アンカリングでいつでも最高の状態を ~NLP的実力発揮術

ある方から相談を受けました。
それは、近々、社内でプレゼンテーションをする機会がある。
しかし、あがり症で、キチンと話ができるか不安で仕方がない・・・と。

 

実は、”中の人”ももともと結構なあがり症の赤面症。
小学校の時には、「3分間スピーチ」が国語の時間に行われました。
自分の順番が近づくと、手には汗がジワリと滲み、ドクドクと脈打つ心臓の音が自分でも聞こえていたのを覚えています。

すたすたと、クラスの前(学年ではなく40名ほどのクラス内での発表です)に立つと、
もう目の前は真っ白になり、膝ががくがくふるえます。
手に持つ原稿は、手の震えに合わせてゆらゆら揺れる。
定まらない焦点で何とか前を見ると、40名の目が私を見ています。
その瞬間気絶しそうになったのを覚えています。

3分間スピーチは1分で終わり、残った時間をどうやり過ごすか途方に暮れて固まってしまいました。
見るに見かねた先生が、次の人を呼び、何とか難を逃れました。
しかし、失敗だ・・・という劣等感でその日一日ブルーでした。

 

それが今では、なんだかんだ言って1000名規模の人の前でお話しする事さえあります。
緊張しないか?と言われればそんなことはありません。
それでも、程よい緊張の中で、自分を見失うことなく、自分に与えられた役割をこなすくらいはできるようになりました。

 

 

こういった緊張は、根っこの部分では「上手くやらねばならない」「失敗してはならない」という思いからくるものだと言われます。
失敗してもいいじゃないか。
そう思えると、一気に楽になるのですが、あがり症の人にはそれは難しいのかもしれません。

 

そこで、NLP的テクニックを一つご紹介しましょう。
それがアンカリングです。
たとえば、NLPで有名なアンソニー・ロビンスも、セミナー内で何度もこのテクニックを使い、参加者の最高の状態をいつでも引き出せるように作りこまれています。

 

やり方は簡単で、まず、自分が一番いい状態をイメージします。
活き活きと、胸を張って人前で発表する姿でもいいでしょう。
そのイメージの中への没入感を感じたところで、自分だけの合図を決めます。
たとえば、左耳を右手で触るとか、はなを触るとか。

すると、イメージした状態と、合図をしている状態がセットで脳内にインプットされます。
いわば、「やる気スイッチ」のようなものと考えればいいでしょう。

 

そうして、緊張したときには、その時の合図を試すわけです。
左耳を右手で触るのが合図だとすれば、それをすることでその時の感情が沸き上がるという事です。

 

アンソニー・ロビンスは、これを音楽でやっています。
大声を出し、踊り狂え!とみんなのテンションをあげ、その時にはいつも同じ曲がかかります。次に、この曲を聞いたときには、このテンションがよみがえる、という寸法です。

たとえば、オリンピック選手が、「いつも試合前にはこの曲を聴いている」なんていうインタビューを聞いたことがありませんか?彼らもまた、自分が最高の状態で試合に臨める作法を決めているわけです。

 

もしかしたら、1度や2度では実感しにくいかもしれませんが、都度都度、この合図を試して体に覚えこませていくと、いざというときに結構使えるようになります。

 

もう一つ、効果的なのが、これ。
「私はできる」
これを繰り返し呟く事です。

 

なんだか、怪しい・・・
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、言葉が脳に与えるパワーは想像以上のものがあります。実は、ある世界的に有名なコンサルタントの方も、セミナー講師として壇上に立つ前には必ずやっているとか。

これもまた、アンカリングの一面もありますが、繰り返し呟くことで潜在意識をプログラミングするようなものです。
潜在意識というのは、人が意識しない心の奥底にある意識。
これのパワーは絶大で、よく例えられるのが車の運転。
初めての運転は、「顕在意識」がやるため、動作の一つ一つを確認しながらです。
それが浸透してくると、潜在意識が運転動作を行うので、まさに無意識にやってしまえるわけです。

この力を使うために、私はできる、という言葉を繰り返し呟くわけです。

 

効果が実感しにくいかもしれませんが、私は何度かためしてみました。
講師として壇上に立つ際、呟いた講演と呟かなかった講演では、圧倒的に前者の評価が高かったのです。

 

NLPは、この潜在意識に語り掛ける技術。
ぜひその基本を学んで頂きたいな、と思います。

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