、低所得者層を相手にする証券会社に就職します。

そこで持ち前の営業力で、頭角を現し、ついには証券会社を起業します。
そこに集まった社員は、学歴も経験もない人たちで、ジョーダンは彼らにセールストレーニングを行い、会社を一気に大きくします。

 

そのあとは、ネタバレになるのでお話しできませんが、非常に下品で、型破りな物語ではあるのですが、事実をもとにした映画とのことでとても興味を掻き立てます。

 

さて、一人の営業社員が一人の顧客と対応して初めて売り上げが成立する、というビジネスモデルは決して効率的とはいいがたいものです。営業社員を使うことなく売り上げを伸ばす近年のIT企業の対極にあるスタイルですが、この映画の中では営業スキルで会社がこの世の春を謳歌しています。

 

その中でも注目に値するのが、劇中ではほんの数分でしたが、ジョーダンが何の経験もない社員にセールストークを伝授するシーンでした。やり方はシンプルです。実際のお客様とのやり取りをみんなで聞き、どう対応するかを指導する、というもの。
これをノウハウ化したおかげで、会社は恐ろしいほど短期間で大きくなったのです。

 

正直なところ、劇中のセールスは、道徳的に(というか法的にも)まずい事をやっているのですが、大いにヒントになるのは、営業社員はトレーニングすれば成長する、という事です。
逆に言えば、多くの企業では、営業社員に対するトレーニングが十分ではない、といえるでしょう。
その背景には、「こうすれば絶対売れる」という道徳的に問題のない方法が、今の世の中ではほとんどルール化されていない、という事があるのかもしれません。

 

セールスの現場は、一つ一つが全く違ったシーンです。そこに共通するポイントを探すほうが難しいでしょう。しかし、間違いなく言えることは、相手は人間である、という事だけが唯一の共通点です。それが、法人向けの販売であったとしても、会社はあなたの商品の良しあしを判断できません。それを判断するのは、担当者であったり、担当役員であったりという、結局は「人」が担っているわけです。

 

では、この「人」に共通するポイントはあるのでしょうか?
それを解き明かしたものの一つが、NLPであるといえるのではないかと私は考えています。人は、どんな時、目の前の相手を信頼し、自らをさらけ出すのか。これはある程度までは、解明されています。

何を言うかは、営業会議などで経験をもとに作っていけばいいと思うのですが、それを活かすためには打席に立たなければなりません。打席に立つというのは、たんに自分本位のトークをひけらかすことではありません。相手がきちんと聞く姿勢をもって、あなたの言葉を受け止めてくれる状態である必要があります。

 

それを作り出すのは、NLPの得意分野です。

NLPで、お客様との信頼関係を深めませんか?

 

 

NLP(神経言語プログラミング)とLABプロファイルを同時に学べるコースが募集開始となりました。もし、NLPが気になっている、という方がいらっしゃれば、この機会を逃さずお申し込みください。

メリットとベネフィット

営業やマーケティングで使われる言葉に、
メリットとベネフィット
というものがあります。

メリットというのは、その商品の特長ですね。
・世界で最も薄いノートPC
・充電が〇時間持つスマホ
・洗濯時間が最短〇分で完了
そんな感じですね。

ベネフィットというのはどういうものかというと、
その商品のメリットによりお客さんがどう変われるか?
という事です。

たとえば、
・キャリーバッグのサイドポケットにすっぽり収まるから、手持ちのカバンが不要になるノートPC
・出張先でも充電の必要がなく、肝心な時に電池切れのないスマホ
・クラブ活動で毎日洗うユニフォームも、お風呂に入っている間に洗濯が完了する洗濯機
といった感じですね。

 

売り手にしてみれば、
活用方法なんて、お客さんが自分が考えるでしょ?
なんて思いがちです。

しかし、お客さんって、そういう事、積極的に考えてくれません。
なぜなら、あなたの商品に関心のある人ばかりではないからです。

そんなお客さんに、
世界で最も薄いノートPCですよ!
ってアピールしたって、
「だからどうなの?」
と思ってることが多いのです。

 

1番じゃなくちゃだめですか・・・
なんていう言葉が以前はやりましたが、お客さんからするとそんなものです。
世界で一番であろうが、二番であろうが、そんなに大きな問題じゃないんです。
だってせいぜいミリ単位の違いじゃないですか。

 

それよりも、それを買った自分がどうなるか?
そういうイメージを膨らませてもらうことが大事だと言われています。

車好きの人が、フェラーリを買える!となったら、買う前からフェラーリに乗った自分を想像しているはずです。
さっそうと、ドアを開けて乗り込む自分。
周囲の人から振り向かれる様子。
そんなイメージをありありと浮かべると、欲しくてたまらなくなりますよね。

 

どんな商品も、それを手に入れた自分像をお客さんがイメージできなければ、基本的には財布のひもは開きません。
お客さんが関心を持っているものなら、お客さんは自ら想像してくれます。
しかし、関心のないお客様が関心を抱いて下さるためには、その想像のお手伝いをしてあげないといけないわけです。

 

そのきっかけづくりには、メリットではなく、ベネフィットが必要なのです。

 

ぜひ一度、あなたの商品のベネフィットをじっくり考える時間を設けてみてはいかがでしょうか。

 

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